「自分」について考えたことありますか?
「自分と戦う」
「自分に負けない」
そういった言葉をよく耳にします。
でも、それらは本当にあなたがこれまで生きてきて自ら悟った言葉でしょうか?
最近よくそう考えます。
昔からよく聞くから。
だれかが本で書いていた。
何かのドラマでそんなことを気取ってしゃべっていた。
尊敬する有名人や歴史上の人物がよくそういっていた。
どこかで他人が語っていた‘かっこよく響く言葉’や‘自分に対して厳しい印象を与える言葉’を
いかにも自分の信念であるかのようにおきかえて、本心をごまかしたりはしていないでしょうか?
困難に耐えて乗り越えた時、それはあなたが自分に打ち勝ったから?
いや、違います。
乗り切れたのは深い部分にいたあなた自身がずっとあなたを励ましていたからかもしれません。
それなのに、励まし続けてくれた深い部分の自分に対して戦って勝ったなんて一方的な
失礼な思いを描くのはどうでしょうか?
これまでの人生を回想するといろんな思い出が巡ってきて、そのなかには決して思い出したく
ないようなこともあります。
だけど今現在オレが生きているのは、若い頃の「俺」や辛くてやりきれなかった頃の「俺」
がその時代を耐えて生きてくれたから。
両親や親友に対する感謝ももちろんだけれど、そういう人たちの助言をちゃんと吸収して
「今のオレ」につないでくれた「過去の俺」への感謝を忘れてはいけない。
お礼を忘れてしまっていた「過去の俺」を労いに連れていってあげたい場所がある。
ひとりだけど、ひとりじゃない旅。
ひとりじゃないけど、ひとりの旅。
2016年 夏
オレは俺と旅にでた。
「犬神家の一旅(ひとたび)」から早一年。
ダーク・スナフキン、 久々のひとり旅――
次回
「おもひでほろほろ」