今日のお料理は、私が何度もトライし、その都度期待通りに出来ず不満を残していた一品です。それを１年半ほど前、これだ！これなら１００％満足！と言うものを作り、その時ブログでもご紹介しました。（その時の記事はこちら から．．．）
でも、それをご紹介した時点では、私、このお料理をカフェのメニューの１つに加えたいと考えていたので、レシピは公開しなかったのです。企業秘密ってやつね。
そのカフェもクローズしてしまいました。なので、私同様に日本でエゲレス人と国際結婚、または交際をされていて、市販のものが簡単に手に入らず嘆いているパートナーさんをお持ちの方に、ぜひお試しいただきたいので、今回はレシピを全公開します。
限りなくハインツに近いベイクトビーンズ & ポーク
とは言え、本家ハインツのベイクトビーンズは、最近コストコで６缶１パックになって売っているので、ベイクトビーンズ大好きな我が家も、わざわざ手作りしなくても良いので非常に助かっています。
ポークビーンズというレシピを料理本やネットでよく見かけます。このブログを読んでおられる方の中にも、ポークビーンズを作ったことがあるとおっしゃる方は少なくないと思います。
英語でハリコットまたはネイビービーンズと呼ぶインゲン豆（日本では大豆利用が一般的？）と、豚肉もしくはベーコンをトマトソースで煮る料理です。
ポークビーンズはアメリカを代表する料理の１つ。イギリスではこのポークビーンズと同様の調理法で、肉を加えず豆のみトマトソースで煮ます。これをベイクトビーンズと呼びます。
肉が入っているかいないかだけで基本は同じもの。ただ、ベイクトビーンズの方はスパイスの風味がより豊かなのに対し、ポークビーンズはモラセスやブラウンシュガーなどを加えるので、かなり甘口な煮豆です。
ところで、このハインツのベイクトビーンズや缶入りポークビーンズを、皆さんはお召し上がりになったことがありますか？食べたことがある方、家で作るベイクトビーンズやポークビーンズとはちょっと違う！と思われませんでした？
いずれのビーンズも、缶入りのもののトマトソースは透き通るようにスムーズで、まるでトマト風味のシロップで煮た豆、もしくは豆と肉です。
ところが、それを家で作ると、味は似ていてもソースが全然スムーズじゃない！トマトや玉ねぎなど、野菜が粒粒のまま残った、まるで豆入りミートソースかチリコンカルネ風になります。
私が何度も試作し、その都度、１００％満足できなかったのは、この点なのです！
どうやったら、ソースに野菜やスパイスの風味を効かせながら、且つ、透き通るようにスムーズでシロップのようなトマトソースで豆を煮ることが出来るか。これが毎回試作する度、私の課題だったのです。
１回目は こちら 。ソースをブレンダーで攪拌し、その上に裏漉しまでして豆を煮たけれど、缶入りの豆煮のように透き通るようなスムーズ感に欠けていました。
どうしてもベイクトビーンズをカフェのメニューに加えたかったから、裏漉しの手間を省く調理法を考えたくて、２回目は初めから裏漉したトマトを使って作ってみたの。（その時の記事は こちら から．．．）２回目は初回よりも酷い出来！
味はどちらもハインツに近い、いやそれ以上に美味しいのに、テクスチャーが違い過ぎる原因は、トマトや野菜を攪拌すること。仮に裏漉ししても、そこに豆を加えて煮ると緩いマッシュポテト状になってしまう。
そこで思いついたのが、即席デミグラスソース の作り方で、ケチャップ を作る時のようなスパイスバッグを使うこと。豆を煮る時間も短くしてみました。
また、ベイクトビーンズやポークビーンズのあの甘味は、トマトだけじゃないケチャップを使わないと絶対に無理ってのも食べてみて実感したので、これも新たに材料に加えました。
結果は、大成功！
工場で作る缶詰の豆にじゃないから、完璧に透き通るほどスムーズなソースにはなりませんが、自宅でここまで出来たら大満足！味も９９．９％ハインツのベイクトビーンズに近いものが出来ました。
