久しぶりに更新しようと見てみたら・・・
前回の続きが更新されていないΣ(・□・;)
どうやら、更新したつもりで保存していたようです。
まあ、2回にわたって綴るほど大層なものでもありませんが・・・
では、気を取り直して前回の続きを更新します。
最近、高齢者ドライバーによる交通事故のニュースをよく見ますね。
今回は交通事故に関する内容となります。
つきましては、かなりの長文となりますことをご了承下さい。
9月のことになりますが、新聞やニュースで”ハイビーム”と”ロービーム”に関する話題を見聞きして以来、その後も同様の話題が度々取り上げられておりました。
”ハイビーム”と”ロービーム”。
馴染みのない方はピンとこないかもしれませんね。
これは、自動車の前照灯(以下、ライト。)を意味する言葉です。
ハイビームが前方100メートルまでを照らせるのに対し、ロービームは、前方40メートルまでしか照らせません。
では、なぜこのような話題が取り上げられたのでしょうか。
それは、昨年1年間における全国の交通死亡事故のうち、96%の自動車がロービームで走行していたことが警察庁の調査により判明したからです(記事元は、2016年9月21日の読売新聞。)。
また、9月23日に放送された某情報番組においても同様の話題が取り上げられ、その中で発表された番組調べの調査でも、9割以上のドライバーがロービームで走行しているとの結果でした。
その理由は、①対向車または前方の車(以下、他の車両。)がまぶしいと感じないように配慮している、②街灯によりロービームでも走れるからだそうです。
ちなみに、同番組内では夜間運転におけるハイビームとロービームの見え方の違いという実験も放送しておりました。その内容は、時速80キロで走行し、前方に用意された障害物を見つけてブレーキをかけ停止したとき、ハイビームとロービームそれぞれの停止位置と障害物との距離にどれだけの差があるのかを比較するというものでした。
この実験については、現実味のない実験であったと個人的に思いました。闇に限りなく近い道路で、80キロで走行するというのは、ライト以前の問題だと思ったからです。そもそも、一般道路で80キロも出せますか?その時点で速度超過で違反となります。仮に80キロで走行できる高速道路だとした場合、少なからず街灯が設置されているでしょうから、あれほどの暗闇にはならないでしょう。”ロービームは危険だ”と訴えたいのかもしれませんが、速度により制動距離が異なる以上、実験をするのであれば、現実的な状況に基づいて行っていただきたいものです。
ところで、車両の交通について規定している『道路交通法(以下、道交法.。)』は、ライトについてどのように規定しているのでしょうか。
この点、道交法は、「車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない(道交法第52条第2項)」と規定しています。
この規定の文言からすると、道交法は、車両は原則ハイビームで走行し、他の車両の通行の妨げになるおそれがある場合に、例外としてロービームにするように規定しているものと解されます。
とすると、多くのドライバーは原則と例外が逆転していることになりますね。
当ブログをご覧の皆様は、ライトをどのように設定していますか?
