先日私が失敗作の手作りケチャップの写真をブログに載せたら、何人かの人が関心をもたれていたのには意外でした。


今月夫婦で日本に帰省するんですが、あの失敗作のケチャップは、ケチャップ大好きの父に、アメリカのトマトの味のするトマトで作った手作りケチャップを、お土産に持って帰りたくて作ったものだったのです。


もう一度市に出向いて安いトマトを買い作り直そうと思っていたのが、帰省の日程が来週9日と急遽決まったので、昨日の午後スーパーで買ったトマトであわてて作り直しました。今度は、大成功!!!


手作りケチャップ

クッキングリッシュの会

イギリスも日本同様にアメリカの食文化の影響を大きく受けている国だから、子供や10代20代の若い人は、ケチャップが好きでどばどばかけますが、年配のイギリス人の多くが、実はケチャップが好きではないんです。


その理由と言うのは、私が思うに、イギリスにはケチャップとは別に、モルトビネガーの風味が効いたブラウンソースと言うイギリス独自のソースがあるからです。


イギリスのカフェで朝食を食べる機会があれば周りの人を観察してみてください。若い人や私ら外人が卵やベーコン、ソーセージにケチャップをつけて食べている横で、年配のイギリス人はブラウンソースをたっぷりぶっかけて食べています。(笑)


うちの旦那もブラウンソース派です。私もケチャップはあまり好きじゃなくブラウンソース派なので、ハインツのボトルを1つ買うと、冷蔵庫の中に1年以上放置プレーになるくらい使いません。


でも...自宅で作るケチャップは別物です。旦那も私も大好き!


初めて作ったのは結婚してすぐの頃。新婚の頃は女は誰でも、“愛する人”の為に頑張って料理するものです。私もそうでした。レシピ本の中の料理を片っ端から作りました。それが私の場合エスカレートしてしまったのです。


旦那の為に作っていた料理は、いつしか自分の趣味に変わってしまい、どんどんと難易度の高い料理に挑戦し始めたのです。


その本の中で私にとって難易度かったものの1つに、ジャムやピクルスなどの保存食がありました。ケチャップの作り方もその保存食のカテゴリーに含まれていたんです。


その頃、うちはコッツウォルズ地方に近い田舎に住んでいたので、近くにはファームもあり、新鮮で美味しい野菜が安くで手に入りました。トマトもその1つです。それを買って来て失敗覚悟で作ってみたら、運よくケチャップらしくなりました。


1キロ以上あるトマトを3時間以上かけて調理し、カゴメの500g入りチューブほどの量が作れるかどうかの手作りケチャップですが、これが実に美味しかったの!


それから数回作くる内に、だんだん独自のやり方や味付けをしだしました。すると、ケチャップ作りから“他のもの”も同時に作れてしまうことを発見したのです。その他のものってのも、ケチャップに負けずに実に旨いのです。


毎週末、近所にファームの野菜や果物を売る市が立つのですが、そこで買えばもっと安いけれど、昨日は私その市が立つまで待てなかったので、近所のスーパーで完熟のトマトを2キロ以上買ったら、日本円にして2千円くらい支払う羽目になりました。

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旦那から、2千円のケチャップ!って笑われたけれど、味のない日本のスーパーのトマトで作るのじゃなく、アメリカの美味しいトマトで作ったケチャップを、少しだけでも日本にお土産に持って帰ってあげたくて奮発してしまいました。


作ってみようと思われる方は、まず激安の完熟トマトを手に入れてください。でなければ、味は少々マンネリでも、カゴメかハインツを買ったほうがずっとお得です!(笑)


<材料 500ml入り瓶1本強>

(スパイスバッグ)
ホールブラックペッパー...小さじ1
ホールクローブ...30~35本
オールスパイス...小さじ1
にんにく、スライス...2~3かけ
生姜、スライス...1かけ

トマト...1.5kg前後(へた、皮を含まない正味の目方)
シャロット、細かく刻む...大2~3個(またはたまねぎの粗みじん切り中1個分)
トマトペースト...大さじ3
白ワインヴィネガー...350ml
塩...小さじ1/2
ケイエンペッパー...少々
砂糖...300g

*オールスパイスはなければ、シナモンとナツメグをあわせて小さじ1でも良いかもしれません。ただ代用する前にオールスパイスの風味がケチャップの味の結構決め手となることをご念頭に!オールスパイスは炒飯に使っても、昔懐かしい炒飯の素の炒飯の味になり旨いので、買っても他に用途はあります。

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<作り方>

1.スパイスバッグを作る。スパイスバッグに入れる材料全てを出汁袋に入れ、しっかりと口を閉じる。(私は100均の出汁袋を利用。それでも2時間半以上の調理にしっかりと持ちこたえます。)

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2.トマトはへたを取り皮を剥いて、横に2等分、更に縦、横それぞれ2回ずつ包丁をいれた程度の大きさに切る。(ここでトマトの正味目方が1.5kg前後になるように調整。)

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3.砂糖以外の材料と1のスパイスバッグを大きな鍋に入れ火にかける。沸騰したら火を弱め、5mmほど隙間を開けるようにずらして蓋をかぶせ、約45~50分煮る。

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4.3に砂糖を加える。かき混ぜながら砂糖を完全に溶かす。沸騰したら火を弱め、ここからは蓋をせず、度々かき混ぜ焦げ付かないように注意しながら、1時間から1時間半煮る。(スパイスを入れた出汁袋を破らないように避けながらかき混ぜます。)

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ここで慌てすぎると、先日の私のケチャップのようにサラサラのものになります。
(先日は外出の予定があったのだ!言い訳...)


5.表面に浮いていた薄いサラサラの水分が殆どなくなり、全体に量が半分近くに減りジャム状となって、オレンジかかった赤色から濃厚なケチャップ色に変わってきたら火からをおろす。

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一番の目安は大きくかき混ぜた時に一瞬鍋底が見えるようになったら煮上がっています。

6.スパイスバッグを取り除き、5を裏ごしする。この時、目の小さすぎるふるいを使うとこし難いので、トマトの種が通らない程度の網のざるを使うと便利。へらかスプーンでしっかりを押さえつけながら裏ごしする。

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7.裏ごししたケチャップを別の綺麗な鍋に入れ、再度火にかける。沸騰したら火を弱め8~10分煮る。熱い内に
湯沸消毒した瓶に分け蓋をする。そのまま2週間~1ヶ月置くと風味が増し、他にない美味しい手作りケチャップが食べれるようになります。

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ところで、ケチャップだけじゃない“他のもの”も同時に作れると言ったのは、これのことなのです。


トマトチャツネ

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ケチャップを裏ごしした後に残ったかすです。オリジナルレシピではトマトの皮は剥かずにそのまま煮ていたのですが、そうすると裏ごしし難いんです。裏ごしし難いと出来上がるケチャップの量もどうしても少なくなる。


そこで、ある日皮を剥いて煮てみたら、裏ごしし易いのに残ったかすまでジャムのようになり、食べてみると立派なトマトチャツネであることを発見しました。これをチーズやハム、ソーセージなどと一緒に食べると美味しい!


トマトチャツネはケチャップを作ったその日に食べれるので、1ヵ月後、どんな味の手作りケチャップが出来上がるのか、これを食べながら想像してみてください。

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