突然、現れたてっちゃんは
「あの時、電話に出た人を好きになった。ごめん」
と言った。
逃げるように去るのではなく、
けじめをつけたいと思ったのはてっちゃんらしい。
「瑠美ちゃんが俺に求めてるのが何なのか、よくわからなくなったんだよ。
会いたがる割には会ってもどこか冷めてるし。
クルマに乗れなくて、瑠美ちゃんに会えない間に彼女と知り合った。
彼女から付き合ってって言われてたけど、俺には瑠美ちゃんが居たからさ。断ってたんだよ。
それでもしつこく誘われて悪い気はしなくて・・ついあの日、一緒に飲んじゃった。
飲んだらもうここへは来られないってわかってたから、結局、彼女と飲み明かした。でも、何もしてないよ。
次の日、瑠美ちゃんに謝ろうと思ったんだけど・・
責められるうちに、瑠美ちゃんが何を求めてるのかわからないなぁって。
それで瑠美ちゃんに会うより彼女に会う方が楽しいって
思ってる自分に気付いたんだ。彼女と付き合おうと思う。
ごめん。」
てっちゃんの言っていることは全部、よく理解出来た。
彼は浮気をしたわけでも二股をかけていたわけでもなく、
私を愛していなかったわけでもなかった。
私のせいで愛が冷めただけなのだ。
裏切るような男と恋愛していたのではないということが救いだった。
この時も好きな人とのお別れを悲しんだというより、
思い出を慈しんで泣いた。
本当に愛し、愛されるということに憧れたまま、
また、寂しい生活に戻るのだと思うと憂鬱だった。
なのに、その翌日。
新しい出会いが待っていた。
それこそ、運命?と思うような偶然の出会い。