経済エイリアン | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

かなり遅いがこの前初めて映画「プラトーン」を観た。

なんで今まで観なかったかというと、友人から戦争映画だけに

「ツルハシで頭割るシーン」があると聞いていて、コワいのは平気だが痛い描写は

苦手なので今まで敬遠してたのだ。

だが、実際観てみるとたしかにそれらしきシーンはあったが、カット的にモロではなく

うまく撮ってたので、「なんだ、コノ程度だったのか」と思い、だったらもっと早く観て

おけばよかったと思った。賞獲った作品だけに面白かった。

ウィレム・デフォーと無名時代のジョニー・デップが隊員役で出てたのは知らなかったな。


また、ある意味で‘戦争’っぽいアクション映画と言えば「エイリアンシリーズ」もそう。

冷静に考えてみると、このシリーズは全作品で監督が違うというのがスゴイ。

SF映画は苦手だが、「スターウォーズ」と、この「エイリアン」だけは好きだ。

中でも人気あるのはリドリー・スコット監督の1作目とジェームズ・キャメロン監督の2作目だが

オレはキャメロン監督の2作目のほうが好きかな。


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作品とキャストのキャラ設定観てるとキャメロン監督が「強い女性」に重点を置いていたのが

よくわかる。


女主人公リプリー(シガ二―・ウィーバー)は前作から引き続き主役だが、その他で目立った

のは血気盛んな女戦士バスクェス。

通気口内でガンの弾が切れた時、追手のエイリアンを道連れにゴーマンと自爆心中したシーン

はシビれたもんだ。


あとは降下艇ドロップシップの操縦士フェッロ伍長。

操縦席で振り向いた瞬間に目の前にはすでに乗りこんで潜んでいたエイリアンがいたのだが

一瞬驚くも、悲鳴ひとつあげず素早く腰の銃を抜こうとする度胸と判断力。

結果としては間に合わず襲われてしまい、それにより制御不能になったドロップシップも墜落

してしまったが。

蛇足だが、この一連のシーンに関しては、艇に付いたエイリアンの体液に気づきながらも

フェッロの前に殺されてしまったスパンクマイヤーという副操縦士がいた。

だがそのスパンクマイヤーの殺害描写をあえてナシにしたのが、逆に想像力をかきたてて

コワくてよかった。どんなかんじで殺されたのか・・・(汗) この演出と進行はスバラシイと思う。


さて、ここで本題だが、先出の「プラトーン」にせよ「エイリアン2」にせよ、

観ていて「ああ、日本の縮図だなぁ」と感じるところがある。


小部隊プラトーンにとっての敵は「ベトナム」であり、

エイリアン2のリプリー一団にとっての共通の敵はいうまでもなく「エイリアン」である。


それぞれが集団として共通の外部の敵があるのに、その味方グループ内で裏切りや

利益目的のゲバがあるのだ。

これは「戦争・戦場・戦闘」という過酷で異常な状況が人間の心をそういうことを起こす荒んだ

状態に持ってきてると推測する。


プラトーンでいえば同じ部隊内でリーダー格2人が対立し、どさくさまぎれで1人がもう1人を

殺してしまう。これは営利関係でなく憎悪関係だが、敵軍に殺されたようにみせかけた

戦争に便乗した人間の汚さである。


一方、エイリアン2でも、エイリアンを研究サンプルにして利益と名声を手にしようとする

裏切りモノが内部に発生する。


本来の「敵」や「目的」とするモノは外部にあるのに、その存在により同志討ちや

裏切りが発生する。


そこで先程書いた通り、何故それが縮図か?


日本(以外の国も含めて)では、

『経済』および『資本主義』がこの「巨大なエイリアン」に値する気がする。


『経済発展・資本主義』=世界で1位になるという認識のモンスター。=エイリアン。


我々日本人は同じ民族としてみんなで仲良くしなけらばならないのに

世界を倒すといための「資本主義」という思想エイリアンの存在により、

仲間内で他人を排除したり裏切ったり、蹴落としたりという荒んだ状況を生み出している。

(うわ…今回ちょっと説明進行が難しい・・なんとなくでも通じてるかな??)


