ALWAYS①孫の湯 | 昭和80年代クロニクル

昭和80年代クロニクル

古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

そうそう。先日実家のありがたみの話で「サラダ」と「みそ汁」のことを言ったけど

もうひとつ忘れてた。

それは「湯ぶね」 つまりは「足を伸ばして浸かる風呂」である。


実家にいるころ、やけに周りの友人が温泉行きたい温泉行きたいとかいうのが不思議だった。

昔のオレは温泉とか風呂とかに興味がなかったうえに、実家にいた時は湯ぶねに浸かる生活が

あたりまえだったからだ。

一人暮らしして「温泉」に行きたい人間の気持ちがよくわかったのは成長。


疲れた後に足を伸ばして浸かれる「ゆぶね」があるのはいいなあ。


そういや、昔、阪神タイガースに「やぶ」「ゆふね」「ふるさと」という名字の三選手が在籍していて

その連名を聞くとなんとなく「ほのぼの」とした気分になったもんだ。まったく関係ないけど。


今の部屋に住み始めてもうかなり経つのだが、数年前に近所の道を自転車で通っていて

なんだか、ものすごくレトロなオーラを発している銭湯をうちから数分のところに見つけたのだ。


数か月前に友人宅に行った時に、その近くの銭湯に行ったくらいで、それ以もうここ何十年も

「銭湯」というモノには行っていないような気がする。

小学生くらいの時はけっこう行ってたけどな。

今の時代はスーパー銭湯なるものの勢力と人気が拡大しており、昔ながらの銭湯の生存率が

‘スーパー銭湯’……じゃなくて、‘数パーセント’になってきているのも事実であるし、

そういうオレも行くならスーパー銭湯という場合が多いから、街の銭湯というものを絶滅危惧種のレッドゾーンに追い込んだ1人かもしれない。


これはせめて銭湯の活性化の強力せんといかん。

前から一度、その気になったオーラの銭湯に行ってみようと思い、今日早めに帰宅して

訪問してみた。

どこかレトロを求めている自分もいたし、暑い中疲れて帰ってきたご褒美に湯舟につかるにしても

いいきっかけだ。


『孫の湯』

東京都国分寺市東恋ヶ窪2‐24-1



1 外観

夜だと上手く撮れないので、画像は別の日の早い時間に撮っておいたものである。


これまた良い具合に鄙びて味の出ているお店が隣接している。


2 隣

今回、訪問する前に、なんとなくこの「孫の湯」のことをネットなりで下調べしてみたのだが

驚きの事実が判明。


その佇まいが醸しだすレトロさは伊達ではなかったのだ。


なんと、映画の「ALWAYS続・三丁目の夕日」にてロケ現場になっていたらしく、当時ロケ隊が

きて、それなりの話題になったようだ。


使われたのは外観だけで、名前は「松の湯」に変わり、多少のセットや画像修正は加わったようだが、それでも身近にそんな舞台があったとは驚いた。

あり? オレ「続」はたしか見たような気も……(?_?) うーん、でも憶えていない。

ちなみに予告編動画は下にリンクするんで、面倒くさがりサンは0:12あたりから一瞬だけ

みてくれれば。

「ALWAYS 続・三丁目の夕日・予告編」



陽が落ちたころの入口。


3ノレン


入口でもう、男湯と女湯に別れる昔の銭湯スタイル。

4 男湯


引き戸を開けると、番台には人のよさそうなお婆ちゃんがいた。

料金460円。

下調べでは400円だと思って、そのつもりだったので少し足がでた(笑)


脱衣所内はこんな様子。オレが入った時はお客さんはいなかった。


5 脱衣所

画像中央よりちょっと右に映る男湯女湯敷居上にある「?」という看板には

「18歳以上禁止」と書いてるだけ。


多摩地区に住んでいる人間は一度は見たことがある老舗の店のお馴染み看板である。

「ホテル野猿」と同様、誰もがその看板は何度も見ているが、その建物自体はほとんどの人間が

みたこともなく、またどこにあるのかもあまり知られていない施設……。


隅っこには古びたマッサージチェアも。


7 椅子

大好きな四万温泉の宿にもこんなのがあった。

こういう大きな椅子を見るたびに、江戸川乱歩の怪作「人間椅子」を思いだし、誰かが

中に入って、そこに座ってくる人間の尻や背中の感触を味わっているように思えてしまう。


あのかたくて、まあるいグリグリで肩とか揉まれたら、ドラえもんからマッサージされたような

感じなんだろうか。


すぐあとに他のお客さんが入ってきてしまったので、中の写真は撮れなかったが

浴槽は2つ。

サウナはない。


シャワーは固定式であり、オーソドックスなレトロな銭湯なのだが、他と違って個性的だと

思えるのは、岩風呂なのである。


男湯と女湯を隔てる壁が、普通の塀ではなく、岩山なのだ。しかも溶岩のよう。


これはなかなかの造形である。

画像がないのが残念。気になる人は、他の人のブログをまわってみていただきたい。


とにかく岩を見ながら入る風呂は、まるでちょっと地方の海沿いの銭湯にきたような雰囲気に

ひたれる。

湯ぶねだけでなく、脱衣所とかもふくめて、なんともレトロである。


30分くらい湯を堪能して、外へ出た。

煙突に刺さるように空には月が出ていた。



暗くなったころにみる隣接店の提灯などが昭和を演出する。

湯からあがり逆上せたあとに、すぐ近くのこういう店で冷たいのをキューっと一杯なんて

いいだろうなあ。


8 夜となり


ちょっとノボせて店の外に出た瞬間、女湯のほうからもほのかに石鹸の匂いのする

艶っぽい女性が偶然同じタイミングで出てきて、互いになんとなく会釈して顏をあからめる

なんていうシチュエーションもなかなかオツなあなんて思ったけど、それこそそんな昭和歌謡

ソングみたいな現実はさすがになかった(笑)


決して裕福な暮らしは出来ていないけど、銭湯にふらっと行って湯に使って夜空を見ながら

帰るというささやかな幸せ。


小さな石鹸もってカタカタならしながら、ふたりで銭湯に行って、一緒に出ようねっていったのに

いつも待たされながらも、出てきたら仲良くふたりで神田川沿いのアパートに帰る、南こうせつ

(かぐや姫)の「神田川」の世界観だ。


歌の一節を思いだすのう。




♪ 窓のぉ~ ~

 

 

  下にはぁ~ ~



  噛んだガム (ーー;)   


9 ガム 


おあとがよろしくないようで <m(__)m>




※正しくは『窓の下には神田川~』という歌詞です。


※ガムは包んでゴミ箱に捨てましょう。