濱嘉之さんの『警視庁情報官 ハニートラップ』を読みました。

 

 


中国に対し、イージス艦関連技術の情報漏洩が発生した。
小笠原警察署長の黒田純一は、警視総監の命によって警視庁に呼び戻され、総務部企画課情報室を任される。
中国への情報漏洩は、防衛省ルート、警察ルート、政治家ルートで行われており、巧みにハニートラップが取り入れられていた。


「警視庁情報官シリーズ」の2作目です。
今回のサブタイトルは「ハニートラップ」。
私も仕事で北京と上海へ行ったことがありますが、向こうの情勢はよく聞かされました。
聞いただけで、何もしていませんが。

中国への情報漏洩が行われた3つのルート、防衛省ルート、警察ルート、政治家ルートの最初の2つについては、ハニートラップに落ちていく様子が描かれていましたが、政治家ルートに関してはそういった記述がなく、ページ数も少ない。
サブタイトルが「ハニートラップ」なのに、少し物足りないなぁと思っていたら、あとから趣向を変えたトラップが。
最後は、「キャー」と悲鳴をあげたくなるような事実まで。
サブタイトルを存分に活かした作品になっていました。

前作『警視庁情報官 シークレット・オフィサー』では、逮捕シーンが少し物足りないかなぁと思いましたが、今回は充分楽しめるないように。
他の作家さんなら、「逮捕!」となりそうな場面にも、入念な下準備があるんだなぁと。

さすが警察内部におられた濱嘉之さんだなぁと、改めて感心してしまいました。

濱嘉之さんの作品を読んでから、公安に対する見方が変わったのは、私だけではないはず。リアルな警察小説を読んでみたい方は、ぜひ一度手に取ることをお勧めする作家さんです。

 

 

 

 

 

 

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