まんだらけの件 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

朝起きて、テレビをつけた。


「まんだらけ」において鉄人28号の玩具を万引きした犯人が逮捕されたとか。

出演者の話だと、逮捕されたことがニュース速報で出たとか。そこまでの騒ぎになったか(笑)


いうまでもなくこの事件においては、盗まれたモノの金額とはよりも、防犯カメラに映った

万引き犯の画像を公開するかどうかで賛否わかれたところ。


結局、警察側から捜査に支障が出るので公開は控えてほしいという要望をまんだらけ側が

のんで、万引き犯の顏はホームページでさらされることはなく、その後、警察が逮捕した。


それが最終的な結果だが、ここでの話題に関してすこし時間を巻き戻し、

万引き犯の顔の公開に「賛成」だったか「反対」だったかというと、おそらく皆さんの多くと

同じ答えだと思うが、オレは「賛成」だった。


「賛成」といういい方をしてしまうと、どう「やれ!出しちまえ!」というようなニュアンスに聞こえて

しまうが、ちょっと丁寧な言い方をさせていただくと「被害者の店は公開する権利がある」ので

「出しても別にわるくはない」し、やりすぎだとも思わない。


だって、これに関しては単純に理屈だとか哲学だとか全く絡めるまでもなく

「やるほうが悪い」

に決まってるじゃないか。


「たぶん、こいつが盗んだじゃないか」といったような不確定な状況ならば冤罪の可能性が

あるので、行動を急ぐのは危ないと思うが、映像が証拠として万引きという行為が確実であるの

ならば店側には公開する権利がある。


憶えている人もいるとは思うが、実はこういった「万引き犯画像公開」に関する賛否騒動は

類似案件が過去にもあった。


20年は遡らないと思うが、10年はもう経っているだろうか。

どこかの店(記憶の限りではたしか書店だったと思う)で、万引きがかなりの頻度で行われていた。


その時に被害者の店舗の主人が、万引き現行犯の様子が写った防犯カメラの映像をビデオテープにうつして、

『実録! これが万引きの瞬間だ!」

といったようなタイトルをつけて自分の店で販売した。

ちなみにそのころはまだインターネットやらホームページなどがそれほど普及していなかった。

また、その映像にボカシはかかっていなかったと思うが、一般店の防犯カメラなので服装くらいは

確認できるが、顔までは鮮明じゃなかったと思った。


その騒動の時は、その犯罪の瞬間を商売に結び付けたということもあり、今回に比べると

反対や批判の意見は多かったが、それでもやはり「万引きするほうが悪い」という声が全体的に

は多かったような気がした。

伊集院光の深夜ラジオでそう語っていたのを覚えている。


プライバシーもなにも、別に悪いことをしなければ公表されることもないし、何も悪いことして

ないのに勝手に顔やら個人情報やらを公開されれば、それは公開したほうが罰せられる。


やはり「やったほうが原因をつくっている」わけだから、そっちが悪いしか言えん。


今回、まんだらけサンが警察の言う事を聞いて、画像公開をしなかったことは

良い部分も悪い部分もあったんじゃないかとは感じる。


どれは被害者本人であるまんだらけサンが納得いけばそれでいいことだけど、まあ素人の

戯言コラムだから余計なお世話で書いてゆくけど。


警察がいう「捜査に支障が出る」というのが、果たして本当の考えなのかどうかはわかりかねるが

でも、たしかにあそこで公開してしまったら、一般の人もその容貌をしることになるわけで、

犯人としては髪形を変えたりとかいうようなこと行動に出るかもしれない。

警察側には無修正の画像が提供されているにしても、変装などしたら一般の通行人はわからなく

なるかもしれないので、犯人側とすれば通報されるリスクは少なくなる。


また似たような人、そういう人形などを集める人に対する誤認逮捕や間違った通報が発生する

リスクもないともいえない。


そう思うと、個人的感情は抜きにして、警察にあるったけの情報をあずけて任せたというのは

結果オーライとは言える。


また、凶悪殺人とか大金強奪とかではないとはいえ、報道などでここまで騒がれたうえ、

「捜査に支障が出るからやめてくれ」という指示を出したことまで広められた警察としては

何としても捕まえなければならないという状況まで来たのも間違いなく、警察にはっぱを

かけたことにはなったと思う。


