左手のピアニスト 舘野泉さんが
脳溢血の後遺症から復活され
その人となりから 紡ぎ出された
<いのちの言葉>を お届けしています
今日の演奏テーマ=<いのちの言葉>
「誰かのため」は
「自分のため」より頑張れる(中)
原発事故で被災した南相馬市のため
2011年8月 フィンランドで行った復興支援コンサート
2011年3月11日 東日本大震災
2011年4月 舘野さんの南相馬市でのサロンコンサート 中止
2011年6月 舘野さんが南相馬市を訪問 チャリティーコンサートを約束
「演奏生活50周年記念演奏会」を「復興支援コンサート」へ
プログラムをすべて変更
2011年8月
ヘルシンキで行う予定だった 演奏生活50周年記念コンサート
舘野さんは それを急遽
震災チャイティコンサートに変更すると決めます
収益のすべてを 南相馬市民文化会館の
復興のために寄付したいと考えます
プログラムはすべて 日本人の作曲家が
舘野さんに捧げた作品だけで
構成し直しました
ピアノソロ
『風のしるし・オッフェルトリウム』(間宮芳生作曲)
ヴァイオリン、チェロ、クラリネット、トランペットとのピアノ五重奏
『優しき玩具たち』(吉松隆作曲)
フルート、コントラバス、打楽器とのピアノ四重奏
『アイヌ断章』(末吉保雄作曲)
左手のためのピアノ協奏曲
『ケフェウス・ノート』(吉松隆作曲)
家族総出でコンサート運営
公演2ヶ月前の急な変更です
家族が中心となり コンサートの運営を行いました
画家である 妻マリアさんの弟が
日の丸をイメージしたポスターやチケットを作ってくれました
電信柱へのポスター貼りは
マリアさんと息子のヤンネさんが 車で街を回りながら
友人や行きつけのお店にも
ポスターの協力を依頼しました
コンサート無償出演の申し出を得る
フィンランドの夏は 音楽祭のシーズンです
音楽に関わっている人には 大忙しの時期
にもかかわらず
息子のヤンネさんが コンサートマスターを努める
ラ・テンペスタ室内管弦楽団のメンバーや
一流の演奏家たちが
他の仕事をキャンセルして
無償で チャリティーコンサートに参加してくれました
邦人作曲家による現代音楽ばかりのプログラムです
無謀だ と言われました
しかし 会場は満員に
700人のお客様から
スタンディングオベーションをいただきました
震災と原発事故 二重の災禍に見舞われた
福島を応援したいという気持が
あたたかな拍手に 込められていました
南相馬市でのコンサートが復活
2012年3月2日
1年近い休館を経て 「ゆめはっと」の多目的ホールで
サロンコンサートを再開できました
多目的ホールですから 音響は今一つ・・・
定員も 100~140人ほどです
しかしそのぶん
聴いて下さる方との 気持の距離が近いのです
そこではいつも 曲の説明や自身の近況報告なども交え
アットホームな雰囲気で 音楽を楽しんでもらいます
2012年4月25日
1100人が入る 「ゆめはっと」の 大ホールで開いた
ヤンネさんとのデュオリサイタル 「天上の祈り」
「ホールの音響は 素晴らしく
決して押しつけがましくなく
後ろの席まで音がよく通り
壁に反射して 柔らかく戻ってきます
東京の有名なコンサートホールに
勝るとも劣りません」(舘野)
(チラシは前年の東京都内でのもの)
2012年4月25日
「ゆめはっと」での デュオリサイタルは入場無料のコンサート
兵庫県豊岡市の 仏教会の支援による
南相馬市民の方々への 粋なプレゼント でした
8年前 完成したばかりのホールで開いたコンサート
そのときのことを思い出しながら
復興への祈りを込めて
ピアノを弾いた舘野さんでした
「死者に対する 礼儀や 想いも
音楽に託すことができれば 一番良い」(舘野)
では 舘野さんの演奏をどうぞ
久保禎: 左手の祈り
ノルドグレン: 「振袖火事」
ある日の空
暗い雲も朱く染める力は
どこからくるのでしょう
それは きっと内側から
自分のために ではなく
誰かのために と思って頑張ったとき
自分のためは ほどほどにしても
誰かのためは より良いものをイメージして
誰か が いてくれるから
自分 が 頑張れる きっと
誰か が 居てくれることに 有難う
誰か を 思い出せることに 有難う
あなたと わたしの 「誰か」 が
頑張れる力の きっかけになりますように
今日も最後まで ブログにお付き合いいただき
ありがとうございました