消費者心理とマーケティング-時間の制約下での消費者の選択No2 (エグゼクティブ・サマリー)-
消費者心理とマーケティング -時間の制約(time constraints)下での消費者の選択No2 (エグゼクティブ・サマリー) -として、時間の制約と消費者の選択No2を取り上げます。
忙しい方用に、エグゼクティブ・サマリー(参照文献などは本編に載せます)を別途記述しています。そして、本編に関しては記述が終わり次第更新します。
《エグゼクティブ・サマリー》
前回の記事
で時間的な制約がある場合は、消費者は(1)情報検索の程度が減少、(2)ヒューリスティックな判断
を行う傾向が強くなる、(3)商品・サービスのユニークな特徴のみに頼った意思決定をしやすくなるという特徴を扱いました。
今回は(1)ヒューリスティックな判断のひとつである価格による製品品質の推定、(2)消費者の関与の程度という現象と時間の制約の関係を取り上げます。
1.基本概念
(1)価格によるヒューリスティック
消費者は良く知らないブランドを見た時に価格が高い商品を品質が良いと判断する傾向があります。ただし前提条件としては、消費者が情報処理
(熟慮)を一生懸命しないことです。
(2)消費者の関与の程度
消費者の関与の程度が高い場合は情報処理
(熟慮)を一生懸命すると思われます。関与とはその商品に対する意識の程度と考えて下さい。関与が低いと情報処理(熟慮)するモチベーションが下がります。情報処理(熟慮)するモチベーションが低いケースではヒューリスティックな判断が行われる傾向が高くなります。
(3)時間の制約(time constraints)
時間の制約がある時は、全ての情報を処理するのではなく、重要ではない情報の処理は行わない傾向があります。つまり意思決定に重要な商品・サービスのユニークな特徴のみに頼った意思決定をします。
2.Suri と Monroeの研究 (2003)
(1)消費者の情報処理(熟慮)に対するモチベーションが低いケース
(a)時間的制約が低いケース
ヒューリスティックな判断が行われやすくなる(値段によって品質を推定)
(b)時間的制約が適当なケース
(意思決定に余分な情報が省かれるので)よりシステマティクな情報処理(熟慮)が行われやすくなる(値段に惑わされない正確な判断)
(c)時間的制約が低いケース
ヒューリスティックな判断が行われやすくなる(値段によって品質を推定)
(2)消費者の情報処理(熟慮)に対するモチベーションが高いケース
(a)時間的制約が低いケース
システマティクな情報処理(熟慮)が行われやすくなる(値段に惑わされない正確な判断)
(b)時間的制約が適当なケース
-
(c)時間的制約が低いケース
ヒューリスティックな判断が行われやすくなる(値段によって品質を推定)
皆さんは時間がなくて急いでいる際、どのような基準(値段、ブランド名など)で買う・買わないという意思決定をしていますか?コメントを下さい!!
詳細は次回の本編で扱います。
詳細は明日の夜に更新します。心理学のお勉強(帰属過程:Attribution theoryNo2)の更新は明日の午前中の更新予定です。
心理学のお勉強(帰属過程:Attribution theoryNo2)の紹介
人間は日常の出来事に対して、なぜ起こったかという原因の究明を行います。その原因究明の仕方に関する理論が帰属過程の理論(Attribution theory)です。第2回目はバイアスのかかった帰属です。
《お願い》
皆さんの実例があると、わかりやすく内容も発展しますので、皆さんの実例やコメントをどんどんお待ちしています!!下記コメント欄からお気軽に書き込んでください。