ウィリアムヒルでロンドン五輪の楽しみ方も倍増
人気選手や自国の選手を応援しながら賭けができるってエキサイティングですね。
のめり込みすぎると危険ですが・・・
内村の「金」、ボルトより人気…英で賭け熱気
なで しこジャパンの金メダル配当倍率は4・50倍——。あらゆることを賭けの対象にする
英国政府公認の賭け業者「ブックメー カー」がロンドン五輪の各競技で予想配当を出して
いる。地元開催となった今大会は、これまでになく、ファンの予想が熱気を帯びている。
ブックメーカー各社の店舗が並ぶロンドン市中心部のリバプールストリート。1934年創業
の老舗で、英国最大手の「ウィリアムヒル」の店舗には、午後5時過ぎから仕事帰りのサラ
リーマンらがひともうけしようとやってきた。
店内には10台ほどのモニターが設置され、競馬やドッグレースが生中継されている。「F組
の4か国では、なでしこが1番だよ」。店員がモニターを操作すると、10日時点の五輪サッカ
ー女子の配当倍率が表示された。
F組のどのチームが決勝トーナメントに駒を進めるかも賭けの対象になっており、この場合、
なでしこは1・73倍。2番人気のスウェーデンの2・75 倍に差をつける。しかし、金メダル予想
の1番人気は米国の2・62倍で、なでしこは2番手の4・50倍と分が悪かった。
別の大手ブックメーカー「ピナクルスポーツ」の現時点の配当倍率は、金メダルの期待が大き
い体操男子個人総合の内村航平選手が1・318倍。陸上男子100メートルの世界記録保持
者ウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)の1・820倍よりも期待が高い。
【2012年7月12日 読売新聞】
「大阪都」がアジア最大のカジノ都市になる日
シリーズ 2020年の世界から見た2012年の日本7
~「大阪都」がアジア最大のカジノ都市になる日~.
■今そこにある、アジアのカジノ競争
カジノ市場は2010年時点で全世界で1,090億ドル(1ドル=80円として8.7兆円)もの産業であり、2014年までに年率9.3%で成長し、市場規模は1,570億ドル(同12.6兆円)になると見込まれている *1 。その中でも、特にアジアでは、2010年時点で320億ドル(同2.6兆円)の市場規模が、年率23.6%で成長し、2014年までには630億ドル(同5.0兆円)になると見込まれている。
アジアのカジノと言われれば、真っ先に頭に浮かぶのがマカオである。マカオのカジノは19世紀に解禁され、すでに約160年の歴史を有する。長い間一部の運営業者に運営権が独占されていたが、1999年、マカオがポルトガルから中国に返還された直後に、外資系企業の投資を解禁したことで、ベネチアン・マカオやウィン・リゾート・マカオなどの欧米系の運営会社による投資が進んだことに加え、中国本土の経済成長とも相まって、カジノ収益は大きく伸び、2008年にはラスベガスを抜いて、都市別でのカジノ収益世界一となった。
その後も、収益は順調に伸び、2011年は約2,679億パタカ(2兆6,000億円)となっている(カジノ運営以外の収益含まず)。全30ヵ所以上のカジノが運営されるなど世界一のカジノ都市として不動の地位を獲得している。
また近年、急激な成長を遂げているのがシンガポールである。シンガポールは、宗教上の理由によりカジノを認めていなかったが、観光客数及び観光収入の停滞に加え、近隣諸国がカジノ解禁を検討していることに危機感を覚え、2005年にカジノ解禁を決定し、2010年から本格的な運営を始めた。
その効果については、マクロ環境などの他の要素の影響も存在するものの、カジノの運用が始まる前に960万人だった観光客数は、2010年には、1,160万人に増加し、さらに2011年には、1,300万人超となり、カジノの運用が始まる2009年と比べ、35%も増加している。シンガポール政府は、2箇所のカジノを含む統合型観光施設で、直接雇用35,000人、15億シンガポールドル(約940億円)の経済効果(カジノ運営以外の効果含む)を目標としている。
