濃紫色の調色 | おおはしひろと

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こんにちは

たいへんに更新が遅くなってしまい申し訳ありません。


緊急事態宣言が東京都などに発令されていることで、騒然としておりますが、こちら千葉県佐倉市は、穏やかな毎日です。


世の中の需要が大きく変化しました。私が勤める印刷工場で扱っている品物も、使われなくなったものも散見されます。


外出することが減り、マスクを着用することが多くなったので、化粧品や肌のメンテナンスをする薬品など、注文が少なくなりました(泣)。


仕方ないことです。新しい需要を見出して、仕事に結びつけようと思います。


昨日、新商品の試作をしました。


<テイク1>


ほとんど黒色に見える「濃紫色」。


この色味は、かなり難しいと想定されます。理由は、黒や紫のインクが、1種類ずつしかないからです。


黄色や紅色は、色味の微妙な違いのインクがあり、ターゲットに近づけるために、組み合わせができます。


ところが、黒色にもいろいろな種類があるのに、単純に「黒味を強くしよう」と思って、黒インクを追加すると、期待している黒味の強化にならないことが多いからです。


今回も、紫と藍と朱で色味を調整しておいて、黒で近づけようという作戦だったのですが、ある一定の黒味を超すと、黒インクに配合されている「黄色味」が出てきてしまって、「濃紫」から遠ざかってしまいます。


<テイク2>

紫と黒とで比較して、黒が「黄色味」を帯びているように見えるのは、私だけかもしれませんが、いずれにせよ、ターゲットの色味から遠ざかってしまっています。

テイク1の色味を、黒インクを使わずに、濃い色味にする方法は?と、真剣に考えましたが、なかなか良い方法が思い浮かびませんでした。

おそらく、マット系(=非透過系)のインクを追加すれば、発色が強化されて、濃く見えるようになると思うのですが、マット系のインクは、白色と黄色と紅色しかないので、今回の色味では難しそう…

今回は、インクで濃くするのではなく、印刷の盛りを高くすることで、発色を強くすることにしました。


透明な平面のスキージーを、白色の剣先型スキージーに変更し、熱盛りの印刷にしました。

<テイク3>

無事にターゲットに近づき、試作品を完成させることができました。


使用したインクは、どれも黒にしか見えませんが、それぞれ、微妙に紫色味や黄色味が出ています。

お客様の希望にお応えできるよう、全力で仕事をさせていただいております。

いつもブログにお越しくださり、本当にありがとうございます。