ちょうど読み終えた文庫。
間に小池真理子の「墓地を見おろす家」も読んだけど
新堂冬樹のほうを書くことにする。
それにしても新堂冬樹ってテレビでみたら随分、夜の繁華街仕様の
カッコだねえ!
もともと馳星周と同じくノワール臭はしてたけど。
今までの経験で目黒あたりのマンションの1室のプロダクションの社長に
あんなカンジの人多いんだよな。[龍が如く]に出てきそうなカッコウのね。
- 銀行籠城 (幻冬舎文庫)/新堂 冬樹
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購入のきっかけは少し前に古本屋で目に入ってすね。
『銀行籠城』 というタイトルを見ただけで、中身を確認するまでもなく
まっさきに1979年の大阪三菱銀行北畠支店籠城事件がモチーフだろうと
わかった。
あの鬼畜・梅川昭美 が起こした凶悪事件。
このころオレは生まれてはいたが小さかったから、全く記憶にはない。
数年前にアウトロー文庫で改めて知った。↓
- 破滅―梅川昭美の三十年 (幻冬舎アウトロー文庫)/毎日新聞社会部
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梅川の行動の内容は、
1979年に現金強奪目的で大阪の三菱銀行・北畠支店に入る。
いでたちはチロルハットにスーツ、サングラスとトンだ格好。
強盗は失敗し追い詰められ多数の行員と客を人質に籠城し、
行内で地獄絵図を展開する。
人質に対する行為は残虐か屈辱的。
『銀行籠城』 の中での残虐籠城犯「五十嵐」も この「梅川」を引き合いに出し
また、ところどころ籠城のマニュアルも梅川事件を模倣して進める。
小説中の犯人「五十嵐」は梅川事件にならい、女性行員を全裸にし、自分の
周りを囲ませる。全裸にさせる理由は「逃げ出せなくするため」
これは最大の恥辱である。男性の人質も1人を除き裸にさせる。
囲ませる理由は言うまでもなく狙撃や突入を防ぐためのバリケードである。
犯人・五十嵐は卑劣にも狙撃などから身を守る盾を人質で作ったのである。
肉のバリケードを。
ここで表紙の全裸の男女の絵の意味がわかった。
五十嵐の視点から見た人質の1部だろう。
外の警察とのやりとりを勧めながら五十嵐はある男性の人質に
他の人質を殺すよう命令するなど、非道を繰り返す・・・
話すのはこの辺までが限度かな。ネタバレになるから。
最後はちょっとお約束の‘因果的’な理由が出てきちゃった気もするけど・・。
でも、やはり悪魔を生み出すのは人間だって警告的なですかね。
少しだけデビルマン原作最終回や
筋肉少女帯の曲「サボテンとバントライン」が
アタマに浮かんだわ。
わかる人にしかわからんけど。
気になった人は是非読んでみてください。