ブコウスキーがお好きでしょ | 昭和80年代クロニクル

昭和80年代クロニクル

古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

なんか最近いろんな疲れが溜っとる。

ムカつく疲れや、ひと段落でホッとした疲れやらいろいろ。


ほんと体にその兆しが現れてきてる。

数日前にテレビつけたら情報番組にて、たぶん夕刊に載った記事を紹介するコーナーの

ようなモノだったんだと思うが、オレの脳ミソの判断力衰弱からくる視覚疲労にて

スタジオにあるボードに書いてあった『夕刊』という文字が『タモリ』に見えた。

ネタじゃなくマジで。ネタならもっとオモロイの書く。

キモチが弱ると五感にも影響が出るという事実を痛感した。


そんな気だるく疲れた週末の夜とかは部屋でウイスキーかハイボールを舌の上で

ちびちびと躍らせながらブコウスキーの作品でも読んで堪能したい。


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チャールズ・ブコウスキー
1920年ドイツ生まれの詩人・作家
「ラクしたい」「酒飲みたい」「女とやりたい」と思い続ける怠け者で飲んだくれの男の
哀愁をつづった話が多いが、その飾らない作品性は文学というジャンルの中では
高い支持を得ていて、笑い飯の西田(だったと思う)も愛読してる作家。
そういえば、西田とブコウスキーってなんとなく装いが近いかもw

潔癖症の人や、俗に言う「アツい人」は受け付けない作風かもしれないが

その人間としてのストレートさはスカっとさえするんで、是非一度読んで頂きたい。

このブコウスキーもパッと見た外見は、言っちゃわるいがガード下にお住まいの人

たちに近いかもしれない。でも芸術家肌で人間味がある人ってのは、そんな感じの人が

多いのよね。ブランドスーツとかでビシっと決めてる人ってなんか薄っぺらいというか

冷たく無機質な感じがする。風呂に入っていない匂いもしないけど人間の匂いもしない

というか・・・

哲学者の中島義道センセも著書で書いていたな。

「美しい成功者」はありえないと。そして「敗者の最後の砦は美しい」と。

そう、世の中には「美しい敗者」と「醜い勝者」の2種類しかないんだよ。極論。

カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ (新潮文庫)/中島 義道
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たまーにね、テレビや報道で孫正義とかビルゲイツだとかイジョーなほど稼いでる

人間みると「彼らはホントはCGで実在しないんじゃねーの!?」とか思う。

だって、世の中には餓死してる人や凍死してる人もいるのに同じ2足歩行の哺乳類で

こんだけケタがピンとこないほど稼ぐヤツがいるなんてありえへん世界どす。

ほんでもって、テレビや雑誌ではよく顏見るけど、実物をみたわけじゃないから

実はCGだということも十分ありうる。そうだ!ホントは存在しないんだ!

初○ミクみたいに!

みんなも頑張ればこうやって億万長者になれるんだっていうプロパガンダを目論んだ

政府が手本として生みだした「架空」のCG社長だんだな!きっと。

ユニクロのヤ○イもたぶんCGだ!

なんでんかんでんの社長はヤケ~に濃いからあれはモノホンの人間だな(笑)

話は戻ってブコウスキー。

そんな小汚いブコウスキーは街をさまよい職を転々としながら酔っ払って

遺体安置所の階段で就寝するような破滅型の無頼派。


『ビールで酔ったおれの心は世界中の枯れ果てたクリスマスツリーより哀しい』

意味がわかるようでわかんない。わからんようでわかる名言。恐るべし表現力。

一見強がりで負けず嫌いのキャラだが、表現においては弱さを正直に表している。

「弱みを見せる人間臭さが大切な時代になる」とはテリー伊藤の言葉。

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ブコウスキーには世間や一般論に媚びないカッコよさがある。

それは正しいとか間違ってるかとかではなく、正直でスッキリする。

『世間の奴らは愛なんか必要としてない。必要なのは何でもいいから

成功することだ』
『だいたい死んだ奴より生きてる人間にやさしくしてほしいね』

これは悲しいけど的を得てるボヤキ。

一見自分勝手に見えるブコウスキーだが、よく聞くとすごくまっとうなことを言っている。

逆に心にもなく根拠もない前向き発言をする人間のほうが、それこそ言葉は悪いが

一般世間と多数派に上っ面色気で媚び売ってすり寄ってる「体を売らない売春婦」みたいな

ものである。嘘八百で稼いでるんだから。

ブコウスキーは上司のクビ発言に対しても

『おれは頑張ったのに、あんたが認めないだけだ』

『おれはあんたに自分の時間をやった。おれがあんたにやれる、ただひとつのモノ…』

2つ目の反論はやけに説得力がある。

最後にブコウスキーがある女性から言われた言葉を紹介

『あんた、まるごとそこにいるのね』

『他の人は10パーセントか20パーセントしかそこにいないの。

あんたはまるごと全部のあんたがそこにいるの。

大きな違いよ』

このセリフ、そしてこのセリフを放った女性の洞察力と表現力の鋭さ・・・・

このセリフの意味わかりますよね!?