以前、中近東版ファストフードと呼ぶに相応しいドナーケバブ をブログで紹介しました。今日ご紹介する料理は、まず手を洗うところを確保しないと食べれないドナーケバブと違い(笑)、挟む具はほぼ同じでながら、挟み方を少し変えたことで食べやすくしたサンドイッチです。


シャワルマ(中東風巻き巻きサンドイッチ)

和・美・Savvy Cooking

シャワルマ、アルファベットで綴るとSHAWARMAです。我が家ではSHWARMAと綴り、英語発音で"シュウォーマ”と呼んでいます。日本のレバノン料理のカタカナメニューを見るとシャワルマになっているので、ブログではシャワルマの名で紹介します。


その昔の私は、中近東料理を全く食わず嫌いでした!


英国留学中、なぜかどこへ行ってもアラブ系の男性にもててもてて仕方なかった私。しかもその男子達はどれもみなめちゃめちゃ濃厚な人ばかり!(怖)その彼らの濃さが食べたこともない中近東料理に重なり、どうしても躊躇しチャレンジ出来ませんでした。


その私が中近東料理に目覚めたのは旦那の影響です。義継父の仕事の都合で中近東に長く住んでいた旦那の実家。寄宿制の学校に通っていた旦那は、休みなるとイギリスから中近東の家族のところに戻り、そこで次の学期が始まるまで過ごしていたそうです。


幼少の頃に中近東の料理を食べその美味しさをよく知っていた旦那は、私の間違った考えを正してくれました。


そして今では旦那から、「あんたはアラブ人に生まれるはずだったのが、間違って日本人としてこの世に現れたんやね。」と呆れられるほど好きで、好きで仕方ありません。


中近東料理には、もちろんあの男子達同様にこってりしたものもあります。(笑)でも、クーラーの効いた建物から外に出ると、一気にめがねが曇ってしまうくらいに気温と湿度の高い国々です。あっさりした食べやすい、日本の夏にもぴったりの料理も数知れずあります。


数年前、夫婦でドバイに行きました。そこも旦那は子供の頃に過ごした土地。気温40度以上ある街をフーフー言いながら歩いている時、ふと旦那が、シャワルマを食べようかと言い、中近東版Mのマーク・ケバブ屋に連れて入ってくれました。


しかし店内はクリーンなイメージのMとは大違いで、狭苦しく、ラムやチキンの塊を焼くロティセリーの熱気で、外より更に高く蒸し風呂状態。テーブルは油でギトギト。椅子は腰掛けるのが躊躇されるほど埃っぽい。でも、出てきたファストフードは最高に美味しかった。


それが、シャワルマだったのです!


焼いたラム肉(どんな風に焼くかは、上のリンクのドナーケバブの記事参照)と、生野菜、ヨーグルト、フムスなどをピタパンの上に載せ、クルクルクルっと巻いたサンドイッチでした。


化け物サイズのドナーケバブとは違い上品で食べやすい。手巻き寿司感覚で2つ、3つは軽く食べれてしまう、激旨!超旨!すご旨!スナック。一度食ったらもうMのマークの雨版ファストフードは物足りなくて食えんっちゅうくらい、味もお腹も大満足!(爆)


このシャワルマをわざわざドバイまで食べに行かなくても、自宅で作ってしまおうと言うのが今日の私の記事です。


しかも、サンドイッチに使う肉は、ローストラムの残り肉か、日本人には臭いと言う間違った考えから人気のない、スーパーの閉店時間に決まって売れ残こり値下げするジンギスカン用のラムを使います。


まず、サンドイッチと言えばなくてはならないのがパン。そのパンはピタを使います。ピタは大きなスーパーでは売っていますし、紀伊国屋などではシャミと言うなの大判の中東のパンも売っています。


でもやっぱり自宅で手作りしてみたいと言う方は、先日私が研究に研究を重ねた上(爆)紹介した、"究極のピタのレシピ” を参考に、失敗なくフルにポケットのあるピタを焼いて下さい。


