初日、地元のオーケストラの演奏よりも
外国からの招待演奏者による弦楽三重奏と四重奏がすばらしかった。
本来、招待席のはずの真ん中の席の塊の一番前の列の端っこに
「招待席(reservado)」
の紙がなかったので、すわった。
一曲目はモーツァルトの「偽の女庭師」序曲。
二曲目はベートーベンの弦楽三重奏曲第一番
第一楽章と最終楽章しか演奏されなかった。
ついで久しぶりにドボルザークの
弦楽四重奏「アメリカ」を聞いて、懐かしくなった。
実はすぐ後ろにおばあさんに抱かれた2歳前くらいの女の子がいて、
たまに声をあげていたのだが、後ろを振り向いて、私は
「だめでしょ!」
という表情を作って、にらんで、しばらくおとなしくなったのだが、
そのうち、また私の席の背もたれを叩き始めた。
なんだこいつー、またか?
と思ったが、
そのたたいてるのが、曲のリズムにしっかりと合っていることに気づいて、
私はうれしくなり、つられて曲に合わせて頭を左右に揺らした。
演奏後、
「あなたいいリズムしてるわねぇ。いい演奏聴けて幸せね・・」
と話しかけてしまった。
(たぶん彼女は理解できず、おばあさんがわかってくれのとは思うのだが・・)
再びオーケストラが舞台に上がったとき、後ろの女の子は
「パピート!(パパちゃん)」
と叫んだ。
正面のバイオリン奏者がにっこりと微笑んでめくばせをし返した。
指揮者なしで、ソリスタが指揮をしたバッハのバイオリン協奏曲。
ソリストのすぐ後ろに「パピート」はいて、
楽章と楽章の間に「パピート!」という呼びかけは繰り返しされただが、
基本的には演奏中はおとなしかったので、微笑ましいと思っただけだった。
コンサートが終わって
「バイバイ、アミーガ」
と言って分かれた。
クラシックコンサートとはいえ、
市民に音楽に親しんでもらおうという目的のものなので、
子供連れで、赤ちゃんが愚図ってもそれが、行き過ぎない限り許容できると思う。
子供にとってもいい体験だし・・。その日はそう思ったのだが、
翌日はひどい体験をしてしまった。
今度は一番前の左側のかたまりの席を確保した。
後ろの列に昨日、弦楽三重奏を行い、
バッハのバイオリン協奏曲ではソロを務めた
バイオリニストのサーシャ・フェレイラが座った。
彼はキューバ出身で、今はアメリカで活躍しているというが、
この音楽祭が始まったころから企画に係わり合い、
オーケストラの指導にもあたっているという。
その努力に感銘し、記念撮影をお願いした。
「え??僕と?」
世界的には無名でもかまわない・・。
あなたがたが、クスコに宝をもたらしていることに感謝したい。
しかし、この後1歳くらいの女の子を連れた夫婦が私の右隣に
席を一つ空けて座った。
しかし、この夫婦、最初のハイドンの序曲の演奏が始まる前から
自分の娘を床でハイハイさせていたのだが、
演奏が始まってから、赤ちゃんは舞台下につかまり立ちをし始めた。
母親に目配せして、
なんとかしなさいよと身振りで訴えているうちに、
舞台ぎりぎりにあるバイオリニストの椅子の足をつかみ始めたのだ。
ハイドンが終わり、私の右隣の女性が、
やはりオーケストラのバイオリニストの若い女性の
お母さんのようだったが、彼女も
「気が散るわねぇ・・」
とぼやいていた。
次のモーツァルトのホルン協奏曲。
前日の弦楽演奏は心配しなかったのだが、
標高3400メートルの高地でアメリカから来て、よくホルン弾けるよなあ。
高山病にならないのかなあ、と思っていたら、
演奏終了後の拍手で再登場を訴えられているのに、
舞台に現れなかった彼女。きっと、酸素不足で倒れたに違いない。
赤ちゃんはぐずり続けた。
そして、最後のハイドンのチェロ協奏曲。
少しヨーヨーマ風のホンジュラス人チェリスト。
演奏が始まる前に件の夫婦に向かって
「後ろの席に言ったほうがいいんじゃないかしら?」
とはっきりと言ったのが、
母親は赤ちゃんを抱いたまま動こうとしなかった。
演奏が始まって、状況は悪化した。
母親が持たせた演奏会のプログラムをバタバタとたたき出したのだ。
演奏中にもかかわらず、思わずそのプログラムをひったくろうとしたが、
うまくいかなかった
(ひったくったらひったくったで、泣き出してひどい状況になっていたろう)。
第一楽章終了後、小声で母親に
「行きなさい!後ろに!」と命じたのに、
頑として動こうとしなった。右隣の女性も文句をいいたかったのだが、
第二楽章に入ってしまう。
しかし、ここで演奏者も明らかにきが散り始めてしまったようで、
チラチラと赤ん坊を見るものも出てきた。
さすがに気まずく思ったのか、第二楽章終了後に
母親と赤ちゃんは父親を残して立ち去った。
ようやく・・。
ソリスタも第三楽章に入る前に赤ちゃんがいた方向を一瞥した・・
コンサート終了後、
「(親子が)強情だったよね」
「コンサートを台無しにしかねなかったわよね」
と話をしたのだが・。
いったいどう対応すべきなのだろう。
クラシックに親しませるのが目的のコンサートで
小さな子供をどのように扱うべきなのだろう・・。
多少の愚図りはしようがない。
それは親や祖父母、面倒を見る人間がしっかりしていれば、受け入れるべきだろう。
しかし、今回は最前列で・・明らかに演奏者も気にしていた。
うーん、これは赤ちゃんを管理するものの良識にまかせるてもいいのだろうか?
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