2008年1月31日 社長と僕の決断
1月31日
「今日決算日ですよね!」
ウチは1月が決算月。
各得意先の売り掛け金を全額回収しなければならない。
「お~、そう言えばFさんやけど、今月の精算大丈夫なん?請求\1,250,000もあるけど…?」
と、田中店長が心配そうに聞いてきた。
「そうなんですよ。ボクも気になってたので、先週の展示会の来社時に確認しましたので大丈夫だと思います。」
僕たちは今月の売り上げ着地と2007年度年間売り上げ着地と回収について話し合いをしていた。
その時、電話がなった。
「プルルル~」
「ハイ、アペリティフでございます」
と、田中さんが電話に出た。
「鈴木~社長から電話~」
ー 嫌な予感!しかも月末に!事前に予想出来るトラブルの芽は摘んだつもりだが ー
「おはようございます。鈴木です!」
嫌な予感を振り切って、いつもの様に電話に出た。
「おはようございますじゃねぇーよ!バカヤロウ!何だ、あのFは!ちゃんと話出来てるのかよ!」
と、いきなりの罵声で何が何だか分からなかった。
Fさんの事が言いたいのは分かったが、事前に入金確認も取ってあるし報告もしてある。なのに…
「えっ、先日報告しました様に今日全額入金予定ですけど…」
と、再度伝えてみた。
「お前、ちゃんと話してるのかよ?ふざけんじゃないよ!\1,250,000の内\250,000しか払えないって言って来てるんだよ!どーするんだよー?」
ダブルで嫌な予感が的中した。
Fさんの入金と社長の電話!
しかも同時に!
話が違い過ぎる。
ー Fさんは開き直ったのだろう。ない袖は振れないと!だから直接社長に電話したのだろう! ー
さっき、田中さんと話してた矢先の事で、営業としての詰めが甘かったと大いに悔やんだ。
前日に電話しておくべきだった。
しかし、問題はここからだ!
「お前ら!そんな得意先ばかりと商売してるのか?いい加減にしないとクビにするぞ!他の営業連中にも言っとけっ!」
ー そこまで言うか! ー
僕はめちゃくちゃムカついた!
言葉にならない程ムカついた!
電話の後半は腹わたが煮え繰り返って返事も出来なかった。
確かに入金確認を取っていても、払ってもらえなければ確認を取ったとは言えないし、意味がないのはよく分かる。
しかし、今まで数々の暴言は許せても今回の暴言だけは許せない。
ー 僕たちはあなたの社員といえども、血の通った感情のある人間なのだ!
人の対しての言い方があるだろう! ―
相変わらず、その場の感情だけで平気で社員を傷付ける。
言った本人は忘れていても、言われた相手は…
それが許される会社はどうなのか?
ー いよいよ来たか!関西切り ー
とうとう僕と会社を結ぶ糸がまず1本切れた。
つづく・・・
また、僕たちの無理、ムラ、無駄は既存店にもそのまま無理、ムラ、無駄を生じさせた。
それは、ウチの商品のシェアが増えるにつれて、ついにお金が回らなくなった得意先も出て来た。
よって入金率が70%を下回るお店も出始めた。
ウチの商品がマンネリ化し、松井ブランド力の低下で売れなくなった得意先も増えてきた。
そこで交換要請が増えて来た。
要するに余計な仕事も増えて来た。
無理な予算組が得意先に弊害をもたらし、人の能力だけで何とかなってきたアナログ的な部分がシステム化に弊害をもたらした。
しかも、社長は超アナログ人間で、
「売り上げ伝票の入力も手書きで十分だ!」
と、会議で発言したくらいなのでそれ以上のシステム化が進まない。
システム化、効率化が全く進まないので、時間と人の手ばかりが必要になる。
頭を使わせるより、体を使わせて、忙しくさせてる方が全社一丸となって仕事をしている様な気になるみたいだ。
僕たちは以前から、こうなる事はある程度、読めていたにも関わらず、手を打てなかった。
というより打たせてもらえなかった。
社長を見てると今の状態の居心地がいい様だ。
おそらく新しく覚えたりするのが面倒なんだろう。
(メールも出来ないくらいですから~)
面倒になった時点で人間の成長は止まる。
社長の成長が止まった時点で会社の成長も止まっていた。
僕は入社8年目。ほとんど個人商店並に仕事をこなしてきた。
前述の様に、この会社は社長同様超アナログな為、仕事のすべてが人間の手で行われている。
アナログが幸いして、あらゆるメーカーとしてのノウハウを勉強させてもらった。
毎日が勉強の連続で、それらをすぐに実践に使い、さらにカスタマイズして実践に使ってきた。
自分自信のレベルアップにもつながり、毎日が充実した日々だった。
土日の仕事も苦にならなかった。
そうこうする内に、会社と同じレベルに至った。
その時がボクのこの会社での最高の売り上げとモチベーションだった。
ー さあ!これからは会社もレベルアップさせるぞ! ー
と、意気込んでいた。
しかし、この時を境にボクの成長が止まってしまった。
この先のこの会社での目標がなくなってしまった。
それもそうだろう。
数値目標意外に目標がないのだから…
それと、新たに必要以上の事をしようとすると
「実績がないから…」
と押えつけられるのだから…
それでも諦めずにチャレンジして来たが、ことごとく却下された。
いつしか社長は僕らを軽蔑した目で
「そんな事考える暇があったらもっともっと売り上げ上げろ!」
と言わんばかりの目で見ているのがありありと分かった。
変わらない会社
数値目標しかない会社
ブランド力の低下
社長の暴言
でボクのモチベーションも低下し、売り上げも下がり始めた。
再び、僕は
ー 会社を変えようとするオレがいけないのか?会社が変わらなければオレが替るしかないのか?数値目標しかない会社、目的(ビジョン)のない会社でどこを目指せばいいのか? ー
自問自答の日々だった。
そして、2008年1月
いよいよ来る時が来た。
社長の決断と僕の決断。
つづく・・・