昨日は、でも、私はその究極のピタのレシピとは違うレシピで、ピタより二周り大きな、ベドウィンのキャンプで食べたフラットブレッドに似せたものを焼いてみました。


こちらの英料理家・ディリアスミスのHB用ピタのレシピ を参考にしました。以前このレシピでピタを焼いたら、ベドウィンのキャンプで食べたフラットブレッドにそっくりの食感だったので。


オリジナルレシピの粉の量は二人家族には多すぎるので、下記の通りに分量を調整しました。


中東風フラットブレッド


<材料 直径約20cmのフラットブレッド5枚分>

強力粉...300g
塩...小さじ1
バター...15g
水...190ml
イースト...小さじ1


究極のピタのレシピと違い、焼く当日にHBに材料を投入し生地コースを選択。生地が出来上がってからの形成(各直径20cmに延ばす)~焼成の仕方は究極のレシピを参照。

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もともとオーブンで焼くレシピをフライパンで焼くと成功率は80%でした。究極のレシピでは5枚焼いたら5枚とも全部風船のように膨らみましたが、こちらは5枚の内1枚は全く膨らみませんでした!火加減もかなり難しいし、膨らみ方も控えめです。

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サンドイッチの具のメインは肉。これは月曜日に焼いたローストラムの残りです。適当な大きさに切り分け、食卓に出す寸前にラップを軽く被せてレンジで1分温めました。

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スーパーで売っているジンギスカン用の肉を使う時は、塩もこしょうもせずシンプルにフライパンで焼きます。但し、これも輸入肉の例に漏れず、焼き出して1分も経つと"奇妙な水”がたっぷり湧き始めるので、その水をしっかり処分するようにしましょう。


どうしてもラムは駄目と言う方は、鶏のももや胸肉を細切りして焼くと良いでしょう。鶏肉はラムと違って風味がないので、軽く塩こしょうをして焼いた方が良いかも知れません。


シャワルマのソースに関しては、この方面の料理に詳しい人が見たら邪道だと、私は叱られてしまうかもしれないけれど、この手のサンドイッチを何十回と自宅で作った我が家には独自のソースが2つあり、今日はその2つのソースのレシピを紹介します。1つめは...


チリトマトソース

<材料 カップ約1杯・4人分>

シャルロット、細かく刻む...大1個、または細かく切ったたまねぎ小1/2個分
にんにく、スライス...大1かけ
唐辛子、種を抜き刻む...1~2本(好みの辛さで。私はハバネロを使用!驚)
トマトピューレ...200ml
白ワインビネガー...大さじ2
クミン...小さじ1
コリアンダー...小さじ1
塩こしょう...適宜
味の素...適宜


シャルロット(または、たまねぎ)、にんにく、唐辛子を炒め、そこにトマトピューレ、スパイス、調味料を加える。煮立ったら火を弱め蓋をし5~6分煮る。好みで粗熱が取れてからバーミックスなどで攪拌しスムーズなソースに仕上げる。

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そしてもう1つ、チリトマトソースを忘れてもこのソースは絶対忘れちゃいかん!と言う、シャワルマやドナーケバブに我が家では不可欠なソースがこれです。


ヨーグルトソース

<材料 カップ約1杯・4人分>

グリークヨーグルトまたはナチュラルヨーグルト...150ml
レモン汁...大さじ1.5~2
摩り下ろしたにんにく...大1かけ分
ミントの葉のみじん切り...大さじ1~1.5
塩こしょう...適宜
味の素...適宜
オリーブオイル...小さじ1(グリークヨーグルトを使う場合のみ)

材料をすべてボウルに入れ混ぜ合わせるだけ。

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これでシャワルマ用のソース2つも出来上がりました。あとは肉やソースと一緒に挟む野菜を準備するだけです。

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野菜は通常、刻んだレタスやたまねぎ、きゅうりやトマトなど、好きな生野菜を挟めば良いです。でも、昨日は、久々のシャワルマだったので、野菜にもちょっと手を加えてみることにしました。


イギリス人的ケバブの食べ方は、こってり派の私の目から見てもゲロく、ただでもこってりのラム肉にチリソースをかけ、さらにその上にマヨネーズでドロドロのコールスローを生野菜と一緒に挟んで食べるんです。


コールスロー大好きだし、自他共に認めるマヨラーの私ですが、あれは正直彼らの味覚を疑いたくなるキモい組み合わせの食べ方です。(爆)


そこで、今回は私が同じコールスローでも、マヨネーズを使わない最高に美味しく、最高にさっぱりのコールスローを作って挟むことにしました。


このコールスロー、実は、うちの近所のメキシカンレストランものにヒントを得て作りました。シャワルマやケバブのフィリングとしてだけじゃなく、普段の食卓にサラダな一品としても是非お試しください!