マカオやシンガポールでは、カジノを含む複合観光施設の経済効果は、大型ホテルやレジャー施設まで含めれば、少なくとも1拠点あたり年間数百億円以上に及ぶ。こうしたマカオ、シンガポールをおって、台湾やベトナムなどの近隣諸国もカジノ解禁を検討している。
■1施設あたり年間2,000億円の経済効果
仮に日本でカジノが解禁された場合、3,000億円超の事業投資及び年間2,000億円程度の経済効果が見込まれている。具体的には次のような効果がある。
① イニシャルで必要となる施設そのものへの建設投資や、遊戯器具などの設備投資に伴う効果。具体的には前者は都市開発を実施するデベロッパー、実際に建設を行う大手ゼネコンを始めとする建設業界で、後者はすでに外国でのカジノ向け遊具を販売している遊具会社やパチンコ遊具を販売している産業が対象となる。
② イニシャルコスト以外にも日々のカジノ運営に加え、その設備管理等のオペレーションに伴う効果。カジノ運営については、国内企業だけでなく外資企業の参入も必要となるかもしれない。また設備管理については、ビルメンテナンス等を行う産業が対象となると思われる。
③ カジノに付随した大型ホテルやレジャー施設、地域経済への波及効果。例えば宿泊施設やレストラン、お土産屋、交通機関などが考えられる。これらについては、地元のお店に加え、新規参入も見込まれる。
すでにいくつかの自治体は、一定の前提を置きつつ、その効果を試算している。例えば沖縄県は、仮に県内にカジノ施設を含む統合型観光施設ができた場合、イニシャルでの事業規模は、建設費用3,200億円、直接雇用13,000人を見込み、年間の収入(カジノ運営以外も含む)を2,100億円と見込んでいる。これによる県全体への経済波及効果は、合計で9,000億円、直接雇用者数は77,000人(建設47,000人、複合観光施設運営30,000人)に及ぶと試算している。
また、東京都は、新規需要2,200億円、直接雇用14,000人程度を見込んでいる。さらに千葉県は、大型の施設を建設した場合には、イニシャルでの建設費用は3,600億円、その後5年間の経済効果は1兆6,000億円、直接雇用者数は28,000人と見込んでいる。
■日本でカジノ解禁の議論は進むのか?
日本においても、2012年5月7日、外国人観光客誘致の切り札とすることに加え、東日本大震災の復興資源の捻出や地方自治体の財政再建を進めるため、カジノを中心とした複合観光施設 *2 の導入により観光復興を目指す超党派の議員により、カジノ設置を推進するための法案がまとめられた。
超党派の議連は、今国会への法案提出を目指していたが、自民党内の内閣・国土交通部会ではともに承認されたものの、民主党内の国土交通部会では、「ギャンブル依存が増える」などの反対意見も根強く、結局、今国会への提出は時期尚早、と判断された。
そのような状況ではあるが、今後、カジノに関する議論が活発化することは必定である。そこで、これまでのカジノ解禁に向けた議論を振り返ってみると、自民党政権時代から、活発化と中断を何度も繰り返しながら議論されてきたことがわかる。
まず、2002年に「国際観光産業としてのカジノを考える議員連盟」が発足、2006年には自民党「観光特別小委員会」のもとに「カジノエンターテイメント小委員会」が設立され、法務省や国土交通省、警察庁などの関係省庁へのヒアリングを行うなど断続的に検討が進められてきた。
その後、中断期間を一時はさみ、民主党政権に移行した2010年には「国際観光産業振興議連」(IR議連、通称カジノ議連)が民主・自民を主にした超党派の議連として発足、民主党内にも内閣部門会議内に「統合型リゾート・カジノ検討ワーキングチーム」が設立され、議論が重ねられてきた。
以上のような経緯を経て、今回の法案では、カジノを含む複合観光施設の導入に向けた推進本部を内閣府に設置し、法案成立後2年以内に、カジノ解禁に必要な法体制を議論・整備することとなっている。
