春の怪談――
いやー、あれはですね、大学生くらいの時だからもう約20年か、かなり前になりますかねぇ……
いや、その時に見た風景には、たしかにそこには数人いたはずなんですよね。
そう思っていたんですけどね、それからちょっと経った時再びその風景を見かけたんですけどね…… なんか以前と比べて違和感を感じたんですよねー……
「あれ? おかしいな? たしか三人いたはずなんだけどな? 一人いないよな……」って。
それがなんか気になってしょうがなかったんですよね……
見ながら、いやー、なんでかなー こわいなー こわいなー どうしてかなー
いやー、おかしいなー こわいなー おかしいなー こわいなーって思いながら見てたんですよ……
だって明らかにそこから一人いなくなってるんですよねー、三人いたはずだったのがいつの間にか二人になってるから……
「ポルノグラフィティ」と「エブリリトルシング」のメンバーが。
学生のころは夜にテレビを見る時間とかあったから、学校から帰って「うたばん」とか
「ヘイヘイヘイ」とかけっこう見ていた。
そん時に、まだ無名のELTが「ヘイヘイヘイ」に出演しててセカンドだと思われるこの
「FutureWorld」を披露していた。
それから学校を卒業して、夜ほとんどテレビ見れなくなり、歌番組も見なくなり
音楽シーンの状況がまったくわからなくなっていた。ミュージック浦島状態である。
ほんとに10年以上たったくらいにたまに歌番組とかランキング番組をチラ見してみたら
このELTもポルノも一人脱退してたりして、「いつの間に2人に?」と思った。
まあ、はっきり言ってオレは別にELTのファンでもなんでもない。
好きでもキライでもない。
でも、この曲だけはどちらかといえば嫌いじゃなかったかな。
「ヘイヘイヘイ」に出た時にダウンタウンから年齢を訊かれた持田香織が「18です」と答え
観客がざわめいたのがつい最近のように思えるが、そんな持田香織も30代後半なんだなあ。
とりあえずオレにとってELTと言えばこの曲だけかな。
カセットかCDかどっちかのコマーシャルソングでも使用されていた気がする。
まだ五十嵐氏がいた3人のころ。
はっきり言ってその歌詞はどこか青臭かったりはした。
「テレビから流れるさえないニュース」とか「新しい世界」といった表現。
でも下手に流行を意識したり、サウンドに商業的を匂わせるテクニックのようなものは
個人的にあまり感じず、そのシンプルな青臭さと、ある意味でのわずかな昭和っぽさが
悪くはなかった。
その後の曲はCMとかで聴いてて、一気に今風になちゃったように感じて醒めてしまったが。
でも、ELTの他の曲にはあまり興味ないけど、メンバーの伊藤サンの人間味と雰囲気はとても
好きだ。人柄がにじみ出ていて好感がある。
「ヘイヘイヘイ」では松本からその口調を『森本レオみたいだ』と言われ、また「うたばん」では石橋から『伊藤さんはモノマネパブで野口五郎のモノマネする人みたいだね』と言われたのを
聞いて、たぶん多くの人がなんとなく思っていて、いつか誰かいうんじゃないかと思ってたのを言ってくれたから、なんかその嬉しさがあった。
そのツッコミに対して優しく微笑む伊藤さんのおおらかさもよかったな。