「海にいる!」イワシのパスタ | のらねこ農民放浪記

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ゆらゆら、ふらふら…毎日をほろ酔い気分に過ごすナチュラルでスローな生活を夢見る野良猫ファーマーの日常エッセイです。大好きなワインのことから緑に包まれたトスカーナの山村、第二の故郷、シチリア島…などなどランダムに更新。

…って、言うと「何それ?」って感じですが、

シチリア島、特にパレルモの安トラットリーアや超コテコテパレルモ家庭で時々お目見えするパスタです。

「パスタ・コン・レ・サルデ (イワシのパスタ)」は、シチリア島の代表的な郷土料理として有名で、まあ観光客が行くレストランには定番としておいてあるのですが、

ツウはやはり一足進んで「パスタ・コン・レ・サルデ・ア・マーレ」…訳すると「海にいるイワシのパスタ」です。

これは、レストランのお上品で本格派「イワシのパスタ」

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ちなみに超コテコテなパレルモ流ならば、パスタはブカティーニ。それもサフランで茹でて黄色くするのが伝統です。

イワシの風味が楽しめるから個人的にはサフラン抜きのほうが私の好みですが、
フェンネルの葉の部分やサフランを豊富に使用するのは「あまり新鮮でないイワシ」を調理した一昔前の主婦達が臭み隠しのために使用した流れなんだそうです。漁師妻の知恵だったんですね。

このパスタにかけるのはチーズではなくローストしたパン粉です。
レストランでこれ注文して「チーズください」はNGですよ~。


そして、こっちが「海にいるイワシのパスタ」

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どこが違うかといいますと、「イワシが入っていない」ということです(笑)。

「海にいる」つまり、「ここにはいない」= 「イワシ抜き」 ということ!

フェンネル、松の実、ガーリック、干しブドウと濃縮トマトペーストがベースとなるソースは独自の香りと味でイワシなしでも十分満足できるのです。
ま、イワシが入ってたほうがゴージャスだけど時期や天気によってはイワシが手に入らなかったこともありますからね。

昔、イワシ不足の安食堂でイワシのパスタのメニューに手書きで「ア・マーレ」と付け加えちゃったりしたのがそのまま違う種類のパスタとして命名されたようです。

「イワシなし」パスタより「海にいるイワシ」パスタと呼ぶほうが同じものでもなんとなく美味しさまでちがってくるような気がするじゃああ~りませんかあ~?