今日はそのレシピをご紹介します。ベイクトビーンズを恋しがるエゲレス人パートナーのために、あるいは、エゲレス旅行の時、朝食に食べたビーンズを懐かしがっておられる方、ぜひ一度お試しくださいませ。
＜材料 ３～４人分＞
（スパイスバッグ）
たまねぎ、粗く刻む．．．小１／２個
ニンニク、包丁の腹で潰す．．．２かけ
ホールブラックペッパー．．．小さじ１
ホールクローブ．．．２本
ローレル．．．１葉
（トマトソース）
水．．．５００ｍｌ
カゴメトマトピューレ．．．１５０ｍｌ
ケチャップ、ブドウ糖を含んでいないもの．．．５０ｍｌ
白ワインまたは酒．．．５０ｍｌ
メープルシロップ．．．大さじ１
リー＆ペリンウスターシャーソース．．．大さじ１
粉マスタード．．．小さじ１
味の素固形コンソメ．．．２個
塩．．．適宜
みりん．．．大さじ１
（その他）
シチュー用の豚角切り肉、余分な脂肪を取り除き１ｃｍ程度の角切りにする。
オリーブオイル．．．適宜
水煮大豆．．．３２０ｇ
＜作り方＞
１．１００均の出汁袋にスパイスバッグの材料をすべて入れ口を閉じる。もう１枚の出汁袋に、スパイスを詰めたバッグを口の方から入れて同様に口を閉じる。（煮込んでいる間に野菜やスパイスが口から出てこないようにします。）
２．鍋に水からコンソメまでのトマトソースの材料を入れ火にかける。煮立って来たらスパイスバッグを投じ、火を極力弱めて蓋をし３０分煮る。
３．フライパンにオリーブオイルを熱し豚を炒める。蓋をして蒸し焼き状態にし、全体にこんがり焼き目がついたら、ペーパーの上に取り出し余分な油を切る。水煮大豆をざるに空けて流水で洗い水分を切る。
４．スパイスバッグを菜箸などでしっかり絞って取り出し処分する。鍋を再び火にかけて味見をし、必要に応じ塩で味を調える。豚と水煮大豆を加え、ここからは蓋をせず、中火で水分を飛ばしながらとろみがつくまで１５～２０分煮る。
５．みりんを回し入れ、さっと混ぜ合わせたら火を止め、蓋をして大豆に味を含ませる。
火を止めて豆に味を含ませている間に、豆が水分を吸い煮汁が少し減りますので、もう少しとろみが欲しいかなと思う時点でタイミングよく火を止めてくださいませ。
また、豚を使わず、上の分量の大豆のみで煮る場合は、スパイスバッグを取り除いてから、５分ほど中火でソースを煮詰めてから大豆を加え、１５分程度煮られたらよいのではないかと思います。
乾燥インゲン豆を戻して柔らかくなるまで茹でたもの、または缶入りやテトラパックに入った水煮のカネロニビーンズ（インゲン豆）を使う場合は、スパイスバッグを取り除いた後、先に豚だけ加えて１０分ほど煮詰めてから豆を加え、１０分程度で火を止めてくださいませ。
また、豚を使わずインゲン豆のみで煮る場合は、スパイスバッグを取り除いてから、１０分ほど中火でソースを煮詰めてから豆を加え、１０分程度で仕上げてください。大豆と違いインゲンは煮汁がトロトロになるので、煮過ぎに要注意です！
夕べはこのベイクトビーンズ＆ポークを載せた、ブリティッシュブレックファストな晩御飯にしました。
晩飯に食っても、腹いっぱいになるのにさぁ、エゲレス人、これを朝から食うんだよね。びっくりぽんだよ！
とか、エゲレス人の陰口叩いている私だけれど、これを朝食に作ったら、私も完食しちゃうんだから、びっくりポンポンだよね！
グリーンサラダの代わりに、 セロリシードドレッシングのコールスロー を作りましたが、これには二人とも一切手が出ませんでした。お腹いっぱいになったバイ！
今朝はこのビーンズの残りをレンチンし、トーストの上に載せて食べました。これがまた、旨いんだよねぇ．．．
ちなみに、温め直す時、煮汁が少なくなり過ぎていたら、牛乳を少し加え、お好みでバターとカレー粉をほんのひとつまみ加えると、また別の美味しさが楽しめますよん。