さらに立地については、地方自治体の申請を受け、国が指定することとなっている。現時点では設立を望むすべての地方自治体が認められるわけではないようであるが、これまでの議論を見ていると、当面は2~3拠点から始め、その後の拡大余地は残されているようである。
このように設置拠点数は限られるものの、カジノに伴い大型ホテルや各種レジャー施設が建設・運営されれば、これまでとは違った観光の目玉になることに加え、地元への多大な経済波及効果も期待できることから、その誘致に向けた地方自治体の誘致活動も自然と熱を帯びてきている。
例えば、東京都は、以前よりカジノ解禁に熱心であり、平成14年時点で、「東京都都市型観光資源の調査研究報告書」を取りまとめるなど、精力的に研究・誘致活動を行っている。また大阪市の橋下市長も、「任期中に、(カジノ誘致に向けた)道筋を付けたい」と発言するなど、すでに積極的な誘致準備活動を行っている。さらに東京都、大阪市以外にも、外国人観光客に人気のある北海道や沖縄県、そのほかにも和歌山県や静岡県なども独自に研究を重ね誘致を目指すものと思われる。
■国際競争力に懸念を残す日本のカジノ
カジノ解禁の主目的である観光復興のためには外国人観光客の獲得が必須である。実際に近隣諸国のカジノ利用者の内訳を見てみると、マカオの場合は9割近く、シンガポールにおいても6割近くが外国人となっており、カジノを観光の目玉として、観光復興を目指すためには、まずは外国人観光客を獲得しなければならないのだ。
しかし、既にマカオやシンガポールがカジノ運営において世界的地位を獲得していることに加え、台湾やベトナムなどの近隣諸国もカジノ解禁を検討しているなかでは、これらの国々と競争し、より多くの観光客を奪いとらなければならない。つまり、国際間の外国人観光客の争奪競争にさらされているというわけである。
そのような中で、仮に日本がカジノを解禁しても、ただでさえ後発なことに加え、今後中間層や富裕層の大幅な増加が見込まれ主要な顧客層となる中国人顧客に対して、マカオ・シンガポールに立地面及び言語面で大きなディスアドバンテッジを抱えることになり、国際間の外国人観光客の争奪競争に勝つことは容易ではない。
カジノで成功するには、カジノ及びカジノ以外の観光コンテンツにおける”日本の独自性”を構築するとともに、出入国管理法制や交通インフラなど観光の利便性の向上についても合わせて、総合的に競争戦略を考えることが必要である。具体的には、ゲームの種類や配当比率などに加え、個人の収益に対する税制などを含め、競合の近隣諸国に対し、競争力のあるものにしなければならない。
また、カジノ以外にも、日本独自の観光コンテンツの充実による差別化が必要となる。また観光客受け入れのインフラ面では、観光ビザ制度の見直しや海外からの航空便の充実のための空港管理法制の見直し、空港からカジノまでの交通インフラ整備などが必要となる。
■「大阪都」にカジノができる
そのような視点から、観光客の一大供給地である中国との位置関係や空港、その他の観光客の受けいれインフラの整備状況、カジノ以外で外国人に人気のある観光コンテンツである京都との隣接性や新幹線の利便性を勘案すると、国際間の競争に勝つには、大阪が有力な候補のひとつとなると思われる。
与野党による大阪都構想法案の一本化を受け、「大阪都」の誕生が現実性を帯びてくる中で、その象徴的意味も含めて、「大阪都」でカジノを特区的に解禁することは十分にありえるオプションである。
いずれにせよ、カジノで国際間競争を勝ち抜くための改革を行うには、所管官庁で見ても、出入国管理法制は法務省、税制は財務省、交通インフラ・観光コンテンツは国土交通省・観光庁など複数官庁に跨がっており、一筋縄ではいかない可能性が高い。
カジノ解禁に伴う推進本部は内閣府に設置される見込みであるが、如何に国際間の観光客争奪競争で近隣諸国に勝つかといった視点で、縦割り行政ではなく、一元的な戦略的思考を持って競争戦略を構築する必要がある。
