目を閉じておいでよ | 昭和80年代クロニクル

昭和80年代クロニクル

古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。



整髪料が繰り広げる世界において、平成も20年以上たった今「ムース」とか「デップ」という
言葉をめっきりきかなくなった気がする。
今はほとんどワックスか?

今月初めに行われた中学校の時に同窓会にて、友人たちと再会した時に、その場にはいなかった
同級生の面々を思い出した。
ちょうど色気づいてきて、また、ヤンキーに憧れてくる時期だったんで、資生堂のスーパーハードムースか、もしくはマンダムのジェル(デップ)にて、どれだけ髪の毛をテカテカにさせ、
またツンツンに立たせているかというのが、イケてる男子中学生のステータスみたいな風潮が
あった。

そんな中学生の時だが、学級担任のひとりにWという女性教師がいて、それがまたうるさく
整髪料をつけている男子生徒を目の敵にしており、自分のクラスの男子でなくても、校内で
髪の毛をテカらせている男子生徒を見かけたら、腕をひっつかみ廊下の流しのところまで
引っ張ってゆき、アタマをつっこませ、蛇口をひねり上から水を思い切りかけて、アタマを
しゃかしゃかとかき混ぜて、整髪料を洗い流させるという今でいうと考えられないことを
やっていて、現に休み時間終了後、まるでプールから出た後みたいにアタマをびしょびしょに
してるヤンキーを見た記憶がある。

ここで重要なのは、整髪料を使用したことによって髪を立てたり派手なスタイルにして
なくて、普通に横ワケでもその女教師は許さなかった。
ヘアスタイルの問題ではなく、そういう‘色気づいた化粧品を使っている’ことが許せなかった
らしい。
そして校則の中に「整髪料禁止」という項目はたしかなかったと思っている。
要するに、その女教師の個人的な思想と好みだ。

とはいっても、そこは異性ガンガン意識ギラリズムの中坊である。
みんな、極力、微妙な光ぐあいのムースをつけて、びくびくしながら学校へ行っていた。
オレも。

でもなあ、今考えると最初にも書いたが当時の男性用整髪料っていうとムースかデップくらい。
ムースって泡状だけど、よくあんな泡で髪の毛がカッチリしたもんだ。

高校生になるころまではまだムースが注目されてて、永瀬正敏が「ツヤツヤハードに変えただろう?」とかいうセリフを放つCMをやって以降ムースのCMはみなくなったが、中学のころは
かなり頻繁にやっていた。

とくにバービーボーイズが出演しているスーパーハードムースは印象的だった。
曲もかなり耳に残った。



当時はツンツンヘアがまだあまりポピュラーになっておらず、芸能シーンでそれのさきがけ
だったのが三上博史とバービーボーイズのコンタだと思える。

二人ともそういうヘアスタイルが似合う顔だとは思う事が出来る。
ただ、三上博史が、そのままの髪型でツンツンテカテカで袈裟を着て映画「孔雀王」の
主演で出た時は、「そんな整髪料ペッタリつけた修行僧なんて、いねえよ!」と
中学生ながらにツッコミ入れたモンだが(爆)

同級生のひとりがバービーボーイズ大好きだったのを覚えている。
オレはそん時、流行りモンや、同級生の多くが憧れているようなミュージシャンを
避けてる傾向があったので、当時は別にバービーボーイズは好きでもキライでもなかったが、
この曲はたまに口ずさんでしまっていたと思う。

ただ、今改めてこの曲を聞いて、コンタの姿を見るとファンじゃなくてもカッコイイなあって
感じる。そして時代も感じる。歌詞ちょっとエロいけど(笑)

当時はそんなふうにツンツンテカテカしてギラギラしながらとんがりながら
目を閉じておいでよと叫んでいたコンタさんだが、少し前に某局の旅番組に出て
目を閉じながら、温泉につかり湯を堪能して、時々隣の人と「温泉はいいですよね~」と
優しく話していた。


往年のファンからすれば賛否両論かもしれないが、年齢とともに、こうやって丸くなって
ゆくロックンローラ―ってオレは個人的に好き。