世間がこれほど騒がなければ警察も大規模な事件のほうを優先にして、この万引き犯逮捕に

関しては、もっとゆっくりと動いていたのではないだろうか。


そういうことで良かった点としては、たいした混乱や誤認逮捕もないまま警察を早めに

動かし、結果として犯人逮捕が出来たこと。


悪い点といってしまっていいかどうかはわからんが、今回、公開が中止されたことによって

似たような万引きをやっている人間、あるいはやろうとしている人間に対しては、すこし

煽るようなことになってしまったような気もする。


ある意味で、今回顏を公開してしまえば、そういうことをたくらんでいる輩に対して

値段が安かろうが高かろうが「盗み」はいけないことで、盗みをすると、いろんな人にそれを

発信されるという見せしめにはなったと考えられる。

それにより今後万引きも多少は減るかもしれない。


「やりすぎ」だとかいう声も多かったらしいが、我欲のために人のものを盗んだのだから

それを補う以上の罰をうけるのは当然ではないか。

「やられたらやり返す。倍返しだ!」のセリフで気分爽快になってた国民はどこの国民だ?


第三者だったら、綺麗事や人権論も言えるだろうと思われる。

でも、もし、自分が店主で、必死にカネをためてオープンさせた玩具屋で、何回も万引きに

あい、二五〇〇〇〇円の商品をもっていかれても、同じことが言えるだろうか。

万引きによってつぶれている店も相当多い。




電子関連の進出により、現代はただでさえ書店やCDショップが苦しい状態である。

そんなお店相手に、万引きなんて非道以外の何者でもない。


かつて営業で書店をまわっていた時、埼玉某駅にある有名チェーン店の仲の良い担当者に会いに店に入ったら、ほんのちょっと出かけているとのことで数分待っていた。


10分くらいたってその担当者が店に戻ってきたので

「どこに行ってらしたんですか?」とたずねたら

「最近うちで万引きが多くて、うちで盗んだ本を近所の古本屋にもっていって転売してるらしいから

新品を持ってきた中学生や高校生がきたら注意しておいてほしいという話をしてきた」

とのことだった。

それを聞いてかなり深刻だと感じたのだった。


そうのなのだ。

盗みは盗みだからいかなる場合も良くないのだが、昔の万引きは

「それが欲しくて欲しくてしょうがなかったから盗んだ」というケースだったろうが今は

転売による金稼ぎがメインなのだ。


何かの雑誌だったかに

「ブック・オフの2階で万引きした本を1階で売るリサイクル」

とかいったネタがあったが笑えない……(すまん、ホントは不謹慎ながらちょっと笑ってしまった)


とにかく、公開中止は賢明だったとは思うけど、それによって一部の「万引き考案中」あるいは

「常連者」に対して、見せしめの機会を逃がしたのも事実のような気が。


「防犯カメラにさえ気をつければ」とか「もし写ってしまって、警察にはせめられても店からはせめられることもかければ顔を公開されることもない」といったような知恵を与えることにならなければいいが……


価値が1円だろうが100億であろうが、人のモノをとればそれは犯罪である。

タクシー強盗や牛丼屋強盗は、逃走しても防犯カメラに写っていればだいたいその画像を公開される。一方で万引き犯はあまり公開されないが、それはやはりメディアの中にも自分たちの中にも

どこかで凶悪強奪事件などに比べると「たかが万引き」という意識があるのかもしれない。


それはどこか「脅迫」と言うとけっこう思い犯罪だというイメージが浮かぶが「いじめ」というと

比較的ソフトなイメージを持ってしまうような錯覚に近いかもしれない。


とにかく犯人が捕まったのはよかったと思うが、今回の公開中止が裏目に出て、世の万引き犯人たちに知恵を与えなければ良いと願う。


防犯といえば、たまにそういう情報番組で


「実はバスにはバスジャック対策として、どこどこにあるスイッチを押せば犯人には解らないように

外側の行き先掲示板に『SOS 警察に連絡してきださい』という表示が出る仕掛けがあるのです!」

とか

「実は○○のお店には強盗に気付かれないようにこんなところにカメラが設置してあるのです!」


とかいった業界の防犯裏話をよく見聞きする。


見たり聞いたりしていると、とても興味深くて面白い。


とても面白いんだけど……




そういう情報って大勢が見てるテレビで言っちゃったら意味ないというか、ダメなんじゃないの??


これから犯罪やろうとしてる輩が見てたら、それの対策考えて動いてしまうぞ(ーー;)