木綿のハンカチーフ | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

オレはとくにどうでもいいだけど、街はすっかり春に向けてのムードすか?
「春モード突入」イコールで、出逢いだの別れだの旅立ちだのワードが桜吹雪の如く
舞い乱れるお約束すか?

そういや、この歌も季語的な意味合いは春っぽい。
そして別れではないかもしれんが、恋人をおくりだす歌。

基本ラブソングは甘ったるくて好きでないが、
この「木綿のハンカチーフ」はイイ歌だよなぁ。



一発極端にデカいヒット曲やヒットドラマをもつ有名人によくある弊害で、
太田裕美もやはり、この曲のイメージが強すぎて悩んでたらしい。
でも、やはり支持される歌を持つ事は幸せなことだとあとになって思いなおしたとのこと。

悩んでる時期の最中に、自分のこの歌についていろいろな捉え方が出来るようになり、
「都会に出る恋人を送り出す」という意味だけでなく、
「都会に働きにでる息子を送り出す母親」の気持ちを歌った曲ともとれると言っていた。

明るく見送って、向こうで成功して欲しいと思いながらも、「都会の絵の具に染まらないで」
と言ってるところが心境をリアルに描写してるなあと思った。

恋人(異性)とかに対してでなく、これは男同志でも、ちょっと離れたところに行ったり、
また比較的近所にすんでいても、しばらく遊んだりしなくなったりして、久々あったら
ヤケにイヤな奴に変わり果てていたというパターンはけっこうあった。

この「木綿のハンカチーフ」の世界に関して言えば、おそらく「スレた都会モン気取り」には
ならないで帰ってきてという意味だと思うが、同性の友人同士でも、小学校の頃はめちゃくちゃ
仲良くふざけ合ったりしてたんのに、それぞれ別の中学校に行ってあまり合わなくなって
数年経って久々あったら外見が氣志團みたくなってて、それだけならまだいいけど入った中学で
ヤンキー友人軍に入隊したのか、勘違いしていきなりエラクなったような感じで、ヤンキー口調で「おう!オメエよォ~♪」とか言ってくるヤツもいた。

本人からすれば「オレは中学で生まれ変わったんだぜえ」みたいなアピールで、
旧友にドスきかせてるつもりなのかもしれんが、こっちはずっと前から元のヘタレぶりを
知ってるからこわくもなんともない。
てか久々再会した旧友に対して、そんな勘違いの出方をしてきた姿が見ていて恥ずかしかった。
まあ、小学校から中学校に移った時って、男子が、急に漫画や先輩に影響され、
ファッション的にも口調的にもヤンキーにメタモルフォーゼする時期だからしょうがないっちゃ
しょうがない。

ここまでだと読んでる人の中には、オレが自分のハナシを他人のハナシに置き換えて
ネタにしてる思ってる人もいるだろうから、その勘違いヤンキー変身友人の名を出してしまう!
名字だけなら日本中に星の数ほどある名前だから、どうせ特定は不可能だ。
ハラダというヤツです(笑)

逆に小学校とか中学校の時は、ちょっとムカつくとこがあったり性格に難があったりするヤツ
だったけど、高校生あたりでたまたま再会したり、30過ぎてから久々偶然会ったりしたら
すごく丸く優しくなってたヤツとかもいたりして、それはそれで嬉しかった。

こうして周りの人間を思い返してみると「時間の経過」や「行った場所」というのは
けっこう人を変えてしまうもんだねえ。太田裕美の歌の主人公の気持ちがワカル。

無邪気な子供や学生のころはよかったけど、成長してオトナになり社会や海外に出て
人間関係やストレスでやられてひねくれてしまい、久しぶりに再会した昔の親友にさえ
不快にするような態度でくるヤツもいれば、そういう境遇にあったからこそ、
人の嫌がる接し方をしないようにと心を改めて、旧友に接してくるヤツもいる。

ヘタに競争社会で勝ち進んでしまったゆえに、仕事先以外でも友人とかに対し、
上から目線で見下したような接し方するヤツとかもいたりすんだろうな。

でも、友人に対してそうやってくるヤツってのは、所詮、ニセモノ(の友人)だったって
ことなのよね。ホントの友人だったら、どこへ行っても時間がたっても友達には態度を
変えないし、見下さない。
態度を変えたとしても、それは以前より優しくなってだ。

美輪明宏サンも言ってた、そこで気持ち的にも距離を離して行く奴は最初からニセモノだと。

嗚呼、人間が変わってしまい、(1,2人だが)離れてゆく友人を考えると長渕の
「友達がいなくなっちゃった」を毎回思い出す。



やっぱり誰にとっても「あるある」なんだろうな。女性にもこういうのあるのだろうか。

オレは名曲に関しては「原曲派」なんでカヴァーはそんな聞かないが
椎名林檎の「木綿のハンカチーフ」は好きで、アルバム収録曲をたまに聞く。



これから先、新たに久々再会する友人も出てくるかもしれない。
また、これまで会いたい時に会えてたけど、今度会えるのが数年後になる友人とかも
出てくるかもしれない。

生活してきた環境、これからしてゆく環境、そして取り囲む人達・・・
みんな状況が違うけど、それでも社会の中で利己主義とか競争社会とか勝ち組負け組とか
そういう思想に染まらないで、またオレのもとに帰ってきてくれ。帰ってきてくれ。


追記

本日で、あの日から2年。
現地にいない人間として冷静に考えて最大公約数的フレーズの「絆」とか
「がんばろうニッポン」とか言ってあたかも現地の人と同じ境遇にいるみたいな
感傷に浸るのはちょっと違うと思うし、また被災地の人の対して失礼だと思うので、
今回はあえてそのテーマ記事を外し普通の音楽記事を書いた。決して忘れていたわけではない。

異様な「列島一体感強制意識」に関しては賛成できないが、
それでもやはり被災地の人に対しては実質的なことが何も出来ないのが無力を感じる。

美辞麗句は並べない。まずは今できること。

黙祷。