食について、日本について、いろいろと考えるきっかけになった本。
頭の中で何かが「カチッ」と音を立てた気がしました。
先日、レシピブログさまにご招待いただいて、「フードメディアフォーラム」 に参加させていただき、この本を書かれた南里空海さんのお話を伺うことができました。
「神饌」とは、日本の神社や神棚に供えられる供物、つまり神様が召し上がる食事のこと。
地域よっても異なるけど、基本的に神饌は1日朝夕の2回供えられるそうです。
こちらの本には、伊勢の神宮に毎日朝夕お供えされる神饌の写真が載っているのですが、それがもう清清しく美しく、おもわず息を呑みました。
お米や鯛、昆布や青菜、お塩や果物、お水・・・といったシンプルなものなのですが、それが言葉にできないくらいに美しい。
南里さんのお話をお聞きすると、伊勢の神宮では、これらの神饌は自給自足。
お米は神宮神田で、野菜や果物は神宮御園の畑で丁寧に作られていて、塩でさえも昔ながらの方法で作られ、焼き固められているのだそう。
気が遠くなるほどの手間がかかったお食事が、1500年もの間、毎日お供えされているなんて、知りませんでした。
こちらの本には他にもいろいろな神社で祭事の際にお供えされる神饌が紹介されていて、どれも本当に美しい。
地域によっても違うし、それぞれの神社にそれぞれの歴史があって、とても興味深いんですよ。
共通するのは、神様に美しく真心のこもったおいしいお食事を。というその心。
うまく説明できませんが、写真を見ているだけで胸にこみ上げてくるものがありました。
それにしても「神様でさえ食べ物を召し上がる」と思われているということは、やはり「食べ物」にはすごい力がある。ということなんじゃないだろうか。
食事を作るものとしては、真心を込めた食べ物の力を期待せずにはいられません。
真心をこめること、感謝をすること・・・我が家では神様ではなく、旦那と自分にしか食事を作りませんけど、そういう気持ちを忘れずにいたいと思います。
「食」とは何か。そして長年受け継がれている日本の良さも考え直すきっかけになりました。
こちらが、お話をしてくださった南里さん。
背筋のしゃんとした大人な女性なのに目はキラキラと少女のようで、すごく魅力的な方でした。
一般の方の目に触れることのない神聖なお食事は、写真を撮ることさえも大変だったそう。
プロフェッショナルって、こういう方のことを言うんだな。
こういう女性、憧れます!!
ちなみに「神饌」は、料理本のアカデミー賞と言われる「グルマン料理本大賞」(フランスで開催されていて、世界中の料理本8000冊が集まるのだそう。)のCULINARY HISTORY部門で3位。
日本の素晴らしい食の歴史が世界でも認められたのは、嬉しい。
レシピ本ではありませんが、ぜひ手に取っていただきたいな。
公演のあとは、交流会も。
フードメディアフォーラムは食に携わる方の集まりなので、お会いする皆さんに興味津々だった私。
ただの料理好きブロガーが言うのもおこがましいけれど、ここにいるみんなで日本の食を良いものにできるんじゃなかろうか。とワイン片手に興奮してました。
そうそう、ここの会場には、テーブルの上に鏡があって、こんなかんじで
料理を真上から見たように映ってました。
これ、デモンストレーションのとき、便利だな。
そんなこんなで、充実したイベント。
こんな機会をくださったレシピブログさまに本当に感謝。
ありがとうございましたーーー。
※ ELLE Onlineに、「フライパンで作るラム肉のローズマリー風味」→☆ をアップしました。(「ロゼバルサミコ」のコメントのお返事もさせていただきました。)
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