ちなみに私は、基本的にロービームで、裏路地などの狭い道ではハイビームにしております。つまりは、先の9割のドライバーと同じく原則と例外が逆転している状態です。
しかしこれには理由があります。場所と時間帯にもよるでしょうが、殊に都内であればこのような逆転現象はやむを得ないことではないでしょうか。なぜなら、都内の道路では、他の車両がいるのが常態であり、裏道にでも入らない限り他の車両がいないという事態は少ないからです。道交法52条2項は、「他の車両等の交通を妨げるおそれがあるとき」に減光等の操作義務が生じる旨定めています。つまり、 現実に他の車両の交通が妨げられたかは問題とされていないのです。極端な話、相手側が何事もなく走行していることから自分では大丈夫と思っていても、その実、相手が”アイツまぶしいな”と感じていれば減光等の義務が生じていることになるのです。したがって、自分の視界を良くしようとハイビームにし続けることは減光等義務違反となり、延いては安全運転義務違反(道交法70条)にもなり得ます。
警察庁としては、原則ハイビームで走行してほしいと呼びかけているようですが、場所を限定して考えるならば、多くのドライバーがロービームで走行しているのは、むしろ法に則ったものであることになります。
ちなみに、ライトの操作に関しては、行政罰として、減光等義務違反で1点(反則金6000円)となり、刑罰として、5万円以下の罰金(道交法第120条第1項第8号)となります。
それはそうと、最近ヤフーニュースで、”ハイビームとロービーム”に関する議論は近い将来決着がつくという記事を目にしました。その理由は、2020年以降に販売される新車には”オートライト”の装着が義務付けられるからだそうです。つまり、「ライトはハイとローのどっちだ!」論争を”技術”により終わらせようというのです。
しかし、このような結論は私には早計に思えます。なぜなら、この考え方は、自動車の所有者全員がオートライトが装着された新型車を所有することを前提としているからです。
一昔前、自動車は贅沢品として一部の富裕層が所有していましたが、今日における自動車の位置付けは、もはや生活の必需品といっても過言ではありません。もちろん、都心部では公共機関に頼ることもできますので必需品という表現は大袈裟と思われる方もおられるでしょう。しかし、地方に在住の方にとってはどうでしょうか。高校生になれば原付免許を取るのが当たり前で、卒業するころには普通車の免許を取らざるを得ないような方もいらっしゃるのではないでしょうか。このような方をも視野に入れて考えるならば、必需品という表現も決して大袈裟であるとは言い切れません。
とは言え、最近の自動車は、最新技術が搭載されていることもあってやたらと値段が高くなっており、型落ちの中古車をやっとの思いで購入する方もいらっしゃると思います。
また、自動車に興味を持ち社会人になってようやく買った憧れの車を所有している人や手入れをして長年乗り続けている人たちはどうでしょう。このような方々も乗り換えなくてはならないのでしょうか。これでは、クラシックカーとまでは言わないにせよ年式の古い車に乗り続けている人が悪者のようではありませんか。
たしかに技術の進歩は大切です。しかし、最も大事なことはドライバー一人一人が安全運転を心掛けることではないでしょうか。
というのも、ライト以前に法を遵守したドライバーが少ないように思えるからです。
たとえば、”一時停止”についてです。巷を行きかう自動車ですが、私が見る限り、遵守しているのは教習所の仮免ドライバーくらいで、多くのドライバーは停止をせず減速または徐行の状態で交差点内に進入しているように思います。
むしろ、一時停止の位置で止まろうものなら
『うおΣ(・□・;)!何止まってんだ?』
と、後続車から罵られることもありえるのではないでしょうか。特に、一部の方ではありますが、車間距離を詰めて運転されるドライバーも見受けられることから、停止しようものなら最悪の場合追突事故が発生することも懸念されます。
たしかに、停止位置(停止線)で止まってしまうと左右の安全確認がし難い場所があることも事実です。そのため、徐行により交差点内に進入し安全確認をすることもやむを得ないことなのかもしれません。しかし、一時停止と徐行は全く違います。たとえクリープ現象程度の速度であっても、動いていれば”停止”していることにはなりません。また、一度停止し安全確認をしたからといって、その後の確認を怠ってよいというわけでもありません。交通事故を減らすためにも、交差点などに進入するときには、まずは停止して確認、それから徐行程度の速度で進入しつつ再度安全確認をするよう心掛けるべきではないでしょうか。
