フランダースの犬っす | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。



「笑いのセンス」という言葉はよく耳にすると思われるが、それは「どういうふうに笑わせる」
かというセンスだけでなく、「どういうネタで笑うか」という受け身のほうのセンスもあると思うのだ。

だから、こちらが何かギャグやネタを言った時に、「おまえ、センスねえよ」とか言ってきたり
お笑いに関して語りだしたりした場合、それほど言うくらいだからそれなりのセンスがあるのかなあと思うが、そいつがものすごくつまらないネタで大爆笑している時とかは唖然としてしまう。
オレも別にそんな面白いこと言えない人間だけど、だとしても何でこいつがオレのことを
つまらないやつだと評価できるのだろうと怒りに打ち震えたり(大袈裟)

高校生の時だったと思うが、クラスメイトのひとりがオレに対して、笑いのセンスがない
と嘲笑してきたことがあった。まあ軽いふざけ合いのような感じではあるが。
この時は、「どういうふうに笑わせる」かというほうのセンスね。

ある日、英語の時間中、また別のクラスメートがずっと友人と私語をしていて
それに気付いた英語教師のオバサンが、よくある意表をつく攻撃をしてきた。

「○○クン、私が今いった(教科書英文の)訳、ちゃんと聞いてたわよね?
 じゃあ、nurse(看護師)はどういう意味?」

といった質問だった。

まあ、高校3年生くらいになれば、たとえ教師の話を聞いてなかったとしてもnurseが
看護師だということくらいはわかるだろう……と思っていた。

ところが、その指名されたちょっとヤンキーの生徒は、本当に分からなかったゆえに
ボケようと思っていったのか、それとも正解はわかっていたけど笑いをとろうと思って
いったのかはいまだにワカランが、数秒考えた顏をした後にドヤ顏で
「野菜」
と答えた……。

「うわあああ……マジかよぉ……寒すぎるだろ、勘弁しろよ……」
と直後に教室を支配するであろうツンドラ気候のような寒気に心の中でおののいたのだが、
その数秒後、まさかの教室内大爆笑。


教室内は寒くならずにむしろ温かい空気になったが、オレは逆にひいた……。
(え? そんな子供みたいなベタなギャグでみんなうけるのかよ……笑点か?……)

別にオレだけが別格だとか悟りを開いたなんて思っちゃいないが、さすがにそれは
高校三年生が言うギャグでもなければ、聞いてウケるギャグでもないだろう……と。

クラス中がずっとゲラゲラ笑っている中で、オレは思った。
あの時、オレに対して「笑いのセンスがない」と酷評したアイツなら、オレと同じように
今この瞬間、ひいたような顏をしているんじゃないかと。

そいつのほうを見てみた。
腹抱えてゲラゲラ笑っている……(ーー;)

それっきりオレは笑いのセンスの評価に関して、人の意見はあまり参考にしないことにしている。

その件を踏まえてフランダースの犬の話。

「フランダースの犬」と言えば数々の有名シーンがあるが、その中のひとつが最終回の
教会でのシーンで

『パトラッシュ……僕はもう疲れたよ』

という主人公ネロのセリフがよく知られている。

それを一旦ちょっと片隅においといて、
深夜にやっている某AMラジオ番組の投稿コーナーで、よくある「もしも○○が○○だったら」
というネタが数年前に紹介されていた。

そこでとあるハガキ職人サンがこんなネタを書いてきて読まれていた。

もしもフランダースの犬の主人公ネロが、サラリーマンだったら最終回で言いそうなセリフ……
『通勤ラッシュ……僕はもう疲れたよ』

いや!コレ夜中に聞いた瞬間、すごく感心すると同時にメチャうけたんだよ!オレ!
もう、これ投稿してきたハガキ職人さんに座布団1ダースくらいあげたいくらいに!

だって巧いでしょ!

「ラッシュ」という言葉が被っているうえに、「通勤ラッシュ」が「疲れる」という理論に
までちゃんとリンクしている!
そして、「最終回で言いそう」ということも、最後の最後で飛び出たサラリーマンの弱音といったような風刺的な要素も含んでいて、すごく巧いと思った。

だから、これは面白いと思って当時、こんなネタがあったと口頭で周囲の人間に拡散してみた
んだけど、ほとんどがあまり感心したり笑ったりしなかったんだな、これが……(._.)

うんにゃ…… 笑いのセンスの違いって難しいのう。


肝心のアニメ本編に関することは何も書いてないけど、もう皆さん、懐かしのアニメ特集で
夢に出てくるくらいに見てて内容も熟知してるでしょうから、今さらオレが書かなくても
いいでしょう(笑)

最後、天使たちに運ばれてゆくあのシーン。
マジですごく切なくて素晴らしいシーンなんだけど、毎回毎回あそこばかりそのテの番組で
流されるから、こちらも流石に見慣れてきてしまって、その感動の密度が薄くなってきてしまうんだよな。

本当に価値のある内容でも、何かとあれば放送されると飽きてきてしまう。
一時期TBSでやっていたマーティン・セント・ジェームズの集団催眠術ショー特番のように。

……うーん、最後の「たとえ」ネタを見ると、やはりオレはセンスないかもな(爆)