目黒雅叙園での会食前、時間があったので、目黒から白金の方までお散歩しました。




『東京都庭園美術館』へ。


緑豊かな武蔵野の姿をそのままに残した『東京自然教育園』に隣接しています。



自然教育園はこちら↓



『東京都庭園美術館』


この建物は、1933年完成のアールデコ様式の旧朝香宮邸です。


朝香宮家は、久邇宮朝彦親王(くにのみやあさひこ)の第8王子鳩彦王(やすひこ)が1906(明治39)年に明治天皇から朝香宮の宮号を賜って創設した宮家です。鳩彦王は1910年に明治天皇の第8皇女允子(のぶこ)内親王と結婚し、パリに留学されました。その時期はアール・デコの全盛期。そのアール・デコ様式に魅せられたご夫妻は

帰国後この様式を積極的に取り入れたこの邸宅を建設しました。主要な部屋の設計はフランス人装飾美術家アンリ・ラバンに依頼し、フランス直輸入のアール・デコ様式を正確に今に伝えています。

その後、朝香宮家は1947(昭和22年)に皇籍を離脱されたあと、1947年〜1954年、吉田茂が外相・首相官邸として使用。

また、赤坂迎賓館ができる1974年までは、国賓をもてなすための迎賓館『白金迎賓館』として使用されました。

そして、1983(昭和58)年に東京都庭園美術館として開館し今に至ります。

(東京都庭園美術館の案内冊子より抜粋)



2023年4月1日〜6月4日まで、邸宅内の一般公開されていました。




正面玄関


タイルのモザイク模様も美しいですが、その先のガラスレリーフ扉はフランスのガラス工芸家ルネ・ラリックによるものです。








調度品はもちろんのこと、壁のレリーフや照明、床のタイル、窓、扉、天井、細部に渡り細やかなデザインが施されています。





メインとなる大客室へと繋がっています。





そしてその奥には、大食堂



庭に面した大きな窓が描く曲線も美しいです。


大食堂の天井の大きな照明もルネ・ラリックデザインです


パイナップルとザクロがデザインされています。










美しい曲線を描く大きな窓の下にも装飾が施されています。


海をイメージしています。




そして、寝室やプライベート空間のある2階へつながる階段。





書斎




ベランダのタイルも素敵です。

この白黒のデザインは、迎賓館赤坂離宮の玄関ホールでも採用されていましたね。


天井にも明かりとりがある明るい『北の間』





旧朝香宮邸の隣には新館もあり、カフェと小さなミュージアムショップも併設しています。ギャラリーもあります。


新館


カフェ


なかなかお目にかかれない贅を尽くした邸宅でした。

前には広々とした西洋庭園と日本庭園、茶室などもあります。邸宅の一般公開していなくても庭園だけ見学することもできます。