つまり「経済・資本主義」というもののために、イイ方面にいくどころか同国民同志での

醜いヤリトリや諍いが生まれてしまってくるのよ。

プラトーン部隊内やリプリー一団内みたく。

まさに人間の心を荒ませる恐るべし「経済思想エイリアン」


人類学者の辻サンて人が書いてたけど、「経済」や「資本主義」ってのは裸の王様であり、

たちの悪い動物みたいなもんで、一度育てると絶えず成長させなければならないという。

つまり、普通の動物だったらある程度大きくなったらバランス保つために、それ以上大きく

しないようにしたり、エサを減らしたりの対応をするが、一度育てた経済は、さらに上へ上へ

と上限なくイケるところまで伸ばさないといけないというのが厄介。


ずっと絶え間なく育てなければいけないとなると、当然リスクや色々な犠牲も必要に

なってくる。それにより育てることにストレスためてオカシクなったり、食料がなくなったら

「自分の腕」を喰わせないと上から処分されるというケースも発生。

気が付いたら自分達で育てておきながら、でかくなりすぎて手に負えなくなって、

挙句の果てには自分達が育てた怪物により殺されてしまう。


エイリアンも繁殖や攻撃にバランスも小休止もないもんな。

次から次へとタマゴを生んで子孫を増やし、同じエイリアン仲間以外に目についたモノは

なんでもすぐ襲う。そのへんも似てる。


まさに「資本主義」の存在は我々日本人同志をプラトーン小隊やリプリー一団のように

分裂される環境に導くエイリアンのようである。


そういや「エイリアン2」のリプリー一団における裏切り者は、エイリアンを殺さずに

仲間の体に寄生させてこっそり地球に持ち帰り、、そのエイリアンの検体で利益や名声を

手にしようとした汚い奴だった。

リプリーと少女が寝ている部屋にちっちゃいエイリアンを忍びこませて、リプリー達の体内に

寄生させようとして・・・。利益と名声のために仲間をエイリアンの犠牲にしようとしたのだ。


この汚い裏切り者は日本社会でいうところの

「経済発展のためなら1部の犠牲はやむをえない」という発言する人間に似てる。


自分の安定や国の利益やカネにつながるならキケンなモンをつかって1部の人間が死んだり

生活できなくなってもいいという発想。


原発推進だってそうだよな。

危険なうえに、近くの人にとっては命や生活に関わるのに、自分がそのエリアに住んで

ないからって「合理性」や「「経済性」とかばかりアピールする。

つまりは「人命」より「カネ」のほうが大事だっていうわけだ。


エイリアンは恐ろしいが、殺さずに生きて持ち帰ればカネを生むということと、

原発は危険だけど、止めずに稼働させれば多くの人が充分に安く電気を使えるということと

似てるのでは?


ああ、そうそう、「バーク」だ。エイリアン2でのその裏切り者。

会社から儲けにために生きたエイリアンを持ち帰れと言われ、自分の名誉のためにも

そうしようとした。それと同じ。


とにかく、今、日本の地上はこの巨大な「経済エイリアン」に支配されている。

このエイリアンの存在のせいで、人々は本来の目的や敵を見失い、

利益やトップしか見えずになっていて仲間内で格差、排除、裏切り、貧困などを生み出している。


もう地上は実質、流血なき戦争かもなあ。

この状況を打開して生き抜くにはやはり「経済エイリアン」を倒すしかないぞ。


本作「エイリアン2」では先ほども少し書いたように中盤にてリプリー達を助けにこようと

したフェッロ伍長が操縦する降下艇ドロップシップが、リプリー達のとこへ着く寸前に

潜んでいたエイリアンによりリプリー達の近く墜落で大破&爆破する。

「逃げてー!」と皆に叫ぶリプリー。

助けにきたハズの降下艇によって逆に死ぬところだった。

「経済№1エイリアン」という思想が地上をのさばり、多くの人間の脳ミソ内に巣食っている。

 

 

貧困・格差・排除・自殺が蔓延し荒廃する日本にて、これから国民救出という名目で、

「アベノミクス降下艇」

というシップがこちらに向かってるそうだが、みんな乗っちゃダメだ。

操縦士の体の中にはすでに「経済エイリアン」が巣食ってるぞ。

 

エイリアン2のドロップシップと同じように「アベノミクス」は制御を失い

近いうちに絶対墜落、炎上する!

墜落しないにしても空中で生活弱者だけ外に放りだすぞ。


墜落するのも爆風に巻き込まれるのもイヤだったら、乗りこまないだけでなく

出来るだけ遠くに離れるんだ。

大破した時の欠片も飛んでこないような場所に。