「もしもし」
聞き慣れた声。
「もしもし、瑠美ですけど・・・」
「え?」
「瑠美です。」
「ああ・・・」
「電話番号、変わってなかったんだね。」
「ああ、メールは変えたけど」
「電話番号が出て来たから、かけちゃっただけ。ごめん」
「ああ・・・」
「じゃあね。」
「ああ」
電話しなければ良かった。
縁を切ったのに電話をするのはおかしい。
少しも迷わずに電話した自分をもう一人の自分が驚愕の面持ちで見ていた・・・
そうだった。縁を切ったんだった。
私はショック?を受けているのだろうか?
わからない。
悲しみとか寂しさとかよくある辛い感情とは違ったけど、
この時は電話なんてしなければ良かったと死ぬほど後悔した。
そして、直後に
今のはなかったことにしよう。
という結論に達した。
なかったことなのだから、この事を誰にも話すまい。
だから、私はこの事を誰にも話していない。
ひと時の気の迷い。
寒すぎて、脳みそが凍りかけてたんだね、私。
なんて思いながら帰った。
