つい今さっき、一昨日の夜に小料理屋で飲んだ、私が一応、兄貴と呼んでいる人から電話があった。別にその人が奢ってくれた訳でもないが、それでも私は大人だ。「先日は誘っていただいて、ありがとうございました」とお礼を言った。


実は、この人からの着信が今朝から何度も入っていたが、面倒だったので無視していたのだ。


それでも渡世の義理と礼儀ってことで電話に出たけど、開口一番、「俺さ、この前は記憶が飛んでてさ。何かお前に失礼はなかった?」だって。


あれから2日ですよ、2日!

本当に失礼を気にしているなら、翌日に電話するのが礼儀だろ!


そう思っても言わなかった。


何せ、兄貴は現在無職で、今までも職歴のない筋金入りのプロのニート。精神年齢は永遠の18歳のままだから、言うだけ無駄に決まっている。


更に話は終わらず、「あのさ、お前の彼氏の死因って胸の病気?」と、興奮気味に喋り始める。彼女の咳が続いていて、医者に診せたら咳喘息だと言われたらしい。それが今も長引いていて、私の死んだ彼氏の霊視をしたから、それが原因になっているかもしれないと思ったらしいのだ。


それって、彼が取り憑いて悪さしてるって意味?

冗談じゃねぇわ!

寝言は寝てから言わんかい!


カァーッとなったが、すぐに冷めた。

呆れて、脱力してしまった。


彼を悪霊呼ばわりして、どんだけ馬鹿なんだろう。もしかすると、知的障害が多少はあるかもしれないが、これで後数年で還暦を迎える年齢だ。それでも、この人に何の危機感も羞恥心もない。


おめでたい永遠の18歳も、いい加減にしてくれ!


私自身、少なからずこの人とその彼女には恩を感じていた。だから、落ち着いたらお礼に飲みに誘おうと思っていたけど、もう止めた。

ガブガブ飲まれて、場所を弁えず斬った張ったの武勇伝をやられても、私が恥ずかしい。

それに、それが癖になって度々誘われたり、集られても困る。


以前、私が飲みに行く道の途中で会って、どうしてだか、そのまま私が行く店まで付いて来たこともある。その時の会計は私だった・・・一言も誘ってないのに。帰り際に、当たり前のように笑顔で「ご馳走様でした」と言われた。


そんなこと、これまでに一度や二度ではない。


それを考えると、お礼する義理はないと思えて、感謝の気持ちも吹き飛んでしまった。