濱嘉之さんの『警視庁情報官 ゴーストマネー』を読みました。

 

 


日銀によって廃棄されるはずだった1500億円分の古紙幣が、溶解処理されずに姿を消した。
さらに、複数のコンビニATMから、約18億円が不正に引き出された。
3年にわたる海外研修から帰国した黒田は、新生情報室を任され、さっそくこの2つの事件を担当する。



「警視庁情報官シリーズ」の6作目です。

黒田が3年間の海外研修へ行っている間に、黒田が抜けた情報室は随分と弱体化してしまった様子。
そこで、12人のキャリアの警視正を含む、100人態勢の新生情報室が立ち上げられます。
警視総監直轄の新生情報室で、キャリアの警視正をじっくりと育て、主要道府県にも同様の組織を立ち上げようという狙いがあるようです。
ノンキャリアの黒田から、キャリアの警視正たちが必死で学び取ろうとしている姿が印象的でした。
こういう天才がいると、後継者をいかに育てるかが課題なんでしょうね。

中国に逃げ帰った容疑者を逮捕する方法については、目から鱗が落ちる思い。
そんなやり方があったんですね。
何度も使える手とは思えませんが、小気味良いやり方でした。

そう言えば、濱嘉之さんの作品を読むようになってから、新聞の読み方、ニュースの見方が少し変わってきたような気がします。
事件を裏側から見てみたり、警察の視点からどう見えているのかなーなんて。
ただ、作品の中で行われていること、言われていることの中には、濱嘉之さんの個人的な意見が反映されている部分もあるなぁと感じることも出てきはじめました。
そういった部分も含めて、面白い作家さんだと思います。
 

 

 

 

 

 

過去の「濱嘉之」記事

 

 

 



過去の「警視庁情報官」記事

 

 

 

 


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