島本理生さんの『君が降る日』を読みました。

 

 


志保は車の事故で恋人の降一を亡くした。
その時ハンドルを握っていたのは、降一の1つ先輩・五十嵐だった。
降一は父親が家を出て行ってから、実家の店を手伝っていたが、降一が亡くなったあと、五十嵐が店を手伝うようになる。
しかし、降一の母と志保は複雑な想いを抱えてしまう。
やがて、五十嵐は就職して福岡で勤務することになるが…



不可避な事故だったと頭では理解するものの、五十嵐を責める気持ちを消せない志保と降一の母。
しかし、氷河がゆっくりと氷解するように、五十嵐への想いに変化が表れはじめる志保。
揺れる女子大生の心を見事に表現した作品になっています。

劇的な変化点があるわけではなく、ゆっくりと、ゆっくりと揺れる気持ちに変化が表れてくる。
それをやさしい目線で描いた作品のように感じました。


表題作のほか、『冬の動物園』、『野ばら』が収められています。

『冬の動物園』
会社員の美穂は、英会話教室で高校生の森谷君から声をかけられる。
森谷君の言動に振り回されながらも、美穂は森谷君と一緒に動物園へデートに行くことになる。

『野ばら』
高校生の佳乃は、昇降口の前で積もっていく雪を見ている祐と知り合った。
しかし佳乃が惹かれていったのは、祐と2人暮らしをしている兄の聖人だったが…

 

 

 

 

 

 

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