ボブ・ディランの『はじまりの日』だ。

ボブ・ディランの『FOREVER YOUNG』という曲の和訳に絵をつけた物なんだけど、それを読んで僕はこれまで大きな勘違いをしていたことがわかった。
「FOREVER YOUNG」という題名でこの曲は、大人になった男が「俺は歳はとっても気持ちはいつまでも若いぞ」と言っている歌だと勝手に思っていた。
でも本当は自分の子供のために作った曲だったのだ。
その歌詞のひとつひとつが本当に素晴らしい。
偏屈で頑固な詩じゃない、ただ子を愛するお父さんの詩だ。
「FOREVER YOUNG」という言葉を「はじまりの日」と訳されているところも大きく温かく感じられた。
この素晴らしい和訳をしたアーサー・ビナードさんは「アメリカ産まれの日本語の詩人」だそうです。
きみが 手をのばせば
しあわせに とどきますように
まわりの 人びとと
たすけあって いけますように
星空へのぼる
はしごを 見つけますように
毎日が きみの はじまりの日
きょうも あしたも
あたらしい きみの はじまりの日
やくそくを まもって
うそをきらいますように
このひろい 世界が
きみの目に 光りますように
背を まっすぐのばして
いつでも 勇気がもてますように
毎日が きみの はじまりの日
きょうも あしたも
あたらしい きみの はじまりの日
きみの手が ずっと はたらきつづけますように
きみの足が とおくまで 走っていけますように
流されることなく
流れを つくりますように
きみの 心のうたが
みんなに ひびきますように
毎日が きみの はじまりの日
きょうも あしたも
あたらしい きみの はじまりの日