この点については、
『アンタも指摘してたけど、実際に止まる車なんて少ないんだし、自分が停止して後続車に追突されたらどうするの?』
と、私と同様の懸念を抱いている方からの反論もあり得るところです。たしかに、現実の交通実態に照らせばそのような懸念も理解できます。しかし、だからといって、法を無視してよいというわけではありません。”正直者が馬鹿を見る”とは良く言ったもので、万が一追突されたなら、後続車に責任を追及するしかないでしょう。
他にも、制限速度プラス5キロ(道路によってはプラス10キロ)くらいであれば許容範囲にするとしても、明らかに速度違反と思われる車も多々見られます。高速道路では一部区間を除き制限速度は100キロとされていますが、明らかに120~130キロ、中には140キロ以上出しているんじゃないかと思われる車もいます。その手の車のほとんどは、アルファードなどの大型のミニバン、メルセデスやレクサスなどの高級車、GT-Rなどのスポーツカーが多いように見受けられます。車の性能上スピードが出てしまうのはやむを得ないことかもしれませんが、それをコントロールしてこそ上手なドライバーというものです。以前、東名高速で法定速度でゆったりと走るフェラーリを見たことがありますが、その時、”飛ばすだけがスポーツカーじゃない”と感銘を受けました。
他方で、一般道路で気になるのは交差点、殊に信号が黄色のときに”急げ”と言わんばかりに飛び込んで来る車です。青信号でも
「青なんだからいいじゃんか!」
と言わんばかりに飛ばしている車が多いですが、このようなドライバーは信号の意味を正しく理解しているのか甚だ疑問です。
「赤信号と青信号が意味するものは?」
との問いに、多くの人が
「赤は止まれ、青は進めでしょ。」
と答えるかと思いますが、これは誤りです。
赤は「停止位置を超えて進行してはならない」という意味で停止位置までは進めます。他方、青は「進むこと(直進、左折、右折すること)ができる(各信号色につき、道路交通法施行令2条1項。)」という可動性、すなわち、移動ができるということを示しています。
「細かくね?だいたい合ってればいいじゃん(・´з`・)」
と、お思いの方もいらっしゃると思います。では、①”止まれ”と”停止位置を超えて進行してはならない”、また②”進め”と”進むことができる”とはどう違うのか。身近な例で考えてみましょう。
まずは①の例について検討してみましょう。赤信号を、”止まれ”と命令形に解釈した場合、交差点に近づいている車は、いわば、『だるまさんが転んだ』と鬼が振り返った時のように急ブレーキをかけて止まることが必要となります。しかし、これには、”そんな馬鹿な”と思われるでしょう。
あるいは、車を運転される方は経験があるかもしれませんが、赤信号で停止線の手前で停車中の先頭車両を後続の原付や自動二輪車(いわゆるバイク)が追い越して停車している光景を見たことはありませんか。何気なくされている行為ですが、これはれっきとした信号無視です。すなわち、赤信号を”止まれ”と解釈すれば、バイクは停止線を超えているとはいえ交差点を通過したわけではありませんので問題はないでしょう。しかし、”停止位置を超えて進行してはならない”と規定する施行令に従えば信号無視となり取締りの対象となるのです。スピード違反の取締りに際し先頭車両が捕まる可能性が高いように、実際の取締りは警察官の裁量によることが多いです。でなければ、ほとんど車両が取締りの対象となってしまいます。”警察官の気分次第”なんて表現はしたくありませんが、場合によっては取締りの対象にもなり得ますので気をつけましょう。
②の例としては、たとえば、”信号無視による交通事故”を想定してください。自分が車を運転中(以下、加害者。)、信号無視をした自転車(歩行者でも可(以下、被害者。))が交差点に進入し接触事故を起こしたとしましょう。
このような場合、被害者が損害賠償請求をしてくることが想定されます。このとき実務家は、『赤本』と呼ばれるマニュアル本を用いて解決を図ります。このマニュアル本には、様々な事故のシチュエーションとその場合の過失割合がマニュアル化されており、実務家はこれを基に過失割合を決めていきます。これによると、交差点における信号無視をした被害者との事故の場合、加害者の過失割合は7割とされております(もっとも、個別事案により割合が変動することはあります。)。つまり、全体で100万円の損害が生じた場合、加害者は70万円の賠償責任を負うのです。