逆にそうしなければ、数年後には、近隣諸国との外国人観光客の争奪競争に敗れてしまうだろう。カジノを訪れる顧客の大半が日本人というような状況では、国内での富の移転が起きるだけという、当初の目的とは大きくかけ離れた将来が待っていることになる。
「大阪都」がカジノ特区に乗り出すのであれば、素早く、そしてアジアの諸都市に打ち勝つ、競争力のある構想を掲げる必要がある。2020年にアジアNo.1カジノ都市になるためには、今すぐにアクションを起こさなければならない。残された時間の猶予はそれほどない。
【2012年7月23日 現代ビジネス】
アジアのカジノニュース 4本立て
マカオやラスベガスに比べ、シンガポールはわずか2軒のカジノしかない訳ですから、多くの
ハイローラーを抱えているということですね。
中国だけでなく、インドやアラブのビッグマネーが動いてるのかもしれません。
世界2位のカジノ大国へ シンガポール ラスベガス超え予想
シンガポールが米ラスベガスを抜いて世界2位のカジノ大国になりそうだ。昨年の年間カジノ売り
上げは、シンガポールが57億米ドル(約4530億円)でラスベガスの61億米ドルにわずかに届か
なかった。専門家は今年、シンガポールが65億米ドル、ラスベガスが60億米ドルとなって順位が
逆転すると予想している。現地紙チャンネル ・ニュース・アジアなどが報じた。トップはマカオだった。
シンガポールのカジノ売り上げはマリーナ・ベイ・サンズ(MBS)とリゾート・ワールド・セントーサの
2カ所のカジノ付き総合リゾートからなり、中国をはじめとするアジアの新興国などから富裕層が
訪れて活況が続いている。 MBSの今年1~3月期の売り上げは前年同期比45%増の8億4870
万米ドル、うちカジノ部門は同51%増の7億130万米ドルだった。
欧州系格付け会社フィッチ・レーティングスはシンガポールのカジノ市場について、2カ所に限定
することで規制が行き届いているほか、長期ライセンス制度が功を奏していると指摘。安定的な
成長が期待できると分析している。
【2012年7月23日 産経ニュース】
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海外投資の受け入れ準備として、今回のカジノ規制緩和は早い対応です。
もともと韓国のカジノ導入は、外貨獲得が目的でしたからね。
韓国政府 外国人専用カジノの規制緩和など推進へ
韓国政府は22日、世界的な経済危機に向けた対応策の一環として外国人専用カジノなどに
対する投資要件を緩和する方針を決めた。
李明博(イ・ミョンバク)大統領が主宰し、前日深夜から10時間近くにわたり行われた会議で
投資に対する規制緩和を含む内需活性化策を定めた。
外国人専用カジノを含む複合リゾートに対する大規模投資を誘致するため、迅速な投資が
可能になる事前審査制を早期に導入する。またゴルフ場の個別消費税を引き下げる。
外国人観光客の誘致を目指し、未分譲マンションなどを活用することで宿泊施設を増やすと
ともに、容積率や建設制限区域の緩和なども推進していく。
一方、不動産対策と関連しては、収入に対するローンの返済額の割合を示す総返済負担率
(DTI)の規制を一部緩和することで円滑な住宅取引を目指す。
【2012年7月22日 中央日報】
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マカオではカジノのみならず、サービス業などに従事しているフィリピン人も多い
ようです。キャリアのある人材が求められるのは必然ですね。
比カジノ、マニラから人材 中国人観光客呼び込み狙い
フィリピンに新たなカジノ施設が開業し、アジアで人材獲得競争が激化する兆しを見せている。
優秀な人材を集めることで中国人観光客を呼び込もうとしている。
