ふたつお隣の多摩市の聖蹟桜ヶ丘に、ちょっと規模が大きめの「ココイチ」がある。
大学の時のバイト先の後輩が、そのへんに住んでいて、ある日地元の友人たちと多摩川沿いにあったボーリング場でボーリングして遊んだあと、「カレー食いにゆこう」といった話になり、7、8人くらいでそこにカレーを食べにいったらしい。
一度全員でテーブル席についからそれぞれが食べたいカレーを店員に伝えた直後、
友人のひとりがボーリング場に忘れ物をしたかもしれないと言いだして、1人だけ一度店を出て
確かめにボーリング場に戻ったという。
その数分後に全員分のカレーが卓に届いたのだが、オレの友人たちは、忘れ物を見にいった
友人を待たずに先に食べたら申し訳ないと思ったらしく、残った友人同志で相談した結果、
カレーに手をつけず、じっと座って忘れ物を見にいった友人が帰ってくるのを待ち、戻ってきたら
一緒に食べはじめようと決めたらしい。
ところが予想以上にその友人の戻りが遅く、カレーが届いてからも10分くらい誰も手をつけずに
7人でじっとしていたようだった。
そうしたら、出て行った友人ではなくて、その店の店長がオレの友人たちの座る卓にやってきて
「あのう、私どもの提供する商品に何かご不満な点でも……」
と言われて、慌てて、「いやいや!そういうわけでは!」とフォーローしたとかいうエピソードを聞いた。
ただそれだけ。大オチはない。
でも、街中で「ココイチ」の看板を見かけるたびに、どうしてもその話を思い出してしまう。
ココイチねエ……
営業で朝から夕方まで電車乗って各地に営業言ってた時はけっこう利用してた。
でも、ここ5年くらいはもう行っていなかった。
先日、大塚家具の件で記事を書いたが、その会社は客に向けたサービス体制を
高級路線にするかカジュアル路線にするかといった騒動だった。
ココイチは正直、高くはないかもしれないが、決して安くはない。
だけど、チェーン店にしては、絶対に値下げをしないという確固たる営業理念を持っている。
でも、それが安定につながっている理由かもなあとは思う。
デフレだろうが食材高騰だろうが、値上げも値下げもしない。
(オレの知っている限りで。間違ってたらスマン)
だから、ある意味、消費者にとって「あの店は○○円」というイメージが定着するから
「今はやすい」という良い印象は生まれないけれど、逆に「○○円の値上がった!」ちいった
イメージダウンを起こすことも少ない。
牛丼の価格戦争がそのギャップをみるいい例ではないだろうか。
20年くらい前っていくらくらいだったろうか。
おそらく400円前後はしたんじゃないかなって気はする。
でも仮に400円だとしても、それほど高い印象はない。
それがさらに安くなって定価そのものが一気に200円代までになったとする。
人々はその価格になれてしまう。
やがて食材が高騰して価格が60円あがったら、人間て「60円‘も’上げやがった!」と
思ってしまいそう。
もともと適正価格よりも100円以上安くなったわけだから、60円上がったとしてもまだ十分安いに違いないと思う。
350円だとしてもまだ安いけど、その350円という値段が適正かどうかというよりも、ついこの前よりも急に60円もあがったという見方をして、そこで食べたらなんとく損なんじゃないかという錯覚に
落ちいってしまうのだ。
そういう人間心理的なことから長い目での安定を考えると、ヘタにちょこまか価格を上げ下げしたり
中途ハンパに無理した低価格で商品を提供するよりかは、あまり安い印象がなくとも、価格が変わらないココイチのような戦略がもっとも安定に近いのかなあなんて考える。
やばい。あれだけビジネス書が大嫌いだとか書いてきておきながら、ここまで書いていることが
4流のビジネス書みたいな内容になっとる(._.)
ココイチは美味い。だけどなんかズルい。
なんかね、儲け方がガールズバーに似ているのだ。
ココイチは具なしのプレーンカレーなら、けっこう安い。
ガールズバーも入店して自分の分を軽く飲むだけなら安い。
プレーンカレーなら安いけど、ライスの量を1段階、2段階と増量してゆくと100円ずつ
上がってゆく。
ガールズバーも、キャバクラじゃないわりずっといると延長料を高めにとられる(店によるのか?)
ライスの量は普通に抑えても、トッピングを数種追加したり、辛さを増したりしたら、あっという間に
1000円くらいいってしまう。
ガールズバーも飲み放題コースだけとかなら比較的安いが、バーテンのネーちゃんからいわゆる「おねだりドリンク」とかを追加したり、つまみなどを勧められたりしたら、そのぶんだけでも
普通のキャバクラと変わらないくらいの料金になったりする。
(グラスにチョコポッキーが8本だけ入れられたものが800円とかw)
どっちもシンプルな基本安いけど、それだけじゃもの足りないから、アレもコレもとか
やって注文しているうちに、それなりの料金をとられていたりする。
かつて美容系の広告を取る仕事もしていたからわかるが、女性にとってはそういった美容系の店が似たような流れかもしれない。
男にとってはガールズバー。女にとっては美容系。それがココイチ流。
あくまでオレの個人的見解。
こういう例を出したからといって、オレは別にガールズバーが好きなわけでもなんでもない。
行ったこともない……2回くらいしか(仕事絡みで)
でも、先週ココイチに行ってきた! 5年ぶり。
ずっと行っていまかったことと、ちょっと敬遠気味になってた反動なのか、急に久々行きたく
なってしまった。
あと、ほかに行きたくなった理由。
ちょっと前になるけど、アメトーークを見てたら「CoCo壱番屋芸人」っていうテーマをやっていて
その中でお笑いコンビおぎやはぎのメガネをかけているほうの人が「ココイチのソーセージカレー」
が美味いと推していて、画像みたら時間帯的なものもあってかやけに食欲をそそったのだ。
それから、いつかソーセージカレーに逢いに行きたいと恋焦がれて、ついこの前やっと行ってきた。
今までココイチに行ってた時はだいたい、フライドチキンカレーかトンカツカレー。もっとも頻繁に
頼んでいたのはカニクリームコロッケカレーかな。そればっかのへヴィローテーション。
ソーセージカレーというのはオレの味覚の死角だった。
だけど映像見て、アブラで焼かれたあの表面のツヤを見るとなんだかヨダレが。
で、5年ぶりのココイチで初「ソーセージカレー」
うむ。
美味いっちゃ美味い。
5段階で3.8~4.2くらいの間。
これまでずっと偏った注文ばかりしてきたけど、もしかしたらまだ口にしていないけど
ハマるような既存メニューもあるのかもしれない。
しばらくしてまた恋しくなったら行ってみようか。
ところで、ココイチの卓上においてある「とび辛スパイス」とかいうアレ。
オレの勉強不足でよくわからないのだが、料金マシの「辛さプラス」を頼むのと、
無料であるアレを一振りして入れるのでは何か違うのだろうか?
「辛さの強度」ではなくて「辛さの種類」が違うのか?