ある時、トシくんとテレビ電話をしてみた日。
画面にうつる私は太って醜くなっているのに、
「綺麗になったな」
トシくんはそう言った。
その日の私は、だぼっとしたサマーニットを着て、
いかにも”おばさん”だったのに。
トシくんの言う綺麗はきっと、
しっかり生きてるね
という意味だったのだと今考えれば簡単にわかる。
しっかり生きて欲しいと思ってくれていたのに、
私はダメだった。
トシくんはいつでも私の味方。
だんだんと当たり前になって、
だんだんと依存していく・・
それでもトシくんは受け止めてくれると
本気で信じていた。
寝ても覚めても恋しいとか、
トシくんのことばかり考えるとか、
そういう恋愛みたいなのではなくて、
私に辛いことがあった時や
寂しい時、苦しい時はいつでも
トシくんが相手をしてくれるはず。
「瑠美、大丈夫だよ。俺が居るから。」
そう言ってくれるだけで良かったんだけどな・・
香奈にもいつも自慢してた。
「私にはトシくんが居るから、何があっても一生大丈夫なんだ~」
「トシくんは私の事をものすごくよくわかってるから、
欲しい時に欲しい言葉がちゃんと出てくる口を持ってるの」
なのに、
私が依存するにつれ、トシくんの口はなかなか開かなくなっていく。
前はこんな風に言ってくれたじゃない?
前はこんな時に電話してくれたじゃない?
心の中でトシくんを責める自分との闘いが始まった。
彼氏でもないのに、責めるのはおかしいのだということだけは
自分でもわかっていたから、必死にこらえた。
必死にこらえるから、心に無理が生じる。
ネガティブに染まった心は
ネガティブにしか感じることが出来なくなる。
ある時、香奈が発した一言から
私は自分との闘いに敗れた。
悪夢のような日々が始まったのは
去年の春のこと。