『なんで7割も払わなくちゃならないんだ!』
このように思われる方もおられるでしょう。たしかに一般論としては、明らかに被害者側が悪いのに加害者が賠償責任を負うのは納得できませんよね。
ここで重要となるのが、先ほどの”進め”と”進むことができる”との違いです。”進め”の場合は命令形ですので信号に従って進んだ以上過失が認められることはないでしょう。それこそ、
「オレは青だったから進んだんだ。アイツが悪い!」
との主張が可能となります。しかし、”進むことができる”の場合は運転手の裁量により進むか否かが判断されることになり、その判断の結果事故を起こしてしまえば安全確認が不十分であったと推定されるのです。
このような考え方は、自動車損害賠償保障法(いわゆる”自賠法”)3条にも表れています。同条は事故を起こした場合、原則として運転者に責任を負わせ、一定の事実(詳細は自賠法3条を参照)を証明した場合に限り免責を認めています。それだけ、運転者の責任は重いということです。
このような事故を起こした加害者は、
「だってこっちは青信号だったんだ。あいつが急に飛び込んできたんだよ。信号無視をしたアイツが悪いんだ。」
と言いたくなるでしょうが、そのような主張は通りません。ドライバーの皆さん、道路事情によっては青信号であっても、エンジンブレーキ程度の減速をして安全確認を心掛けるようにしましょう。特に裏道における自転車は、普段はあまり自動車が通らないことを知っているであろう地元住民がノンストップで走ることが当たり前のようになっています。ですので、そのような道路においては一度止まって安全確認をするくらいの気持ちで運転されることが望ましいように思います。
もっとも、制限速度で走ればよいと一概に言い切ることもできません。
私が教習所に通っていたとき、教官がこのような話をしてくださいました。
教官 「この前、路上教習で『ここは何キロで走る?』と聞いたら」
生徒 「30キロですね。」
教官 「と答えたんだ。たしかに道交法上の制限速度としては正しかったんだけどね。でも、車1台が通れるくらいの幅しかない道で30キロはどうなのよ。だから、『お前、この道を30キロで走るのか?この道幅の狭い道で。標識を見逃さなかったことは評価できるけど、状況に応じた速度で走りなさい。標識は30キロ以下としているんだから』。」
と注意したそうです。
たしかに、制限速度以内であれば上限でも適法ですが、果たしてそれが安全運転と言えるかは別問題でしょう。あるいは、ここで注意された教習生と逆の場合はどうでしょう。たとえば、ある程度広い道路で制限速度が40キロ以下の場合、極端な話、その道路では10キロで走行しても問題はないことになりますね。しかし、たとえ制限速度以内であっても10キロでは遅すぎますよね。道交法上では、片側一車線であっても車は前の車を追い越すことができますので(道交法30条柱書反対解釈)追い越せばいいとも思えますが、安全上の観点から2車線以上ない道路での追い越しは見かけません。となると、あまりにも遅い速度での走行は迷惑ですよね。道路の状況に応じて”出せるときには出す、止まるときは止まる”、要は、メリハリを付けた運転を心掛けるべきであると私は思います。
交通事故の中にはライトが原因となることもあります。しかし、ドライバーの心掛け次第で回避し得た事故も多いと私は思います。
更に言えば、自転車や歩行者のマナー違反も目に余ります。子供をおんぶした状態で平然と信号無視をする親御さんもいる始末。そういった方ほど、事故に巻き込まれるとドライバーを一方的に非難する傾向があるように思います。”信号は守る”、”車のすぐ後ろをむやみに通らない”、”車が来ていることを認識したら無理に横断しない”、こういった極当たり前のことを守れば事故発生率は下げられるのではないでしょうか。事故の原因が分かるとその過失者を非難する傾向がありますが、被害者にも責任の一端があることもあります。交通事故を減らすために必要なことは、ドライバーの安全意識向上だけではなく、街を行き交うすべての人々が安全意識を高めることが必要であると思います。
最後に、ドライバーの皆さん、普段、車を運転されるに際し事故を起こさないよう注意を払っておられるかと思いますが、夜間の運転の際にはより一層の注意を払って、事故を起こさないように気をつけましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。