セロリシードドレッシングのコールスロー

<材料 3~4人分>

きゃべつ、千切り...1/2個
たまねぎ、薄く櫛切り...1/2個
塩...少々
にんじん...細いもの5~6cm
パプリカ、お好きな色のもの...1/2個

(ドレッシング)
オリーブオイル...大さじ3
白ワインビネガー...大さじ1.5
砂糖...小さじ1
セロリシード...小さじ2/3
粉マスタード...小さじ1/2
ブラックペッパー...適宜
味の素...適宜

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<作り方>

1.キャベツとたまねぎをボウルに入れ、塩少々をふって混ぜ合わせる。そのまま10~15分置き、しんなりしたら手でしっかり水気を絞る。皮を剥きマッチ棒状に切ったにんじんと、種を抜き薄くスライスしたパプリカを、水切りしたきゃべつとたまねぎのボウルに加える。

2.ドレッシングの材料をすべてカップに入れとろみが出るまでよくかき混ぜる。1のボウルに加えよく混ぜ合わせる。(塩はきゃべつとたまねぎをしんなりさせるのに使っているので、必要なら加える程度で十分です。)


これでシャワルマに挟む肉も、ソースも、そして野菜も、全て準備完了です!

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あらかじめ巻いたものを食卓に出せばよいんですが、"手巻き寿司感覚”と上で述べた通り、夕べは食卓で各々に好きなだけ具を入れ巻き巻きするようにしてみました。

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ピタの上に具やソースを載せ巻くだけで良いのですが、中近東にうるさい旦那は、子供の頃近所のケバブ屋がしていた通りに巻かないと気が済まないみたいで、その巻き方をここでご紹介したいと思います。


まず、ピタパンに包丁を入れポケットを開けます。この時、ピタパンを上下完全に切り離してしまわないように、半円周だけ包丁を入れます。

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私は写真に撮った時に分かりやすい様にする為、かなり外側に具を並べていますが、上で開いたポケットの奥に、ラム肉、野菜、ソースを詰めます。たくさん詰めたい気持ちは分かりますが、具やソースはピタパンの1/3までにとどめておいて下さい。

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あとは具の入った部分を芯にし、クルクルと巻けば出来上がりです。

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私はもうあと半分くらい食べれそうな気はしたけれど、1個だけ食べて、足りない部分はサラダで補いました。一応万年ダイエットの人だし、私。(滝汗)でも、旦那は2本ペロリと。さっすがに夕べは旦那も夜食には手を出しませんでした。(爆)


味?そんなもん、旨いに決まってますやん!旨すぎて、旨すぎて、涙がちょちょぎれそうでした!


私は兎に角地中海料理が大好きなので、この方面の料理をブログにするとついつい熱が入り、延々と記事を書き綴ってしまいます。それでも、1つのブログでは書き足りないんですよ。家事もそっちのけで、もっともっと詳しく書きたいくらい。


私がそこまで熱を入れるほど美味しいんです。レシピを3つも4つも1つのブログに収めると、すごく難しい料理のように錯覚してしまいますが、1つ1つは簡単なものばかり。ぜひ一度作って、メディタリーニアンな味をエンジョイしてみてください。


ところで、上の食卓の中で、1つ、ご紹介していない料理があります。この鮮やかなグリーン色の一品です。

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一体、それはなんやねん?と思われた方、この料理に関しては明日のブログで別途ご紹介いたします。これは我が家の新しい味なんですが、これからしょっちゅうリピートしたいほど美味しい一品です。

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