セクシー女優 | 昭和80年代クロニクル

昭和80年代クロニクル

古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

元俳優の高知東生の存在についてはテレビに出始めるかなり前から知っていた。

芸名が「東急(のぼる)」でまだ問題じゃなかった頃からだ。


明確な時期は忘れたがまだ10代の時だったと思う。


ものすごく暇な日があって、近所のセブンイレブンに出かけ、なにか暇つぶしになる雑誌でもないかとラックを見ていたら、タレント名鑑なるものがあり、パラパラとめくってきたらひとりひとりの

プロフの趣味とか、本名と芸名のギャップを読んでいくだけで暇つぶしになると思い、思いつきで

購入してしまった。


そこに男性タレント名鑑枠にまだ無名だったころの高知東急の宣材写真とプロフも掲載されており、「東急」とかいて「のぼる」と読む由来は、売れるために急いで東京へゆく(のぼる)という願いが込められていると説明されていたのがちょっと印象に残り、それで憶えていた。


そして、高知東生の当時の奥さんだった、ちょっとマニアックな「あいだもも」という女性の存在も

知っていた。いわゆるAV女優さん。


当時、中学時代のKという友人と街で偶然再会して、ふたたびたまに遊ぶようになった。

この友人が「あいだもも」のビデオのコアなファンで、会話のなかで何回か名前が登場してきたのだ(笑)

語呂も特徴があるので、きいているうちに名前だけは憶えた。


そんな偶然が重なってオレは高知東急も、元妻のあいだももの存在もかなり前から知ってはいたが、当時街を歩いている人にこのふたりの名前を知っているかときいたら、おそらく多数の人が

ふたりとも知らないといったのではないだろうか。


だけど、高知東急とあいだももの夫婦関係は高知がテレビで活躍するよりも早く破たんしたと

いっていいかもしれない。


だけど、それから数年後まさかアノ高島礼子をモノにするとは思っていなかった。

まさに格差婚といった印象。


それにしても、当時の中吊りやラテ欄のワイドショー枠において

「高島&東急ついに一緒に!」とか「高島と東急結ばれる!」

といった文字が躍った時は一瞬それ見て、‘大型老舗デパート同士の合併の話題’かと

思ったもんだ(爆)

まあ、ネタはさておき……。



そんな東急、いや東生氏もあの事件があってからいろいろ過去の経歴とかをワイドショーで

洗いざらいにされていた様子。


もちろん、過去の結婚離婚についてもだ。

だから名前こそ伏せられていたが、あいだもも嬢のことも元妻としてフリップなどで紹介されていた。



だけど最近とくダネとかのワイドショーや報道を見ていると、気づくことは昔は単純にAV女優と

表記したり呼んでいた職業の人のことを最近はよく「セクシー女優」と表現しているのだ。

そこでは、あいだサンのことも「セクシー女優」と表現されていた。


朝の番組だけならばなんとなくわかる。

家族の食卓で通学前の子供とかも観ているから、はっきりいうのは空気がまずくなるとか。

だけど、夜のニュースとかでも、その職業の人がからむ事件の紹介とかをするときにそういう

いい方をしているのだ。


事件だけじゃない。名前忘れたけど中国かどっかに進出して現地で人気を集めているAVの女性もセクシー女優とニュースで表現されていた。


これはなにか背景があるのだろうか。

職業差別呼称的な騒ぎや議論がどこかで発生したとか。

まあ、別にいいんだけれどセクシー女優っていう言い方はなんか微妙。


普通にグラマラスな女優さんの肩書とかとごっちゃになってしまうんじゃないだろうか。

それじゃあ、AV男優のほうはセクシー男優と呼ぶのか?

それもまたちょっとニュアンスが違ってくるような。


とくに深い意味がないのならばそれまでの話なんだけれど、もし表現による職業差別的な

視線があるのならばどうなのかと思える。



なんかここ数年、職業における呼称についてヘンに神経質になりすぎているような風潮が

そこらへんを敏感にさせているのかもしれない。


おそらくもっとも多いのは男女の間における平等感覚的なもので呼び方を変えた例が

多いのではないかと思えるが違うのかな。


看護婦がダメで看護師(士?)で統一とか、スチュワーデスがダメでCAだとか。


「婦」とか使わないっていうのはなんとなく理解できる。

だけど、個人的にスチュワーデスは別にいいと思うし、特に性差別的表現の匂いはまったく

感じないんだけれど、そこはオレの感覚が世間とずれているのだろうか?

それともオレの勉強不足でなにかあるのかな?


もちろん、世の中にはまだまだ男社会的な面がたくさん存在するのも認めるし

そういう部分はしっかりと意識から改善していかないととは、男目線からみても十分感じる。


だけど、スチュワーデスという名称は何がイカンのかいまだにオレはワカラン。

今まで自然だったものを妙な哲学のスコップでこねくりまわすほうが、職業差別および

男女差別を掘り起こすことになりかねないと思うのはオレだけだろうか。


実は根本から考え方を改めて改善してゆかなければいけない差別問題がたくさんあるのに

そういう部分は気付かないふりをして、本当に些細な部分だけにまるで年末の道路工事のような公共事業のごとく時間と改善を費やしてはいないか?


