影の伝説 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。



「縦横無尽」という言葉があるが、まさに縦と横のスクロールがほとんどだったファミコン時代の言葉。
今のゲームは驚くほど鮮やかな立体感があるから、「縦横斜無尽」に動きまわるといった
ところ。

つまらなかったわけでもないし、かといってすごく面白いというほどでもないけど
当時としては斬新だった忍者ゲーム「影の伝説」を急に思いだすことがある。

小学校の時、身の回りに何人かオボッチャンの友人がいて、話題になる新しいファミコンの
カセットが出るといつも決まって発売日に親にかってもらっているやつだった。

クリスマスでもなければ誕生日でもないはずなのに、決して安くはないカセットを毎回毎回
当日に買ってもらえるのかが今でも不思議でしょうがない。親が甘いのか?

誕生日までまって、やっと1本買ってもらえたオイラは、例によって誕生日よりもずっと前に
きになるゲームが出た場合は、もっているオボッチャンから拝借することになる。

この「影の伝説」も当時のアーケード版でありがちの横スクロール。
ストーリー設定もありがちで、悪者のさらわれたお姫様を主人公であるシノビノモノが救出に
向かうという話。

攻撃をうけるたびにゲージが減ってゆくライフゲージ式」ではないから、手裏剣を一発でも
くらったら、即アウト。
だけど、刀を振り回していれば、それではじき返すことが出来る。
ただそのタイミングが微妙で、わずかなズレではじき返せずに死んでしまう。

それなりに面白いゲームだと個人的には思うのだが、今でいえばツッコミどころは満載だった。

主人公のジャンプ力が以上にある。
ボタンを押す強さによる飛距離の調整が出来ないために、一回ピョ-ンと飛んだら
1~2画面分くらい先まで行ってしまう。

また他のゲームと違って、空中における方向転換が出来ない。
そのために、ちょうど着地点あたりもしくは空中での経由あたりにおいて、虚無僧みたいな
的が吐く炎が飛んでくると、着地したり通過する前に、もうあたって死ぬのがわかる。

ま、スぺランカーと同じく、そのへんの融通のきかなさも昭和ゲームの醍醐味には違いないが。

一定の条件を満たすと空中か木の高いところに巻物があらわれて、それをとり地上に降りると
その瞬間、画面上の敵をすべて地に落として倒すという、いわば「無敵」と同じ価値のある
術が発動する。
主人公が空中で手裏剣にあたって死んで、そのまま地上に向けて一直線に落ちてゆく時に
たまたまその直線上に現れた巻物のところを通過しておちると、それは一応巻物をとったと
いうことになるらしく、死んだから落ちていったはずの主人公が地面に到着した瞬間いきなり
地に立ち、術が発動して、画面上の敵が次々と死んでゆく。

最初はこの現象で、「死んだ」のがリセットになったかと思いきや、術の効力が終わった瞬間
主人公はパタリと倒れてしんでしまうという、なかなかシュールな最後っ屁。
……と、いうよりも、当時のファミコンゲームならではのバグに近い単純プログラム。

一番最初のデモ画面にて、お姫様が森の中を逃げていて、後方から飛んできた悪の忍者が姫を
さらうシーン。
実はシーンが流れている間、ずっと画面上に主人公「影」の足首から下が見えている。

オレらの間であれは
「主人公の影が好意をよせる姫に対して自分のかっこいいところをアピールして自分をヒーロー的な存在に見せるために、わざとさらわれるのをわかっていて助けず、さらわれたとに助けにいったんじゃないか」
という説も浮上した。

あーあ、そんなくだらないことで盛り上がっていたあの頃が懐かしい。