マニラで10億ドル(約784億円)規模のカジノリゾートの開業を準備しているブルームベリー・
リゾーツのマイケル・フレンチ最高執行責任者(COO)は先週インタビューに応じ、マカオで働く
優秀なフィリピン人の引き抜きを進めていることを明らかにした。 2013年1~3月期に営業を
始めるソレイユ・マニラ・リゾート・アンド・カジノで働くフィリピン人400人以上を、すでにマカオと
シンガポールから集めた。 最大4500人の従業員を必要とするソレイユは、主な顧客として中
国人とフィリピン人を想定しているという。
こうした動きは世界一のカジノの中心地となったマカオが熾烈(しれつ)な人材獲得競争にさらさ
れていることを示している。中国本土からの観光客でにぎわうマカオのカジノ収入は昨年42%
増え340億ドルに達した。ラスベガス・サンズやウィン・リゾーツといったカジノ運営各社の事業
も拡大している。
フレンチCOOは「中国人ギャンブラーはマカオでのスタイルに慣れている。そこで2、3年経験を
積んだ人材を採用しない手はない。こうした客の考え方を理解し、サービス形式や中国人ギャン
ブラーの心理も分かるフィリピン人に地元で働いてもらう」と話した。
CLSAアジアパシフィック・マーケッツによれば、フィリピンのカジノ市場は昨年の13億ドル規模
から15年までに30億ドルに拡大する見通し。
BDOユニバンクのチーフ市場ストラテジスト、ジョナサン・ラベラス氏(マニラ在勤)はソレイユを
めぐる人材確保に触れ「フィリピンの利益は、マカオの損失だ」 と指摘した。
【2012年7月23日 SankeiBIZ】
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頼みは軍から中国富裕層へ 「カジノ開発」に揺れる離島 台湾・馬祖
台湾本島北西約200キロの離島、馬(ば)祖(そ)列島(連江県)で、カジノ特区設置の是非を問う
住民投票が今月7日に行われ、可決された。対中国の軍事上の最前線だった馬祖は、台湾初のカ
ジノリゾート開発で中国本土からの観光客大幅増を狙う。一方で「自然破壊や治安悪化が心配」
「過度な中国頼みは危険」との懸念も残る。美しい景観から「台湾の地中海」と呼ばれる島々は期待
と不安に揺れ動いていた。
12日、中国福建省の省都、福州の馬尾港から台湾船籍の定期連絡船に乗り、1時間半後、馬祖
の中心、南(なん)竿(かん)の福(ふく)澳(おう)港に上陸した。
定員122人の小型船だが空席が目立ち、ほとんどが福州側を訪れた帰路の台湾旅行客だった。
出張帰りの年配の男性は「今時の陸客(中国人客)は台北や高雄でグルメやショッピングさ。こんな
田舎には来ないよ」と語った。
事実、県政府(県庁)所在地の南竿も、道行く人影はまばら。目につくのは台湾軍の軍用車や兵士
の往来だ。観光スポットも軍事施設跡地などが多い。
福澳港では「枕戈待旦」(戈を枕に夜明けを待つ=就寝時も油断しない)という蒋介石書の巨大スロ
ーガンが目に飛び込んだ。
□
馬祖は、かつて国共内戦に敗れて台湾に逃れた蒋介石率いる中国国民党(国民党)政府が長く中
国側と相対した軍の最前線。金門島と同様、日本統治時代を経ていない。
その金門島がアモイ、台湾本島と同じ●(びん)南(なん)語(台湾語)エリアなのに対し、馬祖は
●東語(福州語)エリア。福建省が台湾側に共同開発を持ちかけている平(へい)潭(たん)島とは
指呼の距離だ。馬祖は、急速に進む中台経済交流の最前線に変わりつつある。
漁業中心の馬祖の経済は、最盛期6万人が駐留した軍に依存してきたが、時代は変わった。近年
の中台関係の緊張緩和の結果、馬祖の軍事上の役割は小さくなっている。
「軍は今後も規模縮小の見通しで、その先を考えなければならない。観光の比重はさらに重くなる」
と連江県観光局の劉徳全局長。
10年以上カジノ開設をめぐる議論が展開された台湾では、馬英九政権下の2009年1月、離島に
限り開設を認める法改正が実現。同年9月には台湾海峡の澎湖諸島で初の関連住民投票が行わ
