湊かなえさんの『リバース』を読みました。

 

 


深瀬和久が社会人になって初めてできた恋人のもとに、「深瀬和久は人殺しだ」という手紙が届けられた。
深瀬は3年前、ゼミの仲間5人で、長野の別荘へ遊びに行っていた。
その時、遅れてきたメンバーを迎えに行くために、広沢由樹が飲酒運転で最寄り駅に向かう途中、崖下に転落して死亡していた。



はじめ、最後の2行の意味がわからなかったのですが、じっくり考えてみると「うわ!」って、思わず声が。
それくらいインパクトのあるラストが待ち受けていました。

手紙を出した主を探すために、深瀬が広沢の地元の友達に話を聞きに行くのですが、そこには深瀬が知らない広沢の顔がたくさん。
大学の友達なんて、そんなものかも知れませんね。
高校卒業後、地元を出て大学へ進むと、人間関係がリセットされるので、違った自分を演じることができます。

かく言う私自身も、大学では過去の嫌な記憶を払拭し、新しい人生を歩んでいたようなところがある気がします。
性格そのものを大きく変えることはできませんが、過去の失敗を活かすことくらいはできます。

逆に言うと、私も、大学の友人たちの入学前は知らないわけで、親友であっても、知らない部分はたくさんあるんだろうなぁって。

そういった”昔話”から、衝撃の結末に繋げたあたりが、非常に面白い作品だなぁと感じました。

 

 

 

 

 

 

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