プリズンアドベンチャーツアー【府中刑務所文化祭】 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

去年はいけなかったんで約2年ぶりに出向いてきた。


『府中刑務所文化祭』


うちから自転車で4,5分で行けるというこの便利さ。

スカイツリーもお台場もなくたって、オレには府中刑務所がある!

その府中刑務所が年に一度行う一般向けの文化祭である。


おととしはたしか島崎和歌子が一日所長で来てて、今回は亜麻色の長い髪のスタイルで来たか

どうかはわからないが、島谷ひとみが一日所長で来た様子。見てはいないけど。


毎回いろんなイベントが開催されているのだが、なかでも大行列の人気コーナーおよび

アトラクションが受刑者と同じモノを食べられる「ワンコイン麦めし定食」と、ふだんは絶対に

入れない受刑者がいる敷地内(工場)のツアーである。


前回はそのツアーがマイクロバスで敷地をまわるバスツアーで希望者の列がすごく断念した。


行ってみてわかったことだが、今回は一部バスにものるが途中で徒歩で敷地内の工場などを

回るやり方みたいだった。


前は並ぶのがイヤで諦めたが、こういう時でしか入ったり見たりする機会がないし、

ふだんは絶対見れない場所だから、今回はちょっと並んででも見てみようと思い挑戦。


こういうこと書くと、もうこの時点で

「わざわざ並ばなくても、ちょっと何かやって警察につかわればフツウに入れますよw」

とかいうコメントを書こうと思っている人が既にいると見受けられる(笑)


お答えしよう!

それを言うならワタシもアナタも、もうとっくに大きい刑務所の中ですよ。

だって、この息苦しい世の中全体が、もう巨大な刑務所みたいなもんなんだから!

(うーん、やっぱこういう発言をしてこそ、オレはいきいきしてくるw)


さて、話を戻そう。


受け付けと入場の門の間には、予想よりもロングスネークの列が出来ていた。


昭和80年代クロニクル-門、行列


中央に見えるのが門で、ちょうど開門して、前の方の客が中に入っていってる。


結果から言うと1時間40分待った。ネズミがいる場所のスターツアーズの待ちといい勝負。

手前まで来ると、記入券が渡させる。

住所と名前を書いて係の人に渡す。


昭和80年代クロニクル-チケット

記入券や看板にはいろんな誓約が書いてある。

いくら文化祭とはいっても、そこはやはり刑務所。

一般人が入るにあたって、ルールはキビシイ。


中に入ったら、撮影は当然NG。

ケータイ、デジカメ、録画機能付きゲームなどは、受け付けで渡されたビニール袋の中に

入れて、口を結んで中に入る。


またバスで移動中は窓をあけてはいけない。


これらが破られたら、そのグループのツアーは中止となる。

(1グループ20人で移動)


やっとオレらの番が来て、上の画像も門から入場。

すると中にもうひとつ門が。やはり警備はテッペキ。

ガードの固さを守るためだと思うが、手前と奥の扉は2つ同時にはあかない。

前にも書いたかもしれないが、刑務所の扉があくの見るたびにスタローンの「ロックアップ」

という映画を思い出す。ラストで黒人の看守が「ロックアーップ!」って叫ぶシーン。


奥の扉を入ったら、20人グループでバスに乗り込み、敷地内の工場エリアまで行き

そこで降りて、添乗している刑務官?の人の説明を聞きながら歩いて回る。


はじめに見て歩いたのは「自動車整備工場」


街でよく見る作業場と全く変わらない場所だった。


風景でも届けたいが、最初に書いたとおりに敷地内は撮影NG!

……


よって、全部はムリだが、最初の一か所だけ、報道とかでよくある裁判法廷画みたいに

判りやすいイラストでみなさんにその雰囲気をお届けさせていただくことにする。


ここは刑務所内でありながら、国土交通省大臣認可らしく、一般の車でも安く車検が出来ると

刑務官の人がいっていた。




参考イラスト。
昭和80年代クロニクル-イラスト

一般社会の車が整備に入ってくるために、車内にはライターや煙草がある場合があるが

受刑者はそれを発見しても隠して部屋に持ち帰って吸ったりせずに、みんな監視官に

ちゃんと報告するとか。



その次に入った工場は「しめなわ」などを作る工場だった。

若い受刑者は体力があるから力仕事や細かい仕事も出来るが、高齢受刑者は体力がない

ために、座って、ろくろをまわし器をつくったり、布を折りたたむ作業をするという。

工場の中も機材が多くて、外にあるフツウの工場をあまりかわらないように見えた。


その後、「印刷工場」や「革製品工場」を見学。

革製品に関しては、受刑者が作っているので人件費がかかっていないだけに、こういう

祭りでの販売や、刑務所直売の店でとても安く買える。

女性モノの牛革バッグが五千円て、たぶん安いんでしょ?

オレ、あんまそのへん詳しくないのだが。


模範受刑者が出所する前に入るという「寮」もあった。

出る前にその中で社会の知識を学ぶらしい。

長期入っていると、そのあいだに世の中が変わってしまい、出た時に

ケータイが、てのひらサイズになっていて戸惑ったり、スイカやパスモの存在を知らないなんて

こともフツウにありえるようだ。



そのあとは体育館に入る。

中には「刑務所の食事」のサンプルが展示。


日本最大である府中刑務所は外国人の受刑者も多く、ベジタリアンだったり宗教上の理由で

豚を食べれなかったりとかあるから、そのへんは考慮してパターンをつくっているらしい。


刑務所の食事は麦めしだが、当時に比べると今ははっきりいって白米のほうが安いとか。

だが、受刑者の健康を考え、麦めしもいくらかまぜたままで現在まできたとのこと。


そのあとは「浴場」を見学。

ここはシャワーとかは、銭湯と変わらない作りだが、その浴槽の質と、管理室があるのが

とても独特で、他の場所と比べ、「ああ、刑務所だなあ」って感じた。

撮影出来なかったのがマジ残念。


この浴場でも受刑者に対してはちゃんとルールがある。


『かけ湯』はひとり一回の入浴において、桶で12杯まで。

これは全ての受刑者が平等にということと、あとはやはり、これだけの受刑者が好きなだけ

湯をつかうと所としても水道代がバカにならない。


入浴が15分までで、浴場から見える監視室の上に、その時間のランプがある。

もみあげは目じりの横のところで切っておかないといけない。


また、受刑者が短髪なのは、規律的なものや反省せよと言う意味でなく、衛生面のため。

あれだけ多くの受刑者がいる空間だから、シラミなどが発生した際に広まるのを防ぐため。


そんなこんなで、普段見ることのできない風景を見ることが出来て

なかなか面白い2,30分の非日常ツアーであった。


アクセス面と、待ち時間はネックかもしれないが機会があれば、是非おすすめしたい。


会場内では他にもバンド演奏や模擬店などたくさんの店や体験コーナーがある。

開催時間は午後3時(今までの例)までと短めなので、要注意。



それでは……

オレは盗まれたクラリスの心を取り戻すために、

これからルパンを捕まえに行ってくるので、さらばだ。

また逢おう。






昭和80年代クロニクル-ぱとかー


おしまい