イタリアの日常に隠れた芸術 | のらねこ農民放浪記

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ゆらゆら、ふらふら…毎日をほろ酔い気分に過ごすナチュラルでスローな生活を夢見る野良猫ファーマーの日常エッセイです。大好きなワインのことから緑に包まれたトスカーナの山村、第二の故郷、シチリア島…などなどランダムに更新。

チョット前ですが、ピサの町を散歩してたとき、あるナンの変哲もない銀行前を通りかかった際に
「おや」? と思わず足を止めてしまいました。


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すっかり銀行の窓化しているアーチですが、柱頭がとってもレトロな感じがして…

柱頭の下を見ると…

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おお~ 紀元3世紀ローマ時代の柱頭ではないですか!

当時のローマ神がモチーフです。


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こっちが、ジュピウス、ミネルヴァ、マーキュリー、ヘラ (写真ではそんないるように思えないけど)


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んでもってこっちが、アルポクラテス、イシス、セラーピスにケレス神。

とっても興味を惹いたのがこの2番目のやつ。4人の神様のうち3人までがプトレマイオス朝時代に由来するエジプト起源の神様達です。

この時代を境としてローマ帝国はそれまで受け入れてきたエジプトやギリシャ起源のヘレニズム系、地中海系文化を脱していくことになり、この神様達も時代とともに古代ローマから消え去っていく運命をたどったわけなんですよ。

ま、ヒトコトで言うと古代ローマは地中海文化なしでは発展できなかったわけですが、これを証明するような遺跡が街中のただの銀行にある というとが一番オドロキかもしれませんなあ~

ただ単に歩いているだけでも発見できる古代芸術…けっこうあるんですよ、これが。

日常的に触れる古代遺産…これイタリアの醍醐味のひとつかもしれません。