こんにちは。
最近、試作のことばかり、ブログに紹介しております…。
量産の仕事は、なかなか際立った成果を作り出すことができず、低空飛行の毎日です(笑)。
今日の試作は、企画が立ち上がった当初から、苦戦が想定されていたものでした。
表面の筆記体のアルファベットのポイント(=文字の大きさ)が4ポイント…。
茶色の容器に、黄色の印刷…。
アルファベットでの4ポイントというと、小文字においては、2ポイントの大きさですから、1mmよりも小さいです。
その極小の文字において、解読できるほどの鮮明さを確保しつつ、バーコードの塗りつぶしも同時に印刷するというのですから、相当な工夫が必要です。
幸いなことに、白色インク1色の印刷でしたので、添加剤などの追加による色味の変化が少なく、無事に1つ目のハードルをクリアしました。
次のハードルは、茶色の容器への黄色の印刷です。通常の黄色インクは、透明度が高く、容器の地の色が透けてしまうので、地の色が濃い場合は、なかなかに難しいものです。
しかも、今回のターゲットの黄色は、瀬戸内レモンイエローのような、少し緑味のある黄色です。
美しい色ですが、インクの配合では、苦戦されるものです。
メインの色味は、白色と黄色ですが、ごくごく少量の青色か緑色の追加が想定されます。
弊社で使用しているインクでは、緑色(791草)と紫色(821紫)は、特に顔料の強さが際立っていて、ごく少量でも、強い反応が起こります。
今回のターゲットの黄色のインクを作るにあたり、白色インク50gと青色インク1gでの、「水色インク」を準備しました。
たとえば、100gの黄色インクに、青味を加えようとして、0.1gの青色インクを追加したときに、青味が強過ぎで反応してしまったら、100gの黄色インクを200gに増やしたりすれば、青味は弱まります。
ただそれは、黄色インクの100gに対して、0.05gの青色インクということになりますが、0.05gというような少量のインクの計量では、誤差が大きく発生するものです。
だからといって、200gのインクを使ってしまったら、大量の無駄が発生します。
そういう時に活躍するのが、あらかじめ作成しておく「薄めのインク」です。
今回の50:1の水色インクを使えば、このインクを1g使うことで、約0.02gの青色インクを使うことと同じになります。
この方法を活用する前は、今回のような薄い色の調色で、大量のインクを無駄にしていました。白色や透明インクなどを、大量に投入して、色味を薄めることをするのですから、テイクごとに100g単位でインクが無駄になっていました。
少し黄色味が強めの色味ですが、容器に印刷をすると、後ろからの光を受けて、相当に透けますから、これくらいの色味で印刷してみます。
新商品なので、公開できないのが残念なのですが、なかなか美しい黄色が発色しました。
今回のレシピは、テイク2で、良い色が出ました。
インクの調合の前の段階の、濃い色の容器への印刷のための準備もあって、ほぼほぼ狙い通りに、色が発色しました。
狙っている色味に向けて、狙い通りの発色をするレシピを導き出すためには、普段から色について意識を高めておかないと、調色は苦戦するものです。
職業病ですが、色を見ると、その色に、どんなインクが、どれくらいで配合されているのか、レシピが天から降りてきます(笑)。
いつもブログにお越しくださり、ほんとうにありがとうございます。