こんにちは。食育カウンセラー・株式会社コルコルの伊藤協子です。

 

「早期食育のすすめ」シリーズの一番初めに「妊活・妊娠期の食育生活」についてご紹介しました。

 

妊活期に体質改善のために食育を学び実践し始めたことが、私にとってとても良い結果をもたらしたことを書きましたが、その十数年後に「分子栄養学」を学び、「妊活・妊娠期」を振り返って、この時期にプラスアルファやっておけばよかったと思ったことを補足します。

 

  ①たんぱく質の補給

 

この当時の私は、食育と出会って「まごわやさしい」食材を考えたバランスの良い食事・和食・発酵食品を意識した食生活に切り替えていきましたが、今思えば「たんぱく質」の量についてはあまり意識していませんでした。

 

添加物の多い食品を避けてデトックスをして、腸活を始めたことで、体の炎症を抑え妊娠しやすい体質づくりには成功し、妊娠することができたと思いますが、その後、妊娠期に入ってから、たんぱく質の補給を意識していなかったので、栄養が十分に取れていなかったように思います。

 

振り返ると、当時の妊婦検診ですでに「貧血」と診断され、鉄補給の指導、鉄剤の処方も出ていたので、あの時からすでに鉄不足が進行し始めていたと考えられます。

 

でも、当時の私は、ほとんどの妊娠期の女性は「鉄不足」といわれる認識があり、あまり深刻に考えていなくて、鉄剤を飲んでレバーやほうれん草を食べればいいかな?ぐらいにしか考えていなかったのです。

 

「バランスよく食べる」=「まごわやさしい」の考えと「野菜をしっかり食べる」ということばかりに意識が向いて、ヘルシーに食べることが健康につながるとずっと考えていました。

 

しかし、その十数年後に極度のエネルギー不足を感じたことから、「分子栄養学」クリニックで血液検査を受けたら、重度の「たんぱく不足」「鉄欠乏」ということが分かったのです。


「もっと早く知って、妊活・妊娠期からたんぱく質を意識して摂取しておけばよかったな」と後悔しました。

 

私は、もともと妊娠前はアレルギー体質で胃腸が強くなかったので、動物性たんぱく質をうまく消化することができず、たくさん食べることができませんでした。

 

妊活期から「ケフィア」を取り入れて胃腸が少しずつ強くなってきたので、もう少し意識して動物性たんぱく質を摂ればよかったのですが、アメリカ在住時代にビーガン食やファスティングなどの食事法を取り入れたりエシカルな考えもあって、「動物性たんぱく質を積極的に食べるのはよくない」という考えがあって、動物性たんぱく質はあまり食べていない方だったのです。

 

でも、動物性たんぱく質にはアミノ酸・ビタミン・ミネラルなどバランスよく栄養素が含まれているので、栄養バランスを考えてもしっかり摂るべきものですし、特に有経女性は意識的に摂るべきものであり、月経が多い女性は更にたんぱく質補給を意識すべきで、最初の「早期食育」の記事で書きましたが、妊娠・授乳期は特に自分自身だけでなく子どもたちの体づくりのためにも、もっとしっかりたんぱく質を摂っておけばよかったと今でも思います。

 

これから妊娠・出産・育児を控える女性、そしてそれに関わる男性にも、たんぱく質はしっかり摂ることをおすすめします。


1日の推奨摂取量は、おおまかにいうと両てのひら分。動物性・植物性たんぱく質をどちらもとってみてください。

 

 

  ②鉄の補給

 

妊娠初期に「貧血」の診断を受けて、鉄剤を処方されましたが、鉄剤を飲んだことがある人はわかると思いますが、便秘になったり、胃腸が弱い人は腹痛があったり、吐き気がしたりして、長く続けられなかったりするんですよね。私もそうでした。

 

そんなわけで、しばらくは我慢して飲んでいましたが、そのうちやめて、ほうれん草を食べておけばいいだろうぐらいでした。

 

食育を学び、バランスよく食事をしていたので、双子妊娠中も順調で、それぞれ約2700gの双子の子どもを無事に出産しましたし、その後も、子どもたちにはしっかり食べさせていたので、2人とも大きく育ち、私の育児生活は平穏に過ぎていきました。

 

でも、40代後半にめまい・動悸・息切れ・ひどい疲れ・気分の落ち込み・集中力の欠如・イライラなどがあらわれ、完全に更年期症状だと思っていろいろ調べたら、分子栄養学クリニックの血液検査の結果、たんぱく質不足・鉄欠乏性貧血であることが分かりました。

 

腸の検査で血液検査をしたときに、看護師さんから「大丈夫ですか?よく歩けてますね?」と言われたほどの数値だったのです。

 

もともと月経が多い方で貧血だという自覚はあったのですが、そこまでとは知らず。。。

産後の毎年の健康診断では特に指導がなかったのですが、更年期に入って月経不順があり貧血が更に悪化していて、分子栄養学クリニックで「重度の鉄欠乏性貧血」と教えられて、はじめてその深刻さに気付いたのです。

 

食育による知識で、子どもたちや家族の栄養をサポートしすべて順調だったのに、双子出産・授乳・育児・毎日の家事・仕事・習い事のサポート・中学受験などなど、十数年、がむしゃらに頑張ってきて、母親の私が栄養不足でガス欠・エネルギー不足を起こしていたんですね。