れたが、風紀の乱れなどへの懸念が強く、否決されている。
注目された馬祖の住民投票は、賛成1795票(有効投票の57%)と反対1341票(同42%)を上
回り、台湾初のカジノ開設に向け関門を突破した。
行政院(内閣)は9日、カジノを交通部(国交省)管轄と決定し、関連法の整備に動き出した。もっと
も、「実現は5年から10年先」と目され、狭い社会で賛否二分しただけに、住民の表情もさえない。
同県の楊綏生県長(知事)は、「1万人以上の雇用創出に加え、年間10万人程度の観光客数も数
年で400万~500万人に増大する」と、カジノ開設の経済効果に期待を寄せる。
ネックは脆(ぜい)弱(じゃく)な交通事情だ。現在、台北(松山)から南竿と北竿へ毎日計10便、
台中から南竿へ1便、別に船も基隆-南竿を約8時間で週6便が結ぶが、総席数が少なく、小型
プロペラ機は荒天での欠航も多いため、旅行社は「常に切符がない状態」と困惑顔だ。
女性団体や公務員、教師ら反対派の中枢でさえ「交通事情改善に期待してカジノを容認した島民
の心情はわかる」とこぼすほどだ。
現在、馬祖のカジノ開発には米国のカジノリゾート開発会社ウェイドナー・リゾーツ(ネバダ州)傘
下の台湾懐徳聯合開発のみが開発計画を提出している。
ウィリアム・ウェイドナー会長は9日、台北市内で会見し、「カジノは計画全体の5%。600億台湾
元(約1600億円)が空港や橋、大学の整備に投じられる」と風呂敷を広げた。
しかし、県会(定数9)の反対派(2人)の女性議員、李金梅氏=国民党=は「馬祖には豊かな自
然など活用できる観光資源は多い。空港拡張工事などで交通事情さえ改善されれば、風紀の乱
れや治安の悪化が心配なカジノに依存する必要はない」と話している。
これに対し、劉局長は「トラは密林で出くわせば危険だが、多くの人が喜んで動物園に行くのは、
おりの中で飼育されている限り安全だと知っているからだ」とカジノをトラに例え、「業者は厳正に
選ぶ。住民の懸念はいずれ払拭される」と強調する。
□
カジノ開発は目の鼻の先の中国本土から富裕層を島に呼び込むことが狙いだ。
01年、馬祖と福州、金門とアモイ間で、限定的な中台の直接往来(小三通)が解禁。直後は馬祖も
中国人客でにぎわった。
しかし、馬政権発足後の08年末には大三通(通航、通商、通信の中台全面開放)に移行。中国から
大勢の旅行者が台湾本島に向かった半面、馬祖の中国人旅行者数は伸び悩み、11年は年間約10
万人の旅行客のうち、中国から訪れたのは約1万人だけだった。
推進派の島民の危惧は、今後の法整備の中で、カジノ開設の「離島」制限が解除されることだ。「台
湾本島でも解禁となれば、桃園国際空港に近く、同様にカジノ開設を模索する苗栗などには勝てな
い」(劉局長)という。
また、馬祖でのカジノ成功には「両岸(中台)の安定した関係こそ重要な前提」(同)だが、中国は08
年、マカオへの中国本土客の旅行制限を強化したことがある。台湾でも09年、チベット仏教の最高
指導者、ダライ・ラマ14世を迎えた高雄市で、中国人客の宿泊キャンセルが相次いだ。
最大野党・民主進歩党幹部は「馬祖の命脈は中国に握られる」と懸念する。
東京や大阪、沖縄など、カジノ開設を模索する周辺都市に加え、先行するマカオ、シンガポールも
注目する中で「馬祖の決断」の行く末が問われている。
■
馬祖列島 台湾の北西に位置し、南竿、北竿など主要5島と多数の小島からなる台湾(中華民国)の
連江県を構成する。通称「馬祖」は県政府のある南竿郷の地名に由来。面積約30平方キロ、人口約
1万人。金門島と同じく台湾側の福建省に属し、長く中台が軍事的に相対した最前線だったが、199
2年の戦時体制解除後は観光地化が進み、坑道要塞なども観光資源として公開されている。現在約
5000人の台湾軍将兵が駐屯しているが、中台緊張の緩和の中、さらに縮小傾向で、観光基盤整備
が急がれている。
【2012年7月21日 産経ニュース】