ブラック企業 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

特定秘密保護法案強行採決……

指示しない政党だったり、嫌いな政党だからと言って、やることをすべて否定したりする

つもりはないが、自民の国民無視はいい加減酷過ぎる。


まるでルール=自民。日本=自民だ。

それに対する国民のデモに関しても、石橋ゲル氏がテロと同じだとかいう暴言まで吐いたようだ。

もう呆れる内容識別圏の域(笑)


アベ帝国城の石垣が少しずつ出来あがりつつある危機。


まさに「鬱苦(うつく)しい国、日本」 の夜明けは近いゾ、どうする?


あ、ヤバい…この記事タイと、この出だしで、例により既に読むのやめようとしている

読者さんがいる!

じゃあ、ここでちょっと軽めの雑談を一回挟んでおこう。受け売りだけど(笑)


上に書いた「憂鬱」の「鬱」って字だけど

「リンカーンはアメリカンコーヒーを三杯飲む」って覚えると誰でもすぐ書けるらしい。

ようするに

「鬱」

を分解して、


「林」「缶」「ワ」「※(アメリカ)」「コ」「ヒ」「三」飲むと覚える。うむ、たしかにオレも書けるように

なったわい。

以上、受け売りの豆知識講座おしまい。


さてと、一部の読者さんは戻ってきたと仮定して、再び本題へ。


かつて誰かが、今の国政を見て、このままじゃ「ブラック国家」になると危惧していたが

まさにその通りかも。


ブラック国家と言えば、もとの言葉はブラック企業だというわけで、多少遠回りしたが

ブラック企業のはなし。


先日やっと借りれたよ、コレ!


ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書)/文藝春秋
¥809
Amazon.co.jp

ずっと前から借りたかったんだけど、半年以上前から図書館で何十人もの順番待ち。

で、やっと借りれた。


待ちくたびれたけど、逆に言えばそれだけブラック企業に対する危機感や興味を覚えた

人が多いということだから、それはそれで嬉しい。


数日前も友人とブラック企業についての雑談をして、この本を読んだことを伝えた。


この本の著者は主に労働問題などを扱うNPO法人POSSEの代表の今野さんという人なのだが

友人も当然その存在は知っていて、この今野氏について「優しい」と言っていた。

その表現を聞き、まさに適切な表現だと思った。


実際に賢い人ではあると思うのだが、一言でいえば「キレる」でも「強い」でもなく「優しい」

という表現がピッタリである。


古い世代の人とかはブラック企業のことをただ、「昔の会社よりも忙しい会社」だという

ふうに誤解している人が多いようだし、若い人でも、ブラック企業だとか叫ぶ人間は負けた

人間だという偏見を持っている事が多いようなので、この本は誰もが是非一度は読んでもらいたい。哲学的な事はあまり書いていないが、そのかわりあまり知られていないブラック企業の

内部や戦略が今野氏のより細かく分析されている。


息子や娘が就職活動に入った親御さんとかもかなり購入して読んでいるようだ。

大事な子供を企業に殺されたくないという親心からだろう。

和民の女の子のような事件もあったし。


この本の中でひとつ気になったことがあった。


今野氏が某有名アパレル会社の労働環境の劣悪さをデータなどで紹介している。

本の中では「大手アパレルX社」と記し、実の会社名は出していない。


ただ、名前は伏せても、普通の感覚を持っている読者ならどこの会社かわかる。

後で書くとおり、どちらにしても騒動で名前が出ることになったからここで隠す必要もないけど

仮に「ユニ黒」と言う企業だとしておく。


実は、この本を見た「ユニ黒」のY氏が激怒して裁判を起こすとか起こそうとしたとか

になったらしい。

しかも、相手は今野氏個人である。法人相手でも出版社相手でもない。


しかも今野氏は、本の中ではあくまで「X社」としか表記しておらず、どこにも「ユニ黒」

なんて書いていない。

これに対してY氏は「これ!うちのことだろ!」と怒鳴りこんできたという。


結局、自認である。


どこにも企業名は書いてないし、そのうえ、内容に心当たりがなければ、自分の会社だとは

思わないし、読者もワカラナイはずなのに、自分から「これはうちのことだ!」と認めてしまったのだ。

自爆。


さらにわけがわからないのは「ユニ黒」はブラックとして多方面のメディアから叩かれている。

それなのに(当時の)Y氏は、大手メディアのバッシングには逆らわず、今野氏という小さい

個人にはくってかかる。


要するに媒体や電波をたくさんもっている大手メディアとは「宣伝」というツールがあるから

ヘタに動けないが、雑誌も電波も持っていない文章系の人間には遠慮しないということらしい。


これについても先程書いた友人と

「企業は世界規模だけど、ケツの穴と人間は小さいね」とか笑って話していた。


内容を信じる信じないは個人の判断にまかせるが、この本は多くの人に読んでもらいたい。



さて、最後に誤解を生まないようにひとつだけオレの持論を書いておく。


オレはたまにこうして、ブラック企業糾弾や、格差廃止論を唱えているが

政治の例でも書いたように、何から何まで批判しているわけではない。


「商売人」と「人間」としての評価は全く別である。


たとえば、さっき出たユニ黒のY氏のせよ、某居酒屋の元代表W氏にせよ、

その「発想」「商才」「今までの苦労」に関してはすべてホンモノであると思う。

普通の人にはなかなかできないことを思いついた天才には違いない。

それはおおいに認めるところである。


ただ「多くの従業員を使う経営者」そして「人間」としては問題あり過ぎだと言っているだけで

全否定ではない。


「商才」「苦労」と「人間性」は全く別物である。


もっと言ってしまえば、むしろ憎しみや嫉妬よりも憐れみのほうが多い。


なんで、そこまで苦労して発想も天才的で、大きな会社を築き上げたのに

利益第一に考え、従業員を人を思わないような扱いして、自分と自分の会社の

イメージを壊すような方針に走るのかと。


「売れるだけ売れ!「働けるだけ働け!」という利益ナンバー1主義じゃなく、

それなりに従業員の気持ちと時間と体調を大切にするような社風であれば結果的に社員も

会社を愛して、それなりに長く働き会社のために尽くそうと思うようになり、会社としても

順調に回るのではないだろうか?

オレの考えは間違っているのか?


創業から社員にずっと厳しいノルマを与えたり、残業させた利益を上げようとしていた会社が

あり、結果的に社員がすぐ辞めたり病気になったりして、人が定着せず利益も上がらなかったらしい。ある時から、ノルマや固くるしい朝礼を廃止したとたん、社員がいきいきしだし、辞める人間も

いなくなり、業績が一気に伸びたと言う例がある。


「ユニ黒」や「某居酒屋」には‘それがない’んだろう。


一部の経営者というのはある意味で、「利益」とか「ナンバーワン」という思想の亡霊に

とり憑かれた可哀そうな人たちなのかもしれない。


「ユニ黒」も「某居酒屋」も商品や提供物自体に文句はほとんどない。

だからといって、自分たちが単なる消費者だからって、働いている従業員の人の待遇なんて

どうでもいいと思うほど、無神経ではない。


売り物のほうはそんな劣悪なわけでもないんだから、品質ではなく、社質をただせば

それこそホントの素晴らしい企業になるのではないかと思うのだがと一応フォローしておく。


でも、たぶん、やらないだろうな。