ボイスドラマの効果音の収録や編集作業を担当した者の共同著作者性を認めなかった事例 | 著作権コンサルタントが伝えたいこと

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ボイスドラマの効果音の収録や編集作業を担当した者の共同著作者性を認めなかった事例

 

▶令和3年1月21日東京地方裁判所[平成30(ワ)37847]▶令和4年6月13日知的財産高等裁判所[令和3(ネ)10017]

2 争点1(原告が本件各作品の共同著作者に当たるか否か)について

(1) 2人以上の者が共同して創作した著作物であって,その各人の寄与を分離して個別的に利用することができないものを共同著作物というところ(著作権法2条1項12号),【共同して著作物を創作した】というためには,当該著作物の制作に際し,創作と評価されるに足りる程度の精神的活動をしている必要があるというべきである。

そこで,原告において本件各作品の制作に際し,かかる創作的関与が認められるか否かにつき見るに,上記で認定したとおり,原告は,本件各作品の制作を企図した被告Aから,制作への協力を依頼され,台詞を読み上げる声優の候補者を数人紹介し,被告Aが制作したシナリオや指示に沿う形で,効果音の収録や編集の作業を担当したにとどまっているものであり,これらの原告の関与の性質・内容に照らせば,ボイスドラマであるという本件各作品【(本件作品5を除く。以下、この(1)において同じ。)】の性質に照らしてもなお,原告が,本件各作品の制作に際し,創作行為を行ったものとみることは困難というほかない。そうすると,本件各作品の制作に際するこれらの関与について,原告が,創作と評価されるに足りる程度の精神的活動をしたものとまで認めるに足りないというべきであり,原告が本件各作品の共同著作者に当たるものとは認められない。

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