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「あれっ?僕の今月の目標って1,500万でしたよね?
それが1,700万になってますよ!
田中さんも山田も200万ずつ上がってます!
今日の午前中まではこんな事になってなかったですよ!」
3人ともパソコンの画面の数字を疑った。
「本社に聞いてみるわ!」
すぐさま田中さんが本社へ電話した。
「お疲れ様です、田中ですけど、坂本社長いらっしゃいますか?」
「お待ち下さい。」
経理の女の子が社長に取り次いだ。
「はい坂本です」
「社長、予算って変更してますか?」
間髪を入れずに聞いた。
「バカヤロウ!当たり前だろ!昨年度は達成もしなかったんだし、昨対実績も割ったんだからその分上乗せしたんだよ!」
超不機嫌な社長。
ー 一体何が当たり前なのか?それは社長の理屈だろ!それに「バカヤロウ」は余計だろ! ー
「確かに昨年度は達成しなかったですけど、今期は今期の目標として昨年実績の10%アップで目標を組んで了承して頂きましたよね?」
「何を言ってるんだ!そんな事は昨年度に達成させた営業が言う事だろ!納得行かないなら辞めろ!他にも言っとけ!」
「プッープッープッー」
強烈に一方的だった。
現在PM7時
「アカン!切られたわ! さすがに今から売り上げ作るのは無理やなぁ!得意先も閉まってるし…」
田中さんはあんな社長に腹を立てるのがもったいないという風で、ある意味冷静だった。僕は2ヶ月連続の「クビにするぞ!」の暴言を吐いた社長にとうとう我慢出来なくなった。
「オレ、もう我慢出来ません!いくら社長でもそれはないでしょ!オレらは昨年の予算も実績も割ったから、悔しくて営業魂を振い立たせて、今月達成させたのに…自分の理屈だけを正当化して、オレらの意見を聞かないのは虫がよ過ぎます!分からせてやる!」
と、僕が受話器を取った時、田中さんと山田に止められた。
「それで社長が分かってくれる人やったら過去に誰かが言うてるやろ!今、お前が言って社長が納得すると思うか?言ったお前は清々するかも知れないけど、お前がクビになったらオレらが困る。お前まで感情で突っ走らんとってくれ!頼むから我慢してくれ!」
「…すいません、ムキになって…」
支店内にどんよりとした重い空気が流れ続けた。
田中さんは責任感が強く、このままではますます全員の士気が下がるのを心配しながら提出書類をまとめていた。
士気が下がればミスも増える。
悪循環だ。
山田は気持ちを切り替えて、僕と田中さんに声を掛けながら前向きに棚卸しを始めた。
僕もやれる事はやったのだ!と前向きに考えようと気持ちの整理をしながら棚卸しに入った。
それぞれ3人が心の中で悔しがっていた。
つづく・・・