昨日私はトライフルを作りました。と・つ・て・も・美味しかったのでご紹介いたします!


トライフルと言う単語を辞書で引くと、“くだらないもの”“つまらないもの”と、あまり良い意味は出てきません。


デザートのトライフルもこの単語の意味が示す通り、元々はお洒落なデザートではなく、日にちの経ったスポンジを、家にあるものと組み合わせ別のデザートに作り上げた、コッテージパイなどと同様、エゲレス人お得意のリサイクル料理だったのです。


昨日私が作ったのは、そのトライフルの原点に限りなく近い、残り物のスポンジと家にあるものだけを合わせて作ったトライフルです。


ミッドナイトブルートライフル
~真夜中色のトライフル~

和・美・Savvy Cooking

私ら学生時代英語の時間に、“晩ご飯”=“ディナー”と学んだけれど、エゲレス人の多くは晩ご飯のことを“ティー”と呼びます。ディナーはもっと特別なご馳走を作った時とか、レストランで食べる晩ご飯を意味します。


なんて晩ご飯をティーと呼ぶかは、前にもブログで書いたことがあるけれど、貴族のアフタヌーンティーに対し、庶民にはハイティーと呼ぶ、アフタヌーンティーの時間より数時間遅い夕方に、お茶を飲む習慣があったからです。


この庶民のハイティーには、甘いものだけじゃなくセイボリーなものも登場したらしい。つまり、晩ご飯ですがな。(笑)


恐らくセイボリーなものを食べた後に、ミルクティーを飲みながら甘いものを食べたんでしょな。現在でもエゲレス人家庭の多くに、普段のティー(晩ご飯)の後でも、プディングと称して甘いものを食べる習慣があります。


ちなみにプディングとは元々は蒸したデザートを意味しますが、エゲレスでは食後に食べる甘いもの(焼いたケーキなども含め)を、デザートともスイートとも呼ばずプディングと呼びます。


旦那の実家は長年世界各国で暮らしたせいか、エゲレスッ!と感じさせる家庭ではないのですが(笑)、それでも食後には子供の頃からプディングを食べる習慣があったのか、晩ご飯の後、甘いものがあると旦那は嬉しいみたいです。


私も甘いものは嫌いでも、デリケートな西洋のケーキは別格で大好き。(アメリカのケーキはNGだけど!爆)たまに晩ご飯の後1、2時間経ち小腹が空く頃に、ケーキが食べたいなと思っちゃうんだな。(笑)


今週の我家には食材だけじゃなく、ポテトチップス1袋もない状態!(苦笑)あれば全然食べたくならないのに、ないとなると、人間、欲してしまうもの。(笑)ここ数日夕飯後の小腹が空く頃になると、夫婦して、プディングが食べたいなぁ...と言い続けておりました。


なもんで、昨日は、今家にあるものだけで、なんとかしてプディングを準備しようと頑張ってみたのです。


材料に使えるものを探していたら、殆ど忘れかけていた、エゲレスから持ち帰ってきたトライフルスポンジが目に付いた!

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トライフルはエゲレスのお菓子。エゲレスにはトライフル用のスポンジってのが、普通のスーパーに普通に売っています。見た目はティラミス作りに使うスポンジフィンガー風ですが、あれよりもっと柔らかく、まさに日にちが経ってパサッとドライになったスポンジなのです!


スーツケースに入れて持ち帰って来たので箱がちょい潰れていましたが、中身は大丈夫でした。クリスマスに義妹が作ったトライフル 用に買って余った1箱を、要らないって言うからもらって来たのです。


もっと早くに使うつもりだったのが、賞味期限は先月初めで切れてしまっていました。(汗)まぁ、開封してないし、大丈夫っしょっ!?(汗)


このスポンジを使ってトライフルを作ることにしたのですが、トライフルにはフルーツかフルーツジェリーを入れなくてはならない。でも、うちに今あるフルーツって、ライム2個にレモン2個だけ!(苦笑)


そんな時思い出したのが、去年の夏、我家に庭でピックし冷凍してある雑草同然のブラックベリー。

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このままベリーで加えたのでは、冷凍したものは水っぽ過ぎてよろしくない。そこで、これを使ってジェリーを作ることにしました。


生クリームは幸い開封していない1パック(470ml入)が冷蔵庫にある。賞味期限も切れておりましぇん!(笑)


あと必要なのはカスタード。で、自分のブログのトライフルのレシピを確認したら、カスタード作りには卵が6個も要るではないかいな!(驚)


たまごはちょうど6個残っていた!でも、食材がなくて苦労しているkの1週間。今この6個の卵を全部を使ってしまったら、ますます献立案が限られてくるので、出来れば使わずに取っておきたい。


そこで取り出したのがカスタードパウダー。これなら卵不要の牛乳のみで作れる。エゲレス人の家庭には絶対にあるバーズのカスタードパウダー。エゲレス人家庭の我家でも、もち、常備!(笑)

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材料さえ揃えば、あとはこれらを1つの大きなボウルにまとめるだけでトライフルは出来上がる!


