心理学のお勉強(社会心理学)No2- 情報処理 -
心理学のお勉強(社会心理学)No2- 情報処理 -
心理学の基礎知識を簡単に説明後、応用例(なぜあれほど多くの人が亀田興毅選手の勝ちを予想していたのかなど)を扱います。
今回取り上げる内容は、外部の情報(例、テレビCM)をどのようにして人間は記憶に留め、意思決定(例、広告の商品を買うという意思形成)まで持って行くのかという内容です。応用以外は全てIntroduction to social psychologyを参考にしています。
1.刺激→知覚
外部からの刺激(例、テレビCM)ははじめに人間に知覚されます。
つまりテレビCMに気付く段階です。
2.知覚→コード化
知覚された情報は記憶されるにはコード化される必要があります。
3.コード化された情報→記憶
コード化された情報は記憶に貯められます。
テレビCMの内容が記憶に留められる段階です。
4.記憶→意思決定
記憶の中の情報は知覚された情報(記憶と通らずに)と合わさって意思決定がなされます。
つまり、CMの内容と過去のその商品に対する知識によってその商品を今度、買いに行くかを決めます。
ポイントは外部からの刺激(ここではテレビCMの情報)全てが、知覚され、コード化されて記憶に入る訳ではありません。それぞれの段階でそこを通過できる情報の選択が行われています。それには既に記憶されている過去の知識などの影響を受けます。過去の知識や自分の先入観に上記の情報処理は大きなバイアスを受けます。
《応用》
(1) なぜあれほど多くの人が亀田興毅選手の勝ちを予想していたと思いますか?
確かにマスコミが一方的な提灯記事を掲げたことも要因の一つですが、私はマスコミの提灯記事に多くの人が載せられて「亀田選手」を本当に強いとの先入観を持ったことも大きな要因だと思います。強いという先入観を持ったため、多くの人は自分の先入観に都合の良いニュースしか知覚・記憶しなくなっていたと思います。都合の悪いニュース・情報(つまり自分の先入観に反するニュース)は目にも留まらぬか、目に留まっても記憶には留まらなかったと思います。
(私はイギリスにいることもあって冷静に見ていたのですが)彼が本当に強いという先入観に反するいくつかの事実は明らかだったと思います。
・日本人と対戦したことがないので、相対的に彼が同階級の日本人で一番強いか分からない
・対戦相手の外国人の多くはかなりの格下だったので、彼の連勝記録をどこまで信頼してよいのか分からない
・本当に父親(世界チャンピオンなどを育てた経験なし)がトレーナーで強くなれるのか
・彼は階級を下げ、相手は階級を上げて戦う(減量の影響は?)
・一部のボクシング関係者(具志堅など)が彼の実力に疑問を投げかけていた
ただし、現在の日本人の流れは、「亀田選手は強くない」という方向に傾いているので、逆に彼の実力にネガティブな情報を知覚しやすくなっているのかもしれません。つまり、本当は強いけど、減量の影響や初の世界戦の緊張のため、実力を出し切れなかった可能性もあります。
念のためですが、私はボクシングに関して素人なので、亀田興毅選手が強いか弱いかは本当の所良く分かりません。
(2)なぜITバブルのように証券アナリストの予想が大はずれすることがあるのですか?
思い込むと自分の先入観(ここではニューエコノミー効果)によって悪いニュースを目が届かなくなるからです。当時は工場に在庫が山積みになっていても経営陣まで(経済の変調に関する)情報が届かなかった会社も多くありました。多くの人に一時的な現象として無視されました。
(3)なぜ顧客サービスが重要なのですか?
悪い顧客サービスが印象付くと、顧客は商品等の評価をする際も悪い情報に偏って知覚・記憶するからです。
《お願い》
皆さんの実例があると、わかりやすく内容も発展しますので、皆さんの実例やコメントをどんどんお待ちしています!!下記コメント欄からお気軽に書き込んでください。
次回の更新は、本編(衝動買いとパーソナリティの関係)は本日の午後、単発(なぜ広告の品ですと言われるとお値打ち品と感じるのか)を明日の午前中にする予定です。
なお、本当は図(パワーポイント)を付けたかったのですが、アメーバへの貼り付け方が分からずできませんでした。理解しづらくなりまして申し訳ありませんでした。どなたかやり方を知っている方は教えて下さい。
参考文献
Introduction to social psychology: A European Perspective Third edition
Edited by Miles Hewstone and Wolfgang Stroebe