第36回:「赤毛のアン」 クイーン学院の冬
The Winter at Queen’s
クイーン学院に進んだアンは、町に下宿して毎週金曜日の夕方、同級生たちと帰省します。 ギルバートは、アンとは話はせずいつもルビーと一緒に帰ります。 彼を憎んでいたアンの心境が、(かなり前から)少しづつ変わっていきます。
週末ごとのアヴォンリーへの帰省時のアンの心境。
[英語原文]
Gilbert Blythe nearly always walked with Ruby Gills and carried her satchel(肩掛けカバン) for her. Ruby was a very handsome young lady. She had large, bright blue eyes(注:絶対に複数形に), a brilliant complexion(顔色), and a plump(丸々した), showy(目立つ) figure(容姿;研究では主に、図;figure out で、解明する). She laughed a great deal(たくさん), was cheerful and good-tempered(気立ての良い:昔、アンは先生から、short-tempered と黒板にも書かれました、例の、‘石板で殴打事件’のとき), and enjoyed the pleasant things of life frankly.
‘But I shouldn’t think she was the sort of girl Gilbert would like,’ whispered Jane to Anne. Anne did not think so either(~もそうは思わない), but she would not have said so(仮定法過去完了;たとえ~としても) for the Avery scholarship(奨学金).
She could not help thinking, too, that it would be very pleasant to have such a friend as Gilbert(ギルバートのような友を持てたなら) to jest(冗談を言う) and chatter with(おしゃべりをする:参考‐ 現在、皆がすなる chat チャット、会話) and exchange ideas(意見;ここは複数形で) about books and studies and ambitions(将来の夢).
Gilbert had ambitions, she knew.
[日本語訳]
ギルバート・ブライスは、たいがいルビー・ギリスと一緒に歩き、彼女の肩掛けカバンを持ってやった。ルビーはひときわ美しい娘だった。 大きく鮮やかな青い瞳、顔の色つやはまぶしく、はち切れそうな人目を惹く姿だった。 笑じょうごで、陽気で、気立ても良く、生きる楽しみをのびのびと謳歌していた。
「でも ルビー は、ギルバートが好きになるような女の子じゃないと思うわ」ジェーンがアンにささやいた。 アンも同感だったが、たとえ エイブリー奨学金 をやると言われても口にしなかったろう。
だがアンも、思わずにはいられなかった。 ギルバートのような友達がいて、冗談を言い、おしゃべりをして、本や勉強や未来の夢について意見を交換したら、どんなにか楽しいだろう。 ギルバートは将来に夢を抱いている。 それをアンは知っていた。
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アンは、残念ながら、ずっと後までギルバートと言葉をかわすことはできなかったのです。
ただアンは、もしギルバートが汽車から家まで一緒に歩いてくれたら、気持ちのいい野原やシダの茂る小路をぬけながら、自分たちの新しい世界のことや未来の抱負について楽しく語り合えるのに、と思っていたのです・・・・たぶん、ギルバートも。
当の ルビー・ギリス は、友人である ジェーン・アンドリュース に言っております。「私、ギルバートの言っていること、半分もわからないの・・・・・」
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1年前の 今日、3月12日にわたしが upload した記事です。
1年前の今日あなたが書いた記事があります
『レキシントンの幽霊』:古いお屋敷には異界に通ずる何かがある。
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使用書籍
英語で楽しむ赤毛のアン (CD1枚付き) 単行本(ソフトカバー) – 2014/7/18
赤毛のアン 赤毛のアン・シリーズ 1 (新潮文庫) 文庫 – 2008/2/26
ルーシー・モード・モンゴメリ (著), 村岡花子(訳)
赤毛のアン (文春文庫 モ 4-1) 文庫 – 2019/7/10