民有地 ー 誰のもの? (1) | 広島から 中国総領事館 誘致に待ったをかける

広島から 中国総領事館 誘致に待ったをかける

広島に県、市、県議会、市議会、経済団体を挙げ、中国総領事館を誘致する計画があります。
経済にばかり走り、国家安全保障を考えない誘致計画に警鐘を鳴らします。

新潟で民間の土地が買われたという記事が2011年12月から出始めていた。万代小学校跡地売却が市民の反対で頓挫した時から、中国側が次善の策として当然打ってくるだろうと予測された話だった。今回、一生懸命になって登記を探した人も何人かいたようだ。しかし、登記に注目しても売却阻止の役には立たない。

2012.3.2日経
新潟、中国が総領事館移転へ土地取得 環日本海の交流深化期待
http://www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C93819490E2E3E2E4818DE2E3E2E1E0E2E3E09EE0E3E2E2E2;n=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E0E4E6

日経の記事は少しおかしな記事。「売ります」に「買います」の合意があれば、土地の代金が払われていなくても売買契約は成立し所有権は移転する。所有権移転登記が行なわれることで所有権が移転するわけでもない。日本の土地登記制度においては登記に公信力がなく、登記簿が真の所有者を示すわけではない。登記簿を見て土地の所有者がすっきりわかれば司法書士はいらない。そもそも所有権を取得した後、登記を行なわず、そのまま放置しておいても構わない(この場合、真の所有者は登記簿とは関係ないところに存在する)のだ。

今回の件も、未だ「登記簿上は同企業(新潟市内の民間企業)が所有している」のであり、所有権移転登記前に、土地取得は関係者への取材で明らかにされ「中国が総領事館の移転先として新潟市の県庁の近くにある広大な土地を取得する契約を結んでいたことがわかりました」(http://www.youtube.com/watch?v=fccQ3a9M6P8)
と、ニュースが流している通りである。何の情報も持たずに、ただ今の登記を見ても、中国が土地を取得したようには見えないのだ。


これまで中国が、公館用に公有地ばかりを狙ってきたのは、公有地がまとまった一等地であったからで、民間で同じような条件がそろう物件が転がっていれば、そちらの方が取得しやすいので、とっくに取得されているはずであった。しかし、県庁所在地の駅周辺など、民有地で、広く、形の良い優良物件は転がってはいない。

今回、新潟で取得された民有地は、中央区新光町15。google 地図で検索してみたところ、県庁の庁舎から約400m、日本海に注ぐ信濃川の河口に面した一等地で、14,900㎡ ほど。なぜ万代小学校に優先して押さえなかったのか、不思議なほどの場所なのだ。

ということは、おそらく、万代小学校の話が頓挫した後、中国側が秘密裏に、特定の地主に絞り込み、一年間かけて交渉を重ねた結果、やっとまとめた話なんだろう。それも、破格の金額提示があって初めてできる話だ。もし登記簿を見るというのならば、前の所有者を特定しその財政状況を調べた方が、今後への対策になるだろう。どこの企業がどういう状況下で手放す決意をしたのか、ということだ。

中国側の進め方はいたって下手で、いくら土地取得が成功しても、住民の不信感をそのままに土地取得を公表すれば、強引な印象は否めず、今後ますます、摩擦は激しくなる。直近の名古屋の例を経験しながらこうなのだから、移転、建設に時間をかけるつもりは毛頭ないという意思表示なんだろう。地方の反対住民の付け入る隙があるとすれば、こういう中国側の進め方の荒さにある。