オレがここでヒートすると文章ひとり相撲になって、読者サンがさーっと引いてゆくから

このへんで止めておくけど(笑)



じゃあ、最後にひとつ元セクシー女優さんに関するこぼれ話。


セクシー女優さんもある程度貯金ができたり引退したりしたら、一般タレントさんと同じように

自分の飲食店を開店したりする。


かつて広告の仕事をしていた時、とあるお客さんから「知り合いが都内にバーをだすから

広告の相談をしにいってあげてくれない?」と言われた。


バーをだすというお客さんの名前と連絡先を聞いて、さっそくアポをとりオープン前内装中の

ハコまで広告の交渉と相談にでむいた。



出迎えてくれた担当者は男性と女性がひとりずつ。

ふたりで共同オーナーをやるようだ。


男性のほうは自分と同じ年くらいでちょっとホストっぽいがかなりの2枚目。

女性のほうは自分より若干年下に見える綺麗な人。


ふたりそろって外見に花がありすぎているので、売れっ子キャバ嬢とその彼氏であるホストあるいは2枚目マネージャーが勤めていた店を辞めて一緒に店を開いたのかと思った。



男性のほうも見た目がすごくかっこいいのに、今までこんな礼儀正しい低姿勢な人あったことない

と思えるような素晴らしい人。

女性のほうも美人なのに、全然高飛車でなく、男性同様にすごく低姿勢で礼儀正しくて

驚いた。

話していて、「とてもいいお客さんに巡り逢えたな」と感動すらしてしまった。


広告を打ってもらう契約が決まり、まず「タタキ」という大まかなデザインをこちらで作成し

持ってゆき、相手に見せて直してほしい部分などを聞き修正をしてゆくのが流れなのだが

そのタタキを持っていって提示した際、両方のオーナーから

「こんな素敵な原稿を作って頂きましてありがとうございます。もうこれでOKです!」

と笑顔ですごく丁寧にいってくれた。

本来はお金をもらっているこちらがお礼をいわないといけないのに却って申し訳ないくらいの

気持ち嬉しかった。


打ち合わせのアポの電話を掛けた時もすごく低姿勢、そして明るい声で

「いつもとてもよくしていただいてありがとうございます」

といってくれたりする。


契約が続行している途中で、なにかをキッカケに豹変する客も少なくない。

だけど、ここの男女オーナーは契約が終了する最後の最後まで良い人のままだった。


あれからもう何年も経ち、つい2年くらい前にその時の女性オーナーが売れっ子キャバ嬢ではなく

セクシー女優サンだったということを偶然知り驚いた。

(名刺を整理していて、今でも店やっているのかと店名検索したらその情報が……)

大変失礼ながら男性のほうはどういう位置だったのかわからないままだけれど、きっとマネージャーさんかな。


そういう映像の世界で働いたり演じたりしている人に偏見を持っている人も現実多いと思う。

でもその女性オーナーのHサンという人は、人間としてもめったに逢えないくらいに礼儀正しく

良い人だった。


ああいった映像を作る現場っていうのはきっと精神的にも肉体的にも想像以上に過酷なんだと

思う。


仕事とはいえ、Hサンもきっと現場で怖いカントクとかから怒鳴られたり、かなりキツいシーンとかも撮影を要求されたりした経験もあるんだと思う。


そういった職場のストレスを他の場で他人に対してぶつけて発散しちゃう人もなかにはいると

思うんだ。もちろん業種問わず。


だけどそういう人がいる反面で、仕事において嫌な対応されたり、無茶なことを要求される側の

気持ちがわかるからこそ他の場所で人と接するときは丁寧にするんだって心構えができている

立派な人もいると思う。それが女性オーナーのHサンだった。

Hサンの人間対応姿勢は今でも多くの礼儀知らずの輩に見習わせたいと思う。


普段からビジネス書批判しているオレだから極力仕事論をここで書くのは控えようと思ったけど

ここまできたから書いてしまおう(笑)


営業における新規取引交渉の現場にしても、新卒の採用面接とかにしても受ける側受けられる側双方勘違いしている場合が多い。


双方の間でまだおカネのやりとりが発生していないうちはお互いに「お客様」なのだ。

「うちの商品を買ってほしい」と「いい商品があればほしい」といった互いの要望によって

引き合うことになり売り込みあうことになったお客様同士。


「雇ってほしい側」と「優秀な人でがほしい側」も同様。

どちらも同じように「求めているものがある」のだから。


それは契約あるいは採用が決定した時点ではじめて「支払う側」と「受け取る側」が明確になり

片方が完全な客となるのだ。


だけどまだ金銭や雇用のやりとりがなく互いに「お客様」である交渉の段階で

「おたくのとこの商品をうちに買って欲しいんだろう?」

「うちで働きてえんだろ?」

といったように上から目線の態度をとってくる担当者は佃煮にするほどウジャウジャいる。

それはお客様にたいしてありえない無礼さだとオレは憤る。


取引が成立して客と売り手の立場が明確になってからも、相手に対して丁寧に接することを

忘れないHサンの対応姿勢を見習わせたいものだ。


モノを売る能力はあっても肝心の礼儀がお留守のような方々。

一度そういった映像の世界に研修にいかれてみてはいかが?(笑)