まずはスポンジ。横2つに切り分け、カット面にジャムを塗ってサンドイッチにします。去年の夏に私が作った、我が家の裏庭で採れたブラックベリー、りんご、洋梨、プラムで作ったミックスフルーツジェリーを塗ることにしました。

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スポンジフィンガーを代用する場合は、2つに折ってジャムを塗ってサンドイッチにすれば良いですよね。あと、カステラとかパウンドケーキの残ったのを代用してもよろしいかと。


そうそう、日本のスーパーのパン売り場には、デコレーションケーキ作りのスポンジが売っているじゃないですか。あれが最もトライフル作りには適していると思いますです。


ジャムを塗ったスポンジをボウルの底に敷き詰め、たっぷりのシェリー酒をふりかけます。お酒に弱い人やお子さんなどは、果汁100%のオレンジジュースを代用しても良いかもしれませんなぁ。

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底面になるスポンジの準備が出来たらジェリー作りです。


解凍した冷凍ブラックベリー(300g)と水(800ml)、砂糖(100~120g、または甘いのが好きなら150g位までなら美味しく作れます!)、チェリーブランディー(大さじ2、オプショナル)を鍋に入れて火にかけます。

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グツグツ沸騰してきたら火を弱め、鍋に蓋をせずに15~20分くらい、ブラックベリーが潰れるまで煮ます。蓋をしたら吹きこぼれて大変なことになるので、もし蓋をするなら、必ず目を離さずコンロの前で番人してくださいまし。(笑)


ブラックベリーは日本ではなかなか手に入らないとか...。冷凍のラズベリー代用でも良いのではないかと思います。または果汁100%のグレープジュースとかクランベリージュース、もしくはアセロラジュースなどを代用しても良いですね。


ブラックベリーが潰れるくらいまで煮たら、濾過用のネットか目の細かいざるで漉し、果汁のみ摘出します。(実は処分。)この時絶対に実をスプーンで押しつぶし、1滴でもたくさん果汁を摘出しようとしないでね。綺麗なジェリーが出来なくなってしまいますよん。

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果汁は恐らく700mlくらい摘出できるはずです。(私のジェリーは700mlの果汁で作っています。)熱い内に日本製マルハニチロのゼライスを2.5袋加えてよく混ぜ合わせ、バットなどに移し冷まします。

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ゼライスは1袋で250mlの液体が固められますが、その分量通りで作ると、トライフルに加えるジェリーとしてはちょい固すぎ。トライフルのジェリーはあくまでもトロンとしているのが美味しいので、ゼライス(またはゼラチン)は通常より少なめに加えるのがコツよん。


ジェリーが冷めたら冷蔵庫に入れて固めます。その間にカスタード作りです。


バーズのカスタードパウダーは少量の牛乳で溶き、熱々の牛乳をその溶いた粉に加えよく混ぜ、再び鍋に戻し沸騰したら出来上がりの簡単なものです。


でも、うちの旦那は生クリームとカスタードだけは絶対に譲らない民族・エゲレス人でしょう。(笑)うちで飲んでいる低脂肪牛乳で作った粉カスタードと分かると、せっかく作ったトライフルを食べないに違いない!


そこで、数週間前に賞味期限が切れかけ慌てて冷凍したHalf &Halfを解凍し、牛乳の代わりに使うことにしました。見た目は卵で作るカスタードと全く同じでしょう!

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日本にまだ住んでいた3年前、このバーズのカスタードパウダーに似たような、こんな商品を使ったことがあります。日本製のカスタードパウダーで作る場合は、牛乳600ml分のカスタードをご準備くださいませ。

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さて、いつもはトライフルを作ると言うと、ジェリーは別途固めずにスポンジの上に流しいれて固めるのですが、今回はちょっと趣向を変えて別途固まらせたので、重ねる順番も変え、スポンジの上にまずカスタードを流しいれました。


そのカスタードの上に固めたジェリーを重ねるのですが、決してバットから抜き取り、形良く均一に包丁で切ろうなんてしないで下さいましぃ。


トライフルはオサレなデザートではないのです。口当たりの良いジェリーは、角張っていないちょいグチュッとした食感のもの。スプーンでアトランダムなサイズに掬い取ってカスタードの上に広げませう。

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生クリームを8分立てにしジェリーの上に重ねます。絞り出しても良かったのだけど、面倒だし、そのまま広げて菜ばしの上の部分を利用し、中心から外に向かって渦巻きを描いたら、結構見かけよくなりました。あとは冷蔵庫でキンキンに冷やすのみ。

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ミッドナイトブルー!ブラックベリーの色はまさに真夜中色です。赤いラズベリーやストロベリーで作るトライフルも可愛くて好きだけど、真夜中色のトライフルは大人の雰囲気一杯で、エロチックでさえある!(笑)

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ちなみに苺を使って、スポンジから焼いて作る私のトライフルのレシピは、こちら からです...


でもね、トライフルはお客はん用に作る時は、可愛いグラスの器がいくつかあれば、一人用で作った方が見た目が美しい。トライフル用のボウルでまとめて作ると、取り分けた時の姿が、これでんがなぁ!(滝汗)

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しかし、味はすんげぇ~美味しかった!


スポンジは市販のもの、カスタードはパウダー利用。いつも通り美味しく出来るかなぁって心配だったけれど、いつもに増して美味しかった。


その理由はやっぱりジェリーね。混ぜて冷やしたら済みのジェリーの粉や、ジュースにゼラチンを入れて作るものと違い、ベリーを煮るところから作ったジェリーでしょう。味が全然違います。


まだあと1キロ以上ブラックベリーが残っているので、次回来客の時、デザートにこのミッドナイトブルートライフルを作りたいと思います。大うけ間違いなし!


昨日作ったトライフルはあとまだ半分以上残っています。なので、今晩も晩ご飯の後にプディングがいただけますワン。(嬉)