酒場放浪黄金週間の続き。
新宿を後にして、その日は新小岩の友人宅に宿泊する。
友人曰く「亀戸の飲み屋がアツい!」とのことで、それに対してオレが「じゃあ、今度連れてけ」
というやりとりが少し前に交されていた流れから2日目のプランは亀戸中心として友人に委ねた。
朝起きて、1時間くらいしたら出発。新小岩から総武線で亀戸へ向かう。
三浦しをんだったか、西加奈子だったか、どちらでもなかった忘れてしまったが、東京都の東部に
「亀戸」「亀有」といったように、同じ「亀」という漢字が入った二文字の駅が存在することのまぎらわしさには、やはり裏に何か策略があるように感じると言っていたのは説得力がある。
同じ2文字の駅名の「一文字かぶり」であっても、「上野」と「日野」を勘違いしたり、あるいは
「松戸」と「登戸」を勘違いすることはまずない。
それをふまえて考えると、オレはその「亀」という漢字が備えているインパクトの強さを毎回思い知らされてしまうのだ。
亀戸と亀有。それは似て非なる物。今は上戸彩と綾戸智恵、昔は柏原芳恵と榊原郁恵。
餃子の画像が1枚も出ないまま、くだらない文章で13行を既に消費。
開店前20分くらいに亀戸駅到着。
実は「亀戸餃子」には一度来てみたいと切望していた。
ごく最近も何かテレビでやっていたようだけど、それは知らない。
初めて店の存在を知ったきっかけはなんだっただろうか。
たぶん、本だ。
♪ご存じキンタの大冒険~、という発売禁止の歌で皆さんご存じであるなぎら健壱氏の出した
「夕べもここにいた」という本だったような気もする。うん、きっとそうだ。
店は駅のすぐ近くだ。
改札を出て、ロータリー沿いに歩いてゆき、店がある路地裏へと入る……
ちょわっ!!
行列店だということは聞いていて覚悟はしていたが、開店前から想定の範囲外の行列が既に……
「かめい~戸餃子、……並びすぎ!」(某新聞のCM風に)
でもまあ友人曰く、店内突入までの予測時間は30分。
ちょうど正午前くらいであるから、ならば並ぶべき。
せっかく来たのだから、ここは是非食べておかないとイカン。
来客数を見たのか本来の開店時間よりも数分早く暖簾が出されて、先頭の客が入口に吸い込まれてゆくのが視界に入った。
そして列も徐々に進んでゆく。
二、三十分経過してやっと店の前あたりまで来た。
餃子専門店だけあって、回転率は悪くない。
でわ、ここで改めて店名を……
『亀戸餃子 本店』
東京都江東区亀戸5-3-4
地理の知識は小学校低学年レベルのオレ。
亀戸って、墨田区か葛飾区っていうイメージだったんだけれど江東区だったんだね(._.)
蛇足だけれど、フジテレビ周辺のお台場一角が品川区でも江東区でもなくて港区に属しているという不自然な区切り方に対して、港区が「港区」というその知名ブランドを利用した権力を発動させたようになんとなく思える。
入口前で、ちょっと流れが停まりなかなか進まない。
マジックが1まで来たところで、あと1勝がなかなか出来ずに優勝出来ずにいる数年前の西武
ライオンズのようだ。
入口前でずっと待っていると、駅の反対方向から店目指して歩いてきた人全員が
その行列を見て「うわ、もうこんなにいる!」といった同じことを言う。
そんな中やっと待望の入店。
オレは初。友人はもう何回か来ている。
店内は座敷とカウンター。
タイミングと人数の問題でどちらかに振り分けられるようだ。
今回は入口入ってすぐの座敷。
あとから入ってきたオバチャン二人と相席。
今回は「呑み歩き」がメインの企画だけにまずは瓶ビールで乾杯。
このシリーズはやはりこの画像はないと!
ここではビールを飲みながら餃子をつまむのが日常のように見えて、休日とはいえ
周囲を見てもほとんどの客がビールを頼んでいた。向かいのオバチャン二人も。
そして、ついに恋焦がれた餃子の登場。
1皿250円。
壁には何皿食べたら幾らになるといった早見表も丁寧に貼られていた。
ルールとしては一人最低2皿は食べないといけない。だけどそれでもワンコイン。
この餃子。
個人的な感想だと、まあなんというか「ずばぬけて美味い」というものではないかもしれないのだが、普通の餃子と違って「いくらでも食えるほど美味い」ものではあるのだ。
餃子たるもの、その中に潜むニンニクの破壊力は強力であれ、といったようなイメージをずっともっていたのだけれど、この餃子はニンニクの自己主張が激しくなく、むしろサッパリとしている。
そしてオレの天敵であるオニオンもその中に潜んでいるのだが、それも主張を控えていてオレに
不快感を与えない。
権力者がいないのだ。
一党独裁主義じゃないのだ。
餃子の具の王であるニンニクがしゃしゃり出てきていない。
それによって平和が保たれることで民衆であるオニオンも暴動を起こさずに黙っているのだ。
皮の中に平和な共和国が出来あがっているのだ。
クセはあまり強くないけど、うまみはしっかりある。
だから、食欲の制御装置を稼働させないと何皿でも食えてしまうような勢いだった。
美味い。下品さがない美味さだ。これは行列が生まれるのも理解できる。
さっぱり味なのに何故か中毒性があるのだ。
ここの餃子にライスはいらない。
ここでは餃子に集中し、わんこそばのように喰らうべきだ。
おともにライスを求めたくならない餃子を食したのは初めてかもしれない。
結局、6、7皿平らげた。
胃袋的にはまだ食えたのだけれど、夕方はまた酒場にゆかなければならないからその分の
余裕と、店に回転を考慮して店を出た。
来てよかった。また来たいと思った。
次の店の開店時間までまだ数時間あった。
予定では両国にある江戸東京博物館に立ち寄り。
現地についてみたら、こちらもまた予想外の激込みだった。
関ヶ原なんとか?とかいう催し物が同時開催されてた影響もあったようで、600円くらいのチケットを買うため窓口に並ぶだけでも90分。さすがに断念。
歩いてふたたび亀戸方面へ向かい、亀戸天神を目指す。
30分ほど歩き到着。
橋を渡れば熱海の時のようにそこに広がる既視感!
初めてきた場所なのに、つい最近、オレはこの風景を見たような気がするでは
ないかっ!
あ、セリコさんの記事で見たんだ(・∀・) 勝手に名前出してしまってスイマセン。
自分が行った時には残念ながら藤の色どりは終わってしまっていました(笑)
画像の本殿?の背景で伸びているスカイツリーが、ラジカセ(本殿)から伸びるアンテナのようだ。
亀戸天神は初訪問だったけどなかなか風情がある場所だった。池では亀が涼しそうに
泳いでいた。
亀戸天神内を数分歩いたあとは、そこからまた少し歩いたところにある香取神社というところへ行ってみた。
次回このGWシリーズは最終回。
ちなみに記事中に出たなぎらサンの本を下に。
- 夕べもここにいた!―なぎら健壱の東京居酒屋/なぎら 健壱
- ¥1,512
- Amazon.co.jp