レクイエム Requiem = 安息を | coralgreen6のブログ

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光を纏った
  花 音楽 言葉を求めて

読まれる方によっては 衝撃的な表現と映る場合があります

そのときにはどうぞ スキップしてくださるようお願いいたします

 

 

去る7月 夫の旅立ちを見送った

 

納棺師さんのお手伝いをさせていただき

装束を着せ 副葬品を添えた

 

 

ささやかな家族葬だったが

心をこめた温かさの中で

送ることができて 幸いだった

 

夫の希望にて 無宗教によるお式

それぞれの祈りと 献花により

慰労と感謝の気持を 捧げた

 

 

七夕の日は 1年おきに夫に何かが起こった

 

2年前は肺炎による入院

そして今年は

深夜に救急車を呼ぶことに・・・

 

 

5月初旬 夫に新たな病名が加わることになった

”下咽頭癌 ステージ4”

 

治療方針が決まるまでの

数々の検査の期間が もどかしかった

 

 

6月中旬 やっと治療方針が定まる

 

初期ではないので 手術は行わない

種々の病気による体力減退から

抗がん剤は使わず 放射線治療を

 

治療に伴う腫れから

気道を確保するため 喉の切開が必要

術後は 声が出なくなる

 

その後 チューブを替え

訓練次第で

声は出せるようになる とのこと 

 

 

しかし

夫は即座に拒否した

 

声が出なくなることへの恐怖

多くの病気と闘ってきた 長年の日々

 

苦しみながら生き続けていくための

希望やエネルギー

 

それらを夫は考え

「身体に傷をつけたくない」 

「入院はしない」と

気道確保のための切開を 拒んだ

 

クローバー  クローバー  クローバー  クローバー  クローバー

 

アルコール症後遺症 脳卒中後遺症により

柔軟さを失いがちな思考

 

しかも メンタルの病も抱えていた夫には

とても乗り越えられる状況ではなかったと思われる

 

 

再三再四による 複数の医師の勧めや

私からの 入院のお願いを

夫は 断固として退けた

 

そのときから

ふたりの 覚悟の日々が始まった

 

 

肺気腫による 呼吸の辛さに加え

癌の腫れによる わずか2ミリほどの気道

1日中 全身を使っての 一呼吸 一呼吸だった

 

放射線治療は 火傷と同じという

いつ気道が腫れて塞がり 呼吸ができなくなるか

 

その日が来ないことを願うばかりだった

 

 

夜中のお手洗いへの誘導

全身で苦しそうな呼吸のなかでの

私への一瞥

 

今思えば 夫は

最後の瞬間がわかっていたのかもしれない

 

「救急車を呼んで」

それが最後の言葉だった

 

 

救急隊員が来るまでの
心臓マッサージ

 

初めてのことだったが

「がんばって!」 と叫びながら必死だった

思いつきで マウス トゥ マウス も

 

今思うに

送り込んだ空気はすでに 通るべき道を失っていたのだ

 

 

救急車に乗ったのは 何度目になるだろう

 

救急隊員の蘇生処置

お薬手帳を渡し

どの病院に行くかのやりとり・・・

 

 

娘たちがかけつけてくれ

医師の説明を受ける

 

 

嵐のような時間が過ぎ

ふと気がつくと それまでの記憶が抜けている

 

どうやってこの病院に来たのか・・・

夢の中の出来事のように思えた

 

 

画像によると 左肺の一部は繊維質になっていた

放射線治療による免疫力低下で 感染した可能性とのこと

 

どれほどに苦しい呼吸を 頑張ってきたのだろうか

今 思い出しても 胸が痛む

 

 

酸素百パーセントにより 夫の臓器は動いているが

すでに脳死状態であった

 

しかもPCR検査陽性なら 面会はできないという

夫が陽性ならば 私も陽性のはず・・・

 

幸い陰性との結果で 面会可能となった

 

 

「積極的な延命は行わない」 生前の夫との約束だった

 

数日を経て 人工呼吸器は外され

やがて 臓器も動きを止めた

 

その瞬間に立ち会うことはできなかったが

病室に漂う 夫の静かな気配は感じられた

 

 

子どもたちとの話し合いで

「小さな家族葬」の 一日葬を進めた

 

思いがけず 火葬場の都合で

5日間 斎場の安置室で待機することに

 

しかし この5日間はとても恵まれた日々となった

自転車で20分余りのその場所に 連日通った

 

 

夫は花の香りに包まれ

涼やかな「おりん」の響を 聞いてくれているようだった

 

夫の顔に触れ 

心のなかのことを語り続けた

 

元気なときには言えなかったこと

今の気持や これからのこと

たくさんの 「ごめんなさい」と 「有難う」も

 

いつか霊界でまた会いたいということも 

 

 

敬愛する 牧師先生の奥様が

コロナ禍にも関わらず 遠方から

安置所に来てくださった

 

心に染みる語りかけや 宗教を越えた お祈り

そして 私達ふたりに向けて 「いのちの歌」を

心を込めて歌って下さった

 

どんなに慰められ 希望を与えられ

有り難かったことか

 

夫も受け入れてくれていることを 感じた

 

 

信仰と心情を通わせる 多くの友が

夫のために 連日祈ってくださった

 

力強い支えと希望を感じさせてもらえた

 

夫の霊が安らかに逝くことが

約束されたような 安堵感があった

 

 

旅立ってから40日目

霊界に送る式を行った

 

牧師先生夫妻が リモートにより

祈りと 語りかけと 歌で

愛を注いで下さった

 

夫は生前 牧師夫妻に会ったことがあり

細くても長い縁で繋がっていたことを思った

 

桜  桜  桜  桜  桜

 

来年の桜の咲く頃

樹木葬にて 納骨を執り行なう

 

かつて ふたりでTVを観ていて

珍しく意見が一致した その場所を

夫はきっと 気にいってくれるだろう

 

すでに ふたりの名前は刻まれ

準備されている

 

 

「家で最期を迎えたい」 と口にしていた夫

「快適な介護機器を用い 安らかな最期を看取りたい」 とは私の計画

 

私の願いは叶えられなかったが

夫は意志を貫き通せた

 

キラキラ  キラキラ  キラキラ  キラキラ  キラキラ

 

斎場の葬儀担当者の存在も 大きかった

全幅の信頼を寄せることができ 心強く思われた

 

 

一連のできごとにおいて

多くの方々のお力添えを頂いた日々だった

 

温かくも希望溢れる 祈りの力

言葉と行動で 寄せて下さる励ましの気持

確実に天に繋がっていると思える 安堵感

 

たくさんの恵みをいただくことになったのも

夫が私のために

整えてくれたことなのだと 今 思っている(感謝)

 

     斎場の玄関で迎えてくれた ファンフラワー

 

ブルー音符  ブルー音符  ブルー音符  ブルー音符  ブルー音符

 

『レクイエム』 という音楽にも 慰められました

 

下にスクロールすると

レクイエム「葬送曲」全曲を聴いていただけます。

 

 

 

 

むらさき音符  むらさき音符  むらさき音符  むらさき音符  むらさき音符

 

長らくブログをお休みしてしまいました

 

心の整理を終えてから

好きなときに 好きなことに没頭する時間を

再び持ちたいと思っていました

 

気に懸けてくださり

心配してくださった ブロ友さんたち

有難うございます

 

見えないご縁で繋がっていることを

感じさせていただき

感謝の気持で一杯です

 

リボン   リボン   リボン   リボン   リボン

 

みなさまに たくさんの

希望の光が 注がれますように乙女のトキメキ