僕は今、ご存じの通りサラリーマン。


そして実家は商売をしている。


少しでも時間のある時は進んで社長である父親の仕事を手伝っている。


規模は違えどおのずと使う側と使われる側の両方の立場で考える事が多い。


その結果、たどり着いた一つの答えとしては


社長(上司)というのは常に従業員から比べられる立場にあるという事。


それは仕事内容にしても器量にしても人格にしてもそうだ。


そして会社というのは、社長で決まると言っても過言ではない。


やはりウチの社長はワンマン社長でありリーダー社長ではないと思った。


僕はこれから必然的に使う立場の人間になって行くと思う。


その時はウチの社長を思い出して反面教師としたい。


その為には今は我慢してすべてを吸収する事がモチベーション維持につながっている。


だから僕は今後の自分の為にまだまだ我慢する。


この会社で得るモノがなくなるまでは!


そして目指すべき自分は


「会社に何かを期待して、会社や周りを変えようと思わず、どんな状況になっても対応できる自分!」


つづく・・・

社長は考えた。


営業が日々の仕事(目の前の仕事)に追われて

疎かになっている事とは何なのか?


新規開拓活動である。


社長はここに目を付けた。


ー いつまでたっても社員に仕事を任せれない人だ!



そして朝礼で


「今日から私が自ら2ヶ月後の展示会に向けて東京都内及び周辺の新規開拓を行ないます」

と、お前たちがやらないからと言わんばかりに言い切った。


今まで全く営業などした事のない社長である。


社内の営業は全員


ー あれだけ毎日オレらに暴言を吐くくらいだからそれなりの事はやってくれるだろう。もしこれで社長が新規得意先を数件でも獲得すれば納得して暴言を受け止めよう ー

と思った。


社長は毎日新規開拓に出掛けた。


そして毎週水曜日、活動状況のFAXが届いた。

その内容とは

「ゾーンが違う。オーナー不在。定休日。」

などなど

見て呆れた。


ー それって行ってるだけやん!しかもすべてが行き当たりばったり! ー

前述までの社長の日頃の発言や行動を見ていたら確かに頷ける結果だ。


そして1ヶ月後の新規開拓報告はこうだ。

どこそこのお店は感度がよく、5度目の訪問。なかなか商品を気に入ってもらえないがあきらめずにアプローチする」



ー 
それってあなたの自己満足で訪問してるだけやろ!回数重ねればいいって問題でもない。戦略も情報も何も持たずにただ単に訪問してるだけではハッキリ言ってしつこいだけ! ー


社員の心を掴めないのに得意先のしかも新規のお客様の心何て掴めない。

社員に熱く怒れても熱く語れない人間がお客様に熱く語れるハズがない。

ビジョンを持たない社長にどこぞの新規の得意先が共感してくれるのか?

おそらく行けば何とかなると思っていたに違いはない。

そうでない限りこんな報告にはならない。

またこんな報告をぬけぬけとしてくる事自体に社長の仕事力を疑う。


普通なら朝一と昼一のアポだけは最低限に取って、それ以外の空き時間は飛び込みなり情報収集などを行って1日の仕事とするのが普通だ。

アポなしの飛び込みだけでは、下手すると全く成果のないまま1日が終わり兼ねない。



その結果、1件も開拓出来なかった。


当然の結果だ。


でもさすがに同情した。

社員に同情される社長もどうかと思うが


それよりも社員が仕事しやすい環境を整えて欲しい。

「あなたが毎日営業の仕事の手を止めているから新規開拓活動にまで手が回ってないのですよ!社内環境を整えるのがあなたの仕事でしょ。」

と、分かって欲しかった。


仕事をしていると目の前にある問題点ばかり目を奪われてしまい、目標を見失う事が多々ある。

今のウチの会社はまさにこの状態だ。

その時に、目標を見失わずに、全体を最適化して社員を真の目標に導いて行くのがトップの仕事だろう。


社長が目の前にある問題ばかりに気を取られててどうする?


やはり

「目標のない会社」

と確信した出来事だった。


つづく

展示会の前日。


営業部屋で営業達は来社要請や展示会の準備、その他得意先の追加対応に追われていた。


「藤原くん藤原くん、社長室に内線下さい」

と、社長からマイクで内線が入る。

「はい、藤原です!」

「あのさ~3592品番は何でこんなに在庫増えてるの?」

「これですかぁめちゃくちゃサイズが小さいらしいんですよ!9号なのに7号の方も着れないくらいだそうです

「そうなんだ~生産の中島は知ってるの?何故こうなったのか追求させといて!」

分かりました」

内線を切る藤原さん。


そしてまた内線

「藤原くん藤原くん!社長室に内線下さい」

さっきの内線より5分も経っていない。

「あっ藤原くん!3591品番のJKがたくさん追加来てるのに何で追加生産しないの?」と、気になった事はすぐに聞かないと我慢出来ない。

「あれはですね~インポートの生地なのですぐに生地が手の入らないんですよ」

「じゃあ国産で似た様な生地探して追加して!」


藤原さんは内心


ー 言われる前にもう動いてるよ。ないから困ってるんだろ!しかも朝の会議で報告済みだ!無駄に長い会議やってるから覚えてないんだろ! ー


と、思いながら

「ハイ!分かりました」

と、内線を切る。


そして今度は

藤原くん藤原くん社長室に来て下さい」


ー 呼ぶんだったら1回で済ませろよ! ー


藤原さんは2階の営業室から小走りで4階の社長室に向かう。

「明日からの展示会の来社件数はどうなの?」

「かなりの件数が来社されますよ!特に火曜日、水曜日はかなりお得意先が集中します。他の営業もそう言ってました」

「そうなの」

と、1日中こんな感じだ。

しかも社員全員に対してそうなのだ!なので社内は1日中社長からの内線が鳴りっぱなしの時もよくある。


全く持って関連性がない。


すべてにおいてその時の思い付つきで社員を動かす。

社員は全く仕事が捗らず、社長が帰った18時以降や社長のいない土日に会社に出て来て仕事をする始末だ。

極めつけに長い会議もあるのだからなおさらだ!

社長たる人がその場の思い付きで仕事をしてる以上、先のビジョンを持っているハズがない。
だからついにはこんな行動に出てしまったつづく