 

分子栄養学クリニックで分析してもらい、私自身も分子栄養学を学んで、毎日のように動物性たんぱく質やプロテインを意識的にとるようにしました。

 

最初のうちは胸やけをしてしまったり、プロテインドリンクもお腹がゴロゴロしてしまいましたが、分子栄養学でもイチオシの「ボーンブロススープ」を頻繁に作って食べるうちに、どんどん元気になって、今ではお肉やお魚もしっかり食べられるようになってきて、前述の更年期症状のような不調は解消し、やっとエネルギーチャージされてきた実感があります。

 

私は子どもを出産して十数年後に重度の鉄欠乏と知ったのですが、日本人女性の7~8割は貧血であるといわれていますし、妊娠時に注意を受ける人はとても多いと思います。

 

そして、母体・お母さんが貧血だと、お腹の中の胎児、生まれた後の子どもたちにも影響してきますよね。

 

健康な赤ちゃんを産むことや、生まれてからの授乳を考えると、子どもたちのためにも妊娠前から、妊活中・妊娠期も、意識して鉄補給をすることを強くおすすめします。

 

鉄不足・ミネラル不足は、赤ちゃん期の癇癪や寝つきの悪さ、それからその後のメンタルにも影響してくるといわれているので、とても重要な栄養素です。

 

鉄は、動物性たんぱく質に多く含まれています。

特に赤身肉・魚・レバー・貝類に多く含まれているので、毎日摂るようにしてほしいです。

なかなか毎日摂れない場合は、缶詰でも鰹節・鰹粉・レバー粉などを活用したり、朝は卵かけごはんなど卵を活用してたんぱく質を摂ってください。

 

また、子どもが生まれてきた後も、子どもたちにたんぱく質の摂取を意識してあげてください。

 

重度の鉄欠乏性貧血は、体調だけでなくメンタルにもくるのでかなりしんどいです。鉄欠乏だったこの十数年、私もアップダウン激しめのメンタルでした。


気合いでカバーしていた部分もありましたが、今思えば、あの時もっとたんぱく質補給・鉄補給しておけば、もう少しうまくできたかもしれない。。。と思うことが多々あります。


短気、気分にムラがある、好き嫌いが激しい、ルールを守るのが苦手、飽きっぽい、すぐに疲れる、機嫌が悪くなるなどは人間関係や仕事関係でも支障を来たすこともありましたし、どうしたら改善できるかなと悩んだこともよくありました。

 

そんな性格も、栄養を正しく補うことで、穏やかに落ち着いてきたりします。それをいま私も実感しているところで、ギリギリの状態でがんばっていた自分にもっと早く栄養を補って、サポートしてあげたらよかったなと思うのです。

 

マタニティブルー、産後のうつ症状、子育てや家族に対してのイライラや気分の落ち込み、自分自身に対する自己肯定感の低さなど、お母さんたちの数々のハードルを乗り越えていく、緩和するためにも、栄養というお守りを携えて欲しいなと思います。


毎日のたんぱく質・鉄の摂取!最重要項目です!

 

 

  ③サプリメントの活用

 

上の栄養素をサプリメントでもっと摂ってもよかったなと思っています。

 

アメリカ生活が長かったので、サプリメントは取っている方で、妊活期は葉酸やマルチビタミン・ミネラルも飲んでいました。

 

でも、妊活・妊娠・授乳期などエネルギーが特に必要な時期は、プロテインドリンクや鉄のサプリももっと日常的に活用すればよかったなと思います。

 

が、現在のようにプロテインがポピュラーではなかったですし、当時は分子栄養学も知られていなかったので、食事での栄養補給がメインだったんですよね。今は、サプリもいろいろ出ているので、分子栄養学クリニックでみてもらうと、必要なサプリメントもおすすめしてもらえるので活用することもおすすめします。

 

サプリメントが苦手、サプリメントを飲むと胃がむかむかするという方もいらっしゃると思います。


胃がむかむかするのは、消化力が低い、胃腸が弱いということも起因しているかと思うので、そういう方は、まずはボーンブロススープで腸の粘膜を修復しながら、次第に、消化しやすい鰹粉、かつお節、レバー粉、ひき肉、汁物などを活用して栄養補給することをおすすめします。


胃腸が弱いからと消極的でい続けてしまうと、なかなか栄養、健康状態が改善されないので、少しずつ取り入れてみてください。変わってきます。

 

ちなみに、今現在私は、自分の体調にあわせてサプリメントを飲んでいます。

 

プロテイン、アミノ酸、鉄、マルチビタミン、マルチミネラル、オメガ3、ビタミンB群、酵素などいろいろ常備しています。


鉄欠乏性貧血がひどかった時は毎日しっかりめにサプリも飲んでいましたが、今は、自分の食事内容や体調を見て補足的に飲んだりしています。


今は、分子栄養学で学んだおすすめ食材などもいろいろと取り入れて、ほぼ食事メインで養生している感じです。


ただ、特にエネルギーが必要な時期や、なかなか忙しくて食事だけでは栄養を補えない方はサプリ補給もおすすめします。

 

ただ、妊活・妊娠期などのサプリメントの摂取については、医師に相談して活用することをおすすめします。

 

 

以上が、私が妊活・妊娠期にやっておけばよかったと思う分子栄養学的栄養補給の補足です。