中山七里さんの『魔女は甦る』を読みました。

 

 


国道沿いの集落から1kmほど離れた沼地で、元製薬会社の研究員・桐生隆の死体が発見された。
桐生の死体は八つ裂きにされた上、カラスが群れで食い荒らしたあとだった。
警察庁の宮條貢平は、ちまたに流出している麻薬〈ヒート〉が関係しているのではないかと、埼玉県警の刑事・槇畑啓介と組んで捜査にあたる。
〈ヒート〉を使用した少年による、一家五人殺し、都心での無差別殺人、高校での銃乱射事件が起きていた。


中山七里さんは、第6回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞してプロデビューを果たしていますが、その2年前、第4回『このミステリーがすごい!』大賞に応募した作品が、この『魔女は甦る』のもとになっているそうです。
その話を聞いてから読むと、確かに荒削りな部分があったり、中山七里さんにしては軽快感が感じられない部分があったりしました。

しかし、そんな話を聞かされていなかったら、何の違和感も感じずに読んでいたのではないかと思います。
意外な、というか、驚愕の真実、頭の中で場面を思い浮かべてしまう描写力、そして、ラストの息をのむ展開…
あとから手を加えたとはいえ、相当完成度の高い作品を当時から書かれていたんだろうなぁと、中山七里さんの才能を再認識させられました。

新人賞応募作ということもあり、続編のことなんて考えずに駒を動かしているあたりに、普段読む中山七里さんの作品にない新鮮さを感じました。

 

